「Echo Show 10」をしばらく使って分かったメリットとデメリット

0

2021年05月13日 12:12  ITmedia PC USER

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia PC USER

写真10.1型液晶ディスプレイを備えた「Echo Show 10」。本体色はグレーシャーホワイトとチャコールの2色で展開される。Amazonでの税込み価格は2万9980円だ
10.1型液晶ディスプレイを備えた「Echo Show 10」。本体色はグレーシャーホワイトとチャコールの2色で展開される。Amazonでの税込み価格は2万9980円だ

 ディスプレイ付スマートスピーカー「Echo Show 10」について、前回は基本編として、セットアップから基本的な機能までを紹介した。



【その他の画像】



 今回は活用編として、本製品のカメラおよび回転機能を使った「ビデオ通話」と「監視カメラ」の2大機能に加え、モーション機能の詳細について、しばらく使って感じたメリットとデメリットをチェックしていく。



・生まれ変わった「Echo Show 10」がやってきた! 注目の回転機能を試して分かったこと



●ビデオ通話中の「追いかけ」はむしろお節介?



 最初に紹介するのはビデオ通話だ。Alexaのビデオ通話機能には、「呼びかけ」「コール(通話)」の2種類があるが、本製品で「Alexa、通話して」と呼びかけた時には、後者のコール(通話)機能が選択される。



 ビデオ通話は他のEcho Showはもちろん、スマホアプリとの間でも行える。同じAmazonアカウントにひもづいたデバイスだけでなく、別のAmazonアカウントを指定しての発信も可能だ。



 「Alexa、通話して」と呼びかけて開始する方法以外に、ホーム画面を左スワイプして表示されるメニューの中から「コミュニケーション」→「コール」と選び、通話先を指定する方法でも発信できる。



 このビデオ通話だが、機能そのものは従来と変わらない。新モデルになってからの最大の違いは、室内で移動しながら話しかけても、常に自分自身が画面の中央に来るように、カメラが自動的に追尾してくれることだ。



 この追尾には「左右の首振り」「上下移動」「定点のズーム」の3種類があり、左右の首振りは物理的に首を振っての追尾、上下移動と定点ズームはデジタルズームによる追尾となる。「Google Nest Hub Max」にも似た機能があるが、こちらはデジタルズームのみで左右の首振りはないので、範囲は本製品の方が圧倒的に広い。



 もっとも、範囲が広いから必ずしも便利とは限らない。というのも、最大350度まで回転するせいで、あまり見せたくない室内の様子まで映り込んでしまうからだ。家族間での通話なら問題ないが、そうでない相手との通話であれば、画面をタップすることで表示されるメニューから「追いかけ」をオフにしてやるとよい。



 ちなみに本製品の発売に併せて、ビデオ通話の「Zoom」と、さらにAmazonのビデオ通話アプリ「Chime」が本製品で利用可能になることが発表された(日本国内での展開は未定)。ビジネス利用であれば、なおさら余計なものが映り込まないように追いかけはオフにすべきで、必要性は薄い。画角を固定したままデジタルズームだけが使えるモードがあると便利かもしれない。



 次に監視カメラ機能をチェックする。



●リモートで広範囲が見られる監視カメラ機能



 続いては、監視カメラ機能だ。従来のEcho Showは、外部カメラの映像を見られることが売りだったが、本製品は自身がカメラとして機能する。本製品はカメラ自体の解像度が約500万画素から約1300万画素へと大幅に向上しており(ちなみに、第2世代Echo Show 8も従来の約100万画素から約1300万画素になった)、ネットワークカメラとしてのクオリティーも十分すぎるほど高い。



 本製品のセットアップが完了すると、Alexaアプリの「カメラ」の中に本製品が表示されるので、それを選ぶと視聴が可能になる。スマホからの視聴では、左右のスワイプで方向をコントロールできる他、ピンチイン/アウトで任意のエリアにズームすることができる。



 スマホのAlexaアプリだけでなく、他のEcho Showシリーズからの視聴も可能で、その場合も左右スワイプ、ピンチイン/アウトの操作に対応する。Echo Show 8のように、本製品と同じくカメラとして使える端末とは、カメラとビューワの役割を入れ替えることもできる。少々不思議な感覚だ。



 なお、本製品側がモーションをオフにしていた場合、スワイプでの操作は行えないが、Alexaアプリからリモートで解除できる。ただしカメラのシャッター自体が閉じていた場合は、リモートでシャッターを開ける方法はないので、あきらめるしかない。



 ちなみにカメラとして使っている場合は、本製品の画面にもその旨が表示され、周囲にいる人からも、リモートで見られていることが分かるようになっている。そこで「停止」をタップし、強制的にリモート視聴をストップさせることもできる。プライバシーについては一通り配慮されている印象だ。



 このカメラ機能、海外では本製品と組み合わせて自宅を警備するサービス「Alexa Guard」とセットで運用できるが、国内では非対応ゆえ、現時点ではたんにスマホなどから自宅の様子を見られるサービスでしかない。ニーズがあるのは、防犯目的での室内監視、および犬や猫など室内飼いしているペットの様子を見ることだろう。



 これ以外に、ベッドにいる赤ちゃんの様子や、体調が悪く床にふせっている人の様子をリモートで見る(場合によっては声をかける)という用途にも使えるが、それならば固定画角のカメラで十分だ。350度の回転が可能な本製品の機能をフルに生かすならば、室内を動き回るペットを追尾したり、あちこちを見渡す防犯用途での利用がマッチしている。



