菅首相は小池爆弾に疑心暗鬼 変異型ウイルスまん延で医療崩壊なのに「東京五輪やるよ」

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2021年05月14日 11:05  AERA dot.

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写真小池百合子東京都知事と菅義偉首相(C)朝日新聞社
小池百合子東京都知事と菅義偉首相(C)朝日新聞社
 前千葉県知事の森田健作氏が官邸で5月13日、菅義偉首相とランチを共にした後、記者団に明かした会話が物議を醸している。

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「東京五輪やるよ」と菅首相が森田氏に語ったというのだ。

 5月末まで東京、大阪、兵庫、京都、愛知、福岡に加え、新たに北海道、広島、岡山の9都道府県に緊急事態宣言、まん延防止等重点措置を神奈川、千葉、埼玉、岐阜、愛媛、北海道、沖縄、三重に新たに石川、群馬、熊本を加え、16日から適用すると論議していた最中だ。

 国民の東京五輪・パラリンピック開催への反発が高まる中、あまりにも不用意な発言と自民党内で疑問視されている。

「森田さんに話したら何でもマスコミに流れちゃうのに、菅さんの発言に戦略性も何もない。脇が甘すぎる。菅さんは五輪を中止する気は本当に一切ない。そこは口先でなく本気ですよ。その一方で小池百合子さんが五輪中止を言い出すのでは、と疑心暗鬼になっているのは事実。ただ、各種メディアで大量に流れはじめた『小池知事が五輪中止を表明か』という情報は変な動きをされないように、菅さん周辺が意図的に流しているキャンペーンです。『五輪の命運を握るのは小池』というストーリーにすることで、開催するにせよ、中止になったにせよ、批判の矛先を菅さん自身から転嫁できる、という上手い作戦です」(自民党幹部)

 官邸や東京五輪・パラリンピック組織委員会は東京五輪に関しては、無観客にし、選手動線を明確に切り分けることができれば、理屈上はテニス四大大会のように開催は不可能ではない、と突き進んでいるという。

「IOC(国際オリンピック委員会)も今のところ、中止する気はないですが、IF(東京五輪33競技の国際競技連盟)の顔色を伺うところが多分にありますから、IFがあれこれ懸念を表明しはじめると、バッハ会長はどう動くかわからないかもしれません。五輪開催はムチャだと思いますが、政府が中止の判断をするには正直、遅すぎたと思います。あと100日あまりで開催日を迎えます。中止するにはIFが声を上げるか、開催都市である東京都知事の小池さんが口火を切るか、くらいしかシナリオはありません」(政府関係者)


 菅首相の頭は高齢者へのワクチン接種を7月末に終えること、東京五輪を成功させること、衆院解散に打って出て勝つこと―ー。このシナリオしかない、と前出の自民党幹部は言う。

「ダメなら辞させられるともう必死。周囲もマイナスの話は絶対入れないから、菅首相は自信たっぷりだ。怖いのは、猛威を振い、先が読めないコロナと菅首相を揺さぶり、何をしでかすかわからない小池さん。菅首相に近い国会議員が『小池爆弾が…』と言ったら、そうだと応じていた」

 全国で新型コロナウイルスの9割以上が重症化しやすいとされるN501Y型の変異株に置き換わった――。こんな推計を国立感染症研究所が政府に報告した。変異株は東京などの首都圏で90%を超え、大阪、兵庫、京都ではほぼ100%に達しているという。

 ここ数日は新規感染者数が1000人以下になっているが、大阪の「医療崩壊」はいまだに続いている。死者数は5月11日に過去最多の55人、12日には50人と激増し、5月は13日現在、月間の死者は412人に達し、すでに最多を更新している。大阪府内で中等症までの患者の治療にあたっている病院の看護師は、こう悲惨な状況を話す。

「うちの病院で4月末と5月はじめと亡くなった患者さんがいます。どちらも高齢者ではなく、50代です。一人の方は軽い中等症だったが、入院して1日で急激に悪化。重症病棟への転移が必要となった。しかし、どこも空きがない。うちで重症者の治療にあたった経験がほとんどなかった。医師の指導で、薬を投与や人工呼吸器を装着しました。しかし、肺は真っ白で、肺炎は悪くなるばかり。本当ならエクモの装着が必要ですが、ない。手配している間にお亡くなりになった。コロナがすぐに収束しないことはわかっていたはず。国や大阪府は何をやっていたのか」

 大阪府では「入院フォローアップセンター」で入院や転院を調整している。そこに問い合わせがあると、実際に対応にあたるのは、保健所だ。保健師の一人は打ち明ける。

「とにかく、電話が鳴り止まない。当番になると、携帯電話を持ち帰りますが、夕食をつくる時間もないくらい、ひっきりなしに電話がかかってきます。コロナで過労死するんじゃないかと思うほどです」

 大阪維新の政策で保健所が大幅に削減され、人手不足に陥り、月の残業が100時間を超える保健師も大勢いるという。

「コロナ患者さんやそのご家族も熱が上昇、下がらない。しかし、入院ができないとなるとそのイライラを保健所にぶつけてくる。『はよ入院させろ』『このままでは死ぬ』『家で死ねというのか』などきつい言葉を浴びせられることもあります。しかし、空き病棟がないのでどうにもならない。先日も本来なら重症病棟で治療しなければならない患者さんを空がないので中等症の病床へ送りました。もう無茶苦茶ですよ」

 大阪府下の消防隊員も惨状をこう語る。

「コロナ患者の救急搬送で困るのが、とにかく搬送先がないことです。3〜4時間と待たされるのはザラです。酸素投与をするのですが、4月から5月にかけて、その際中に急に悪化する患者さんが多く出ました。変異株が理由なのか、とにかく悪くなるスピードが驚くほど速い。急に呼吸が荒くなって、本当に生命の危機が迫っているような容態になるのです。救急車ですから酸素投与など応急処置しかできません。患者さんのご家族は、オロオロして涙する方もいらっしゃる。思わず、こちらも涙がこぼれそうになります」

 看護師、保健師、消防隊員を取材して3人とも口を揃えるのは、「完全に医療崩壊です」という現状。助かる命が、助からない大阪。

「東京五輪やるよ」という菅首相には過酷な現実を直視してほしい。

(今西憲之 AERAdot.取材班)










このニュースに関するつぶやき

  • 大阪などは減少傾向であり、このまま減っていけばワクチン効果もあり医療崩壊も収まる。マスコミ、特に左巻きマスコミは中止させたいからこういう根も葉もない事を書く。
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  • 小池さんはやる以外に言える筋合いじゃないよね?なのに、日和ってるだけじゃん。自分で判断できない人って話なだけで国に判断させるなら小池無視でいいじゃんwww
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