イケアが都心型店舗の展開拡大へ 競合ひしめくエリアへの出店は「相乗効果が見込める」

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2021年05月15日 11:21  Fashionsnap.com

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今月1日にオープンしたIKEA新宿
「イケア(IKEA)」が、都心型店舗の出店を強化している。2020年に「IKEA原宿」「IKEA渋谷」を出店し、今月には新店舗「IKEA新宿」がオープン。イケア・ジャパンは「郊外立地でアクセスできなかった新規顧客層が獲得できる」とし、今後も都心への出店を進めていく考えだ。

 今月1日に営業を開始した「IKEA新宿」は、新宿三丁目の明治通り沿いにあった「フォーエバー21(FOREVER 21)」新宿店跡のビルにオープン。地下1階、地上3階の4フロア構成で、地下1階はクッキング・キッチン関連用品、地上1階は小物雑貨、2階はソファやテレビ台といったリビング・ダイニング関連用品やオフィス用テーブル&チェア、照明、3階はベッドやワードローブ、子供用品の売り場として展開している。日本初の量り売りデリ「スウェーデン バイツ(Swedish Bite)」と、新中古品を最大70%オフで販売する「サーキュラーショップ(Circular Shop)」は地上1階に配置した。
 従来の都心型店舗は商品の大きさや種類によって売り場を分けていたが、新宿店ではキッチンの売り場にクッキング用品だけではなく冷凍食品やドリンクも並べるなど、部屋の間取りごとに大小問わず関連商品を揃えることで買い物がしやすい店舗を目指したという。他の都心型店舗にはない特長として、キッチングッズを充実させた。

 新宿はニトリや大塚家具をはじめとするインテリアショップがひしめくエリアだが、IKEA新宿マーケットマネージャー 青木エリナ氏は「大きい家具類は見比べて選ばれる方が多い。近くに同業他社のショップがあることで相乗効果が見込める」と考えている。「IKEA渋谷」もニトリの大型店舗と近接しており競争は避けられないが、青木氏は日本でホームファニシングの楽しみ方を一緒に広めていくという観点から「ライバルでもあるがパートナーでもある」と前向きな姿勢を示した。
 イケア・ジャパンとしては今後も都心型店舗の出店に取り組む方針で、出店余地のあるエリアを調査している段階だという。東京以外のエリアへの出店にも関心は示しているものの、まずは東京で店舗数を増やすことを検討している。コロナ禍で都心の集客力は落ちつつあるが、都心型店舗の出店については「我々のビジネスは都心部だけで完結する買い物の仕方ではない。オンラインや郊外店舗などさまざまな販売チャネルを持っていて、都心型店舗の出店はお客様の選択肢を増やすという目的があるので、都心に店舗があることに価値があると考えている」とし、大きな懸念材料にはなっていないと話した。サーキュラーショップは渋谷店にも導入済みで、郊外で展開しているアウトレットコーナーも順次サーキュラーショップに切り替え、サステナビリティへの取り組みの拡大を目指す。

IKEA新宿フォトギャラリー
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