【漫画】50歳の漫画家が“車中泊”で日本一周? 小田原ドラゴンが語る、ゆるゆる車中泊の魅力

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2021年05月11日 10:41  リアルサウンド

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写真『今夜は車内でおやすみなさい。(2)』
『今夜は車内でおやすみなさい。(2)』

 『チェリーナイツ』(週刊ヤングマガジン)や『コギャル寿司』(ヤングマガジンアッパーズ)などの作品で知られる漫画家・小田原ドラゴンの“車中泊漫画”『今夜は車内でおやすみなさい。』(ヤンマガWeb)が、Twitterを中心に話題となっている。単行本第1巻は各書店、オンライン書店で売り切れが続出し、車中泊の模様を伝える小田原ドラゴンのTwitterが頻繁にバズるという事態だ。


 近年“ソロキャンプ”がブームとなり、その流れで“車中泊”も注目されているが、作中の主人公・シャーク小笠原の車中泊はそれらとは一線を画す。ヤンマガWebのイントロダクションにあるように「映えない! キラキラしない! でも、自由と浪漫は売るほどある」。この一文こそがシャーク小笠原の車中泊を表している。


 車中泊を始めたきっかけにも哀愁を感じてしまう。


 かつての栄光が過ぎ去り、工場でアルバイトをしながら、アダルト雑誌で漫画を描き続ける日々を過ごしていたシャーク小笠原。年齢が50歳を迎え、将来の不安と孤独を感じ夜中に車で遠出したことから始まる。そんな等身大の旅が、一定層の読者に強く何かを訴えかけ、熱狂させる。


 そんな作品を執筆しながら、現在「日本一周車中泊旅行中」の小田原ドラゴンにインタビュー。車中泊ならではのエピソードやその魅力、これからの旅について語ってもらった。(佐々木康晴)


関連:【漫画】『今夜は車内でおやすみなさい。』第1話


■読者の声が正しいとは限らない


――現在、どちらにいらっしゃいますか(4月15日の取材時)?


小田原ドラゴン(以下、小田原):今は高知の四万十川の近くの道の駅です(道の駅 よって西土佐)。最近できたばかりの綺麗なところで、その場で捌いたカツオを食べられるんですよ。


――素敵なところですね。漫画にも描かれていましたが、本当に日本一周している最中とのことですが。


小田原:そうなんです。車内で漫画を描きながら(笑)。


――(映像を見て)すごい! 本当に車内で描いているんですね。小田原さんのTwitterを見ていると、読者と情報を交換しながら行き先や食べるものを決めたり、縛られていない感じがとても素敵だと思っていました。その場所も読者の情報ですか?


小田原:そうです。この後は柏島という、海がものすごく透明で「船の影がそこに映ったときに船が浮いているように見える」というスポットがあるんですけど、そこをオススメされたので、行ってみようと思います。本当はそんなに行きたくないんですけど……。


――行きたくないんですか(笑)?


小田原:でも、オススメされたときに「行く」って言ってしまったんで、向かっています。ここからだとすごく遠くて、着くときには夜なんですよ。


――船の影すら映らないですね……。基本的にオススメされた場所、食べ物は試していますか?


小田原:なるべくそうしています。でも、自分に合わない食べ物とかはありますね。和歌山ラーメンの美味しい店を教えてもらって、そこには行けなかったので、自分で店を調べて食べてみたんです。そこは家系ラーメンのスープを薄めて、3〜4日放置して、かつ生臭くなってきた感じのスープで、失敗でした。普通、ラーメンのスープって我慢して飲まないようにしたりするじゃないですか? そういう気分にまったくさせない味で。おそらく、その店が特別にそうだったんだと思いますが。


――なるほど(笑)。お風呂とかはどうしていますか? その土地土地の温泉などありそうですが。


小田原:僕は温泉にまったく興味がなくて、体を洗ってでるだけですね。温泉に行っても浸からないときもあります。


――ご飯はどうしていますか? 漫画だと料理道具も車に積んでいたと思うのですが。


小田原:道具はあるのですが、燃え移りそうで怖くてやっていないです。買うか外食ですね。その土地のスーパーに行くと、特色があるのでそういう楽しみも増えたのと、それが漫画のネタにもなるので。


――旅を長く続けていると、様々なことに麻痺してネタに困ることはありますか?


