角田は苦しい週末を過ごすも「コミュニケーションをしっかり取り、次に活かそうとしている」/ホンダ本橋CEインタビュー

0

2021年05月15日 08:10  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

写真2021年F1第4戦スペインGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第4戦スペインGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
 各マシンの『素の速さ』が見えると言われるバルセロナ-カタロニア・サーキット。そこで開催された2021年F1第4戦スペインGPでのアルファタウリ・ホンダは、角田裕毅が予選16番手、レースはリタイア、ピエール・ガスリーも予選12番手から10位入賞と、今ひとつの結果だった。中団勢の実力差が昨年以上に拮抗していることが明らかになった今、「ちょっとした取りこぼしが、大きなロスになってしまう」と、ホンダF1の本橋正充チーフエンジニアは分析する。

 一方で今回も結果を出せず、不本意な週末となってしまった角田については、「フィードバックは今まで同様高いレベルだし、前向きにやってくれている」と評価。その言葉からは温かな眼差しと、焦らず着実に成長してほしいという思いが、強く感じられた。

────────────────────

──今回の2連戦で中団勢はいっそう熾烈な戦いになったことが明らかになった印象です。そんななかでアルファタウリは、ちょっと苦しい展開になっているのではないでしょうか?

本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):カタロニア・サーキットは、ある程度実力が見えるコースでした。そのなかでアルピーヌがポルトガルに続いて、予選一発では速さを見せた。中団グループのラップタイム差が拮抗するだろうことは予想していたのですが、実際にそうなりました。そういう状況では、ちょっとした取りこぼしが大きなロスになってしまいますね。

──実際に予選はかなりの接近戦でした。それが結果的に、大きなポイント差となってしまった?

本橋CE:そうですね。ここはなかなか抜けないコースで、数珠つなぎのまま走らざるをえない。その意味で予選順位が本当に大事でしたね。

──ピエール・ガスリーがスタート位置をはみ出したのも、手痛いミスでした。

本橋CE:彼にしては珍しいミスでした。

──一方の角田裕毅選手は、燃圧低下トラブルで初リタイアでした。初日にも電源シャットオフの症状が出ましたね。

本橋CE:はい。原因不明でしたし、その後は普通に走行できていました。縁石とか外的要因の影響も含め、調べているところです。

──燃圧低下に関しては、車体、パワーユニット(PU)、どちら側だったのですか?

本橋CE:それも現時点では不明です。燃料系は車体、エンジンの両方にまたがっていますから。

──角田選手はちょっと苦しい展開の週末でしたが、チーム内の雰囲気はいかがですか?

本橋CE:特に変わっていないですよ。このところ結果が出ていなくて、本人もちょっと元気がないかなという感じでしたけど、でも各セッション後にはエンジニアにしっかりフィードバックしてくれていました。その都度気持ちも切り替えて、前向きにやってくれていると思っています。もちろん結果が出ていないので、さっき言ったようにやや元気がないのですが、フィードバックは今まで同様レベルの高いものです。

──日本語でやりとりすることで、細かいニュアンスの伝達も期待できると、開幕前に言っていました。

本橋CE:そこはまさに、期待通りです。失敗したことだけでなく、うまくいった部分についても、「ここはさらにこんなふうに」という感じで、前向きに建設的な話し合いができていますね。

──逆にチームとは、英語でのやりとりということもあって、細かいニュアンスが伝わりにくかったりしますか?

本橋CE:走っている最中の無線では、伝えにくい部分はある程度はあるかもしれません。でもそのあとのミーティングや担当エンジニアとの話し合いは、横で聴いていてもきちんとお互い言い合って、理解し合っていると思います。言葉の壁のようなものは、感じていない印象です。

──私たち第三者は断片的な無線のやり取りしか聞いていないために、角田選手が四六時中カッとなっていて、それをエンジニアがなだめていると思いがちです。そこは実態とは、ちょっと違うということですか。

本橋CE:まったくそうですね。本人も無線ではつい感情的になってしまうと言っていますが、感情的になっても然るべきかなという観点もあっていいと思います。本気で真剣に取り組んでるわけですから。おっしゃるように断片的な部分だけ取り上げられがちですが、クルマについてのコミュニケーションはしっかり取れていますよ。もちろん経験豊富なガスリーに比べれば、フィードバックの量だったり、観点は違うかもしれない。でもチームエンジニア、ホンダエンジニアの話をきちんと聴いて、次のセッションで活かそうという姿勢は一貫してます。

──次のモナコはまったく違うサーキットになりますが、中団グループの力関係はまた違った様相を見せるかもしれない?

本橋CE:特殊なサーキットですからね。純粋なパフォーマンスだけでなく、戦略的な部分も大きく影響するし、特別な対応が要求される。その意味で、違う結果が出るかもしれません。

──モナコならではというか、パワーユニット面でモナコで貢献できる部分もありますか?

本橋CE:はい。典型的な低速コースですし、ホンダPUの強みと考えているドライバビリティですね。これまでの4戦でかなりチューニングも進んでいますし、モナコという特殊なコースに向けて対応しようと思っています。

──角田選手は初めてのモナコで苦労しそうですか。

本橋CE:モナコですからね。僕はドライバーではありませんが、やっぱり難しいコースだと思います。ただ初めてのコースにはいつも心配よりもワクワク感を持って臨んでくれていますし、もちろん無理は禁物ですが、楽しんで走ってほしいと思います。
    ニュース設定