 操作はいずれも手動になるので、室内を動き回るペットを常に中央に捉えておくことはできず、手動でスワイプないしはズームを行って追尾する必要がある。ペット用途であれば動体の自動ズームアップや自動追尾、一定速度での自動首振りなど、機能的にはもう一声ほしいところだ。



●「ホームコンテンツ」オフでも画面が書き換わる問題はそのまま



 続いて、ここまで紹介できなかった機能をチェックしておこう。



 スピーカーは、ディスプレイから見て台座に当たるボディーに内蔵されている。従来モデルになかったウーファーを搭載するなど、同時期に発表されたEchoやEcho Dotと同様、音質を重視していることが分かる(ただしDolby Atmosなどは非対応)。またサブウーファーなどの追加にも対応している。



 実際に聞く限り、音はかなり低音に寄っており、音量を絞り込んで再生している時はその傾向がさらに顕著になる。本体の「サウンド」→「イコライザー」、またはAlexaアプリの「オーディオの設定」でベースを控えめに、トレブルを強調する設定にしてやれば、かなり聞きやすい音になる。



 Zigbeeに準拠したスマートホームハブ機能も搭載しているのも特徴だ。同じ機能はこれまでEcho Plusに採用されていたのが、2021年秋のモデルチェンジでEchoに統合されており、本製品でも標準搭載となった格好だ。



 現状、一定の入手性と実用性を兼ね備えたZigbee対応デバイスはHueしかなく、この機能が省かれてもほとんどのユーザーには影響しないはずだが、あえて追加されたのは驚いた。何らかの新展開があることを期待したい。



 もう1つ触れておきたいのは、画面に情報を表示する「ホームコンテンツ」機能についてだ。Echo Showシリーズには、絶えず画面に何かしらの情報をループ表示しようとする困った部分がある。「ホームコンテンツ」の項目を全てオフにしていても、しばらく時間が経つと必ず何かしらの情報を表示したり、また画面が思わせぶりに明滅したりする。



 筆者は未使用時のスマートディスプレイには時計だけ表示し、後はじっとしておいてほしい派だ。そのため、視界の隅に入っていると絶えず注意をそがれる現状の仕様のせいで、Echo Showの評価は以前から極めて低い(ちなみに時計モードを備えたEcho Show 5、さらにGoogle Nest Hubはこういった問題はなく、常時時計だけを表示しておける)。



 本製品でこの挙動が修正されていることを期待したのだが、試した限り、ホームコンテンツの項目を全てオフにしていても、おおむね1時間に1回のペースで、使い方を提案する画面が表示されてしまう。この数分間を除いては、画面左下に時計と気温だけを表示した状態を維持できるだけに、非常に残念だ。



 もっとも本製品は、未使用時には画面を見えない方向に待機させておけるので、筆者のように視界の隅で画面が動くのを目障りに感じるユーザーは、画面が後ろを向くように設定しておけばよい。とはいえこの場合、モーションがオンにせよオフにせよ、使う時に画面を前に向かせる手間がかかるので、あくまで対症療法に過ぎず、これによって製品の評価が上がるわけではない。



●ハードウェアの完成度は高いが疑問点が多く残る1台



 以上ざっと見てきたが、最大の特徴であるブラシレスモーターによる回転機能は非常にスムーズかつ静かで、ハードウェアとしての完成度は高い。モーション検知での自動回転は個人的に必要性を感じないが、監視カメラ機能で広範囲が見られるという点では、350度にわたって回転する機能の価値はある。



 ただし、この機能をユーザーが本当に求めていたのかはやや疑問が残る。特にモーション検知は、同社が言う「何重ものプライバシー保護対策」が完全に機能していたとしても、見られている感覚は常につきまとう。最初はその動きのユニークさに「オオッ」と思っても、しばらく経つと、大半のユーザーはオフにすることを選択するのではないかと思う。



 また、ディスプレイ部を動かすことが前提の設計ながら、画面がグレア加工であるせいで、照明が絶えず映り込むなど、ちぐはぐな印象はある。照明が映り込んでいるため、少し角度を変えて見ようとすると画面がこちらを向いて結果的に反射まで追従してくるのは、ストレス以外の何物でもない。



 本製品が、従来の第2世代Echo Showの「後継」であるのも疑問だ。本製品は設置のために約36.5cmという、従来(約15cm)の2倍以上の奥行きを必要とするので、買い替えても同じ場所には置けない。物理的に置き換えが難しく、またコンセプトも異なる本製品を「後継」とするのは無理がある。従来の「上位モデル」とするのが妥当で、そうした意味で一般的な大画面スマートディスプレイが、マトリクス上消滅したのは気になるところだ。



 ちなみに、これはボディーの前方に張り出すようにディスプレイを取り付けた本製品の設計上の問題で、ボディーの前ではなく上にディスプレイを取り付ければ、回転ギミックを維持しつつ、奥行きは25cm程度で済ませられた計算になる。このあたり、もう少し設計段階でなんとかならなかったのかという気はする。



 もちろん、これらは筆者が勝手に危惧しているだけで、もしかすると世界的にはこういった製品のニーズが大きく、ヒットする可能性もある。次世代でもこの路線が維持されるのか、それとも元の路線に戻るのかは、非常に興味があるところだ。


    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定