小田原:ネタはなければ、それはそれでいいのかなと思っています。本当はよくはないんでしょうけど、行ってみたらそこまで大したことなかったとか、食べたものが期待外れとか、そういうのを描いていければと思います。


――その緩さも作品の魅力のひとつですよね。そこに共感できたり羨ましがる読者は多いと思います。Twitterを見ていると、中年男性らしき人たちからの信頼が厚いと思うのですが?


小田原:そうですね。そういう読者の人の中から、いつか自分の漫画を真似して「ライトバンを買いました」という人が現れたりしたら嬉しいですね。


■新しい仕事のやり方?


――作品で、作業に疲れたとき、ふと外を見たら富士山が見えてリフレッシュするというシーンが、個人的にはとても羨ましいと思いました。やはり旅をしながらの仕事はいいですか?


小田原:家でやるよりはいいですね。常に体勢がしんどいというのはありますが。あまり仕事をしているっていう感覚はなく、その仕事の方法も含めて遊びの延長という感じです。


――先日、第1巻が発売されましたが、反響はいかがでしょうか?


小田原:日本一周に出る前はあまり分からなかったんですが、始めてからはどこに行っても、人が来てくれます。今は漫画を売りながら日本を回っているので、こんな所にも来るの!?という驚きがあります。


――実際に講談社から買い取って、売り歩いているんですよね?


小田原:100冊売った後に、勝手に追加の200冊が送られてきて、軽自動車なんで幅とるんですよ……。他に自分の同人誌も売っていて、それは売り切りました。買っていただいた商品に全部にサインしています。単行本は持っているけど、同人誌を買いに来たという方もいましたね。


――それは嬉しいですね。


小田原:ただ、いつ来るか分からないので、寝ているときやご飯のときなど不意に来るので、びっくりするときはあります。自分がそこにいるとツイートしているからなんですけど。でも、サインはしてますよ。


――買いに来る方は昔からのファンの方が多いですか?


小田原:そうですね。中年男性が多いですね(笑)。そして大体の方が、「デビュー当時から読んでました」とか昔の話をしますね。なかには家族で応援してくれる方もいて、この前、中学生くらいの女の子を連れたお母さんがきたのですが、「私、あのブルセラのネタが好きで」と話し始めて……。娘さんがポカンとしていたら、「昔ブルセラっていうのがあって……」って説明し始めたのは、さすがに驚きました(笑)。


――それは若いファンの開拓につながるのか、判断が難しいですね(笑)。先ほど昔からのファン、特に中年男性がファンに多いと聞きましたが、その層と「車中泊」という題材は非常にマッチしていそうです。


小田原:そうだと思います。まず、一人で出来るというのが大きいですよね。正直、何人かで旅行とかだと、色々な観光地を回ったりしますけど、そういうのがないのが本当に楽です。旅行だったら、ご当地スーパーとか行かないですからね。そして、近場でやるにはほとんどお金もかからない。僕は遠出もしてますけど、ここまで来るのにそんなにお金はかかってないですからね。誰でもできる趣味だと思います。


■これからの行き先と目標


――これからはどのようなルートで回りますか?


小田原:愛媛から香川、そして岡山に入ります。そこから広島、山口で一旦、5月中に家に戻らないといけないので、九州には行かずにUターンします。そこからまた九州に行こうと思うのですが、そこはカーフェリーで行こうかと思っています。そこからは北に向かいます。


――北はどちらまで?


小田原:北海道は色々行きたいですね。網走とかにも行こうと思っています。全部合わせて3カ月くらいで回ろうと思っています。


――日本一周達成後のことは考えていますか?


小田原:何も考えていないです。やっているうちにまた何か浮かぶかな?と。


――先生の車中泊を追いかけている読者にメッセージをお願いします。


小田原:漫画にも書いたのですが、僕が日本を一周していることで普段の生活と違った景色を見てもらえたら嬉しいです。今、なかなかどこにも行けないと思うので、その景色を見てもらえたらいいなと。あとみなさんに伝えたいのは、車中泊は安全な趣味ということです。テントと違って鍵があるので!


■書籍情報
『今夜は車内でおやすみなさい。(2)』
小田原ドラゴン 著
定価:本体630円+税
出版社:講談社


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