大学入試“実志願者”数ランキング 早慶を抑えてトップは?

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2021年05月09日 18:10  AERA dot.

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写真左から時計回りに、明治大、早稲田大(c)朝日新聞社、日本大、法政大(撮影/松岡瑛理)
左から時計回りに、明治大、早稲田大(c)朝日新聞社、日本大、法政大(撮影/松岡瑛理)
 本誌が独自に調査する実志願者数ランキングも、今年で4回目を迎えた。併願をカウントしない実志願者数を見れば、大学の「本当の人気度」が見えてくる。コロナ禍で大学を取り巻く環境が厳しさを増すなか、いま本当に勢いのある大学はどこか。

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 のべ志願者数は、例えば1人の受験生が同じ大学の学部・学科を三つ併願した場合、3人と数える。多くの大学が近年、併願制度を充実させた結果、のべ志願者数が急増し、大学の人気が測りにくいとの声が出ていた。

 そこで本誌が2018年から始めたのが、のべ志願者数の上位50大学を対象にした実志願者数の調査だ。いまでは大半が公表するようになり、今回も追手門学院大を除く49大学が回答した。

 今年の最大の特徴は、多くの大学が志願者数を減らしたことだ。有名私大でも前年比8割前後が目立った。ベネッセ教育情報センター長の谷本祐一郎氏は、その背景をこう指摘する。

「受験人口の指標となる『18歳人口』が、20年度は117万人だったのに対し、今年度は114万人に落ち込みました。また、昨年度は、大学入学共通テストの翌年からの導入を前にして、浪人を避ける動きが目立ったことも、今年度の志願者減に大きく影響しました」

 さらにコロナ禍が追い打ちをかけた。「日々高校の現場を回って感じるのが『地元志向』の強まりです。例えば、東京の大学に入っても、オンライン授業になる可能性は高い。ならば、はじめから地元でいいという考えが受験生にも保護者にも広がりました」(谷本氏)

 こうした状況で、今年は明治大が1位になった。広報担当副学長の上野正雄氏は「学生の目線に立ち、教育や学生支援の向上に地道に取り組んだ。それをしっかり伝えてきたことが受験生や保護者に評価された」と語る。

 前年比で見た増加率では、理系大学の健闘が目立つ。最も高いのは千葉工業大の107%だった。

「増えた要因は、間違いなく共通テスト利用入試の検定料免除です」

 入試広報部の担当者はこう話す。コロナ禍で経済情勢が悪化するなか、「在学生に限らず受験生にも支援を広げる必要がある」と判断。共通テストを利用した検定料の免除に踏み切った。来年以降も続けるか、現在検討中という。

 東京都市大も前年比99%と健闘した。入試センターの小澤亮賀氏は「昨年後期から多くの授業を対面型に切り替え、オンラインでも配信した。理系大学の場合、実験・実習は必須。大学生活がきちんと送れる安心感を受験生にもってもらえたのでは」と分析する。

 入試制度の変更が志願者減につながったとみられる大学もある。一部学部の一般選抜で、共通テスト受験を必須にした青山学院大は、全体の実志願者数が前年の75%に。入試課担当者は「入学定員管理の厳格化や入試制度の変化を受けて安全志向が高まるなか、コロナ禍の大都市で学ぶ不安や経済的な不安も加わった。受験生が出願校を慎重に絞り込んだことがうかがえる」と指摘する。

 前年比78%となった関東学院大。アドミッションズセンター担当者は「ボーダー得点を引き上げた影響で昨年度、入試倍率が上がり、敬遠される傾向が強まった」と見ている。

 もっとも、実志願者の減少を「人気の低下」と読み替えるにはいささか注意がいる。谷本氏は「入試科目を増やすなど受験生の負荷を高める入試変更をすると、志願者が減るのはどの大学にも共通して見られる現象」とも指摘する。

 厳しい環境でも、前年並みの実志願者数を確保している大学はある。入学後の学びの環境を整え、いかに魅力を高められるかが、今後各大学にとってかぎになる。(本誌・松岡瑛理)

※週刊朝日  2021年5月7−14日合併号

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