何歳まで産めるのか? 高齢出産のリミット、出産可能年齢について医師が解説!

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2021年05月09日 20:51  All About

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写真妊娠可能年齢には明確な「タイムリミット」があります。高齢出産が何歳まで産めるものなのか、その限界をしっかり理解した上で、自分のライフプランを立てていきましょう。
妊娠可能年齢には明確な「タイムリミット」があります。高齢出産が何歳まで産めるものなのか、その限界をしっかり理解した上で、自分のライフプランを立てていきましょう。

出産のリミットとは? 何歳まで子供を産めるのか

「見た目年齢」という言葉が溢れる現代、今や見た目年齢は自分で作る時代に。肌やボディのアンチエイジングに力を入れている方も多いのではないでしょうか。

高齢出産の定義は、WHOで決められていて「35歳以上の初産、2人目以降であれば40歳以上」とされています。寿命は延び、見た目年齢の若い人は増えていますが、それはあくまでも外見上のこと。今も昔も「卵子の加齢」は変わらないため、生物学的な妊娠適齢期は25〜30歳です。

ですからここで一番お伝えしたいのは、妊娠可能年齢には明確な「タイムリミット」があるということ。さらにそれをしっかり理解した上で、自分のライフプランを立てることが最も重要だということです。

何となく仕事を優先していたら40歳を過ぎていましたとか、ぼんやり結婚の時期を延ばしていたら40歳を過ぎていました、とならないように将来子供が欲しいのか、欲しいとしたら何人なのか、何歳くらいで産みたいのか、などをしっかり計画してくださいね。

35歳を過ぎると、どうして妊娠・出産しにくくなるの?

35歳になると突然リスクが急に高くなるというものではありません。30歳を過ぎると、少しずつ卵子の劣化が進んでいきます。一般的に35歳を境に卵子の質(妊娠率)が急激に下がっていくため、35歳を一区切りにしています。

体外受精の年齢別妊娠確率を例に見ると、25歳以上で40%弱、32歳くらいまでは37〜38%ありますが、35歳をこえ、30代後半から徐々に妊娠率は低下し、40歳で20%を切り43歳で10%、44歳で10%を切ります。そして45歳以上は5%以下となり限りなく0に近づきます。

妊娠率が下がるだけでなく、胎児の染色体異常のリスクも高くなります。染色体異常の病気の中で多い「ダウン症」ですが、20歳ではその確率も1667分の1とかなり低いのに対し、30歳で952分の1、35歳で378分の1、40歳で106分の1、45歳で30分の1とどんどん上がっていきます。

妊娠率の低下や染色体異常の原因として、最も影響が大きいのが卵子の質の低下です。加齢に伴い卵子そのものが妊娠に不向きな状態になっていきます。また年齢が上がると染色体異常の率が上がるため流産率も上がり「出産までたどり着く確率」も下がります。また加齢とともに子宮筋腫などの合併症も高くなり、不妊要因が増えていきます。

不妊治療を行っても妊娠のタイムリミットは43歳

自然妊娠が難しい場合、不妊治療を行うことで妊娠率の向上が望めます。排卵日を確定するタイミング指導、子宮内に人工的に精子を注入する人工授精、子宮内から取り出した卵子を体外で受精させ、その受精卵をある程度育てた後に子宮に戻す体外受精や顕微授精など、不妊レベルによって選択する治療は様々です。

しかし、たとえ高度で高額な不妊治療(体外受精や顕微授精)を行ったとしても、自分の卵子で妊娠する場合妊娠率が「ゼロ」になる年齢は43歳くらいで、自然妊娠とほとんど変わりません。

卵子提供という選択肢が出てきたことによって、本来の生殖可能年齢が過ぎても(例えば50歳で)妊娠することは理論上可能になっていますが、母体に負担が高く、子どもに障がいが出るといったケースも見られ、日本産婦人科学会では卵子提供による妊娠も45歳を上限としています。

35歳からのHAPPYな妊娠・出産のために

こう言うと、35歳以上の出産は未来がないように感じてしまうかもしれませんが、年齢を重ねているからこそのメリットもあります。年齢が上がるとともに精神的&経済的に安定する場合が多くなるので、その分育児に余裕が持てるという声も多く聞きます。

35歳になってもできるだけ不妊で悩まないために大切なのは、卵巣機能を年齢以上に低下させないこと。タバコや不規則な生活や食生活は、卵巣機能を低下させ、卵子の質を下げてしまいます。ストレスを溜めず規則正しい生活習慣を心がけましょう。食生活では、ファストフード・ジャンクフード・コンビニ食など害のあるものを避け、ベースサプリを摂ることをおすすめします。

また、子宮頸がん検診や筋腫&内膜症などのチェックを年1回受けること、妊娠を希望するまではピルで確実な避妊をすること、コンドームで性感染症を予防することも大切です。妊娠の可能性や産めるリミットをしっかりと認識した上で、自分で産む時期を選択できるように仕事とプライベートの計画を立てていけるとベストですね。

清水 なほみプロフィール

女性医療ネットワーク発起人・NPO法人ティーンズサポート理事長。日本産婦人科学会専門医で、現在はポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。女性医療の先駆者の下、最先端の性差医療を学び、「全ての女性に美と健康を!」をコンセプトに現場診療にあたる。ネット・雑誌・書籍等の媒体を通し幅広く健康啓発を行っている。
(文:清水 なほみ(産婦人科医))

このニュースに関するつぶやき

  • 「命短し、恋せよ乙女」  体力的に子育てが大変な場合に、気兼ねなく頼れる施設や制度が社会に十分備わっていない事も問題。
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  • 受精も着床も妊娠継続も全部大変だよ。そして産んだら終わりじゃない。四十半ば辺りからの出産育児はかなり大変だと思うよ。年取るのは婦人科系統の臓器だけじゃないんだからね。誰でも確実に、老いるし衰える。
    • イイネ!8
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