アトレティコ、レアル、バルサの三つ巴。最終局面のリーガの行方を占う

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2021年05月16日 06:31  webスポルティーバ

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 今季のリーガ・エスパニョーラも、残り2節となった。優勝争いは勝ち点わずか4の僅差のなか、アトレティコ・マドリード、レアル・マドリード、バルセロナの三つ巴となっている。




 勝ち点80で首位を走るアトレティコは今季、トーマス・パーティ(ガーナ/アーセナルへ移籍)を失った一方、バルセロナから戦力外通告を受けたルイス・スアレス(ウルグアイ)を移籍金ゼロで獲得してスタートした。

 ディエゴ・シメオネ監督はリーガ開幕から10戦無敗をキープしたなか、ずっと採用してきた4−4−2から3−5−2へとシステムを変更。サモラ賞(最少失点率GK賞)ランキングトップに立つヤン・オブラク(スロベニア)を中心とした堅固な守備に、今季は高い攻撃力を加え、勝ち点を積み重ねていった。

 第14節以降は、キーラン・トリッピアー(イングランド)の10週間出場停止(賭博規定違反)や、新型コロナウイルス陽性者の続出などにより浮き沈みの激しい時期を過ごした。チャンピオンズリーグ(CL)ではラウンド16でチェルシー相手に敗退したものの、リーガでは首位の座をキープしている。

 アトレティコの今季の総得点は63で、昨季の51を大きく上回っている。その要因はやはりスアレスだ。負傷明け後のここ4試合は無得点だが、リーガ30試合(先発28試合)で19得点3アシストと十分な成績を残している。

 そして、マルコス・ジョレンテ(スペイン)がさらなる進化を遂げたことも、躍進の大きな要素となった。様々なポジションでリーガ35試合(先発31試合)に出場し12得点11アシスト。スアレスに次ぐチーム2位の得点数で、アシストランキングではイアゴ・アスパス(セルタ)と並び、リーガトップだ。

 そのほか、ヤニック・カラスコ(ベルギー)が左ウイングバックとして攻撃の起点となり、昨季まであまりスポットライトが当たらなかったFWアンヘル・コレア(アルゼンチン)やMFトマ・レマル(フランス)もすばらしいパフォーマンスで貢献してきた。

 一方、昨季クラブの史上最高額の移籍金1億2720万ユーロ(約165億3600万円)で入団したジョアン・フェリックス(ポルトガル)は、今季も期待に応えられていない。最終局面のここ4試合、すべてベンチスタートで無得点がつづく。またサウール・ニゲス(スペイン)は最近復調し始めたとはいえ、先発出場が減ったことは不安材料の一つだろう。

 勝ち点78で2位につけるレアルは、ここまでの負傷者人数が延べ59で今季のリーガ最多。スペイン・スーパーカップでは準決勝でビルバオに、国王杯では初戦で3部のアルコジャノに敗れて早々に2タイトルを失い、ジネディーヌ・ジダン監督解任報道まで出ている。

 ジダン監督は4バックと3バックを併用し、ルーカス・バスケスやナチョ・フェルナンデス(以上スペイン)、最近ではエデル・ミリトン(ブラジル)、アルバロ・オドリオソラ(スペイン)やカスティージャ(Bチーム)の選手たちで欠場者の穴をうまく埋めた。

 そして、フェルラン・メンディ(フランス)、ルカ・モドリッチ(クロアチア)、カゼミーロ(ブラジル)、トニ・クロース(ドイツ)、カリム・ベンゼマ(フランス)、ヴィニシウス(ブラジル)を軸に戦い、チームの立て直しに成功。ティボー・クルトワ(ベルギー)の数々のスーパーセーブもあり、1月30日のレバンテ戦敗北後、CLではアタランタ、リバプールを立てつづけに撃破して準決勝まで辿り着き、公式戦19試合無敗を記録した。

 しかし、ケガによる欠場者続出で疲弊し切ったチームは、スーパーリーグ創設プロジェクト発表後のUEFA(欧州サッカー連盟)からの激しいプレッシャーも影響したのか、アウェーで行なわれたCL準決勝第2戦でチェルシーに完敗。3季ぶりの決勝進出の道が途絶えた。それでもリーガでは16戦無敗(11勝5分)をキープし、首位アトレティコと勝ち点2差の2位。優勝の可能性を残している。

 勝ち点76で3位のバルセロナは、開幕前からリオネル・メッシ(アルゼンチン)の退団騒動やクラブとの確執、スアレス、イバン・ラキティッチ(クロアチア/セビージャ)の放出など、ゴタゴタつづきのなかシーズンをスタート。10月には諸悪の根源とされていたジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が辞任し、3月にジョアン・ラポルタ新会長が就任している。

 ロナルド・クーマン新監督はペドリ(スペイン)、ミラレム・ピャニッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、セルジーニョ・デスト(アメリカ)などを新戦力に加え、開幕からチームに合ったシステムを試行錯誤したが、過密日程により負傷者が続出。ジェラール・ピケ、セルジ・ロベルト、アンス・ファティ(以上スペイン)、フィリペ・コウチーニョ(ブラジル)が次々と離脱した。

 シーズン序盤は4−2−3−1で戦うも成果を得られず、途中から4−3−3に切り替えて勝ち星を積み重ねる。しかし2月にホームで行なわれたCLラウンド16第1戦のパリ・サンジェルマン戦で1−4の惨敗。このシステムの限界が見られた後、クーマン監督は新たに3バックを導入する。フレンキー・デ・ヨング(オランダ)をリベロに配置し、デストとジョルディ・アルバ(スペイン)のウイングバックが機能。セルヒオ・ブスケツ(スペイン)も復調し、メッシやウスマン・デンベレ(フランス)が前線でスペースを得て動き回った。このシステムにより、クーマン監督の手腕がスペイン各紙でも高く評価されるようになった。

 チームはそれ以降の公式戦7試合を6勝1分0敗と好調を維持。その間、パリ・サンジェルマン相手にCLで敗退したものの、敵地でのラウンド16第2戦に1−1で引き分けた結果は手応えを感じさせ、リーガでアトレティコとの勝ち点差を一気に詰めていく。クラシコでレアルに黒星をつけられ、連続無敗数が7でストップするも、国王杯ではビルバオ相手に優勝を飾り、今季初タイトルを獲得している。

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 ただ、クーマン監督がここ数カ月間、ほとんどターンオーバーしてこなかったため選手の疲労が蓄積し、国王杯優勝以降は6試合で3勝2分1敗とペースダウン。第35節でアトレティコ、第36節でレバンテに連続で引き分け、2季ぶりの優勝は風前の灯火だ。レバンテ戦後、クーマン監督が「非常に難しい状況」と発言すると、ピケやブスケツも優勝の可能性がほとんどないことを認めた。

 今季はメッシが29得点を記録して得点ランキングでトップを走り、デンベレがバルセロナ加入後最高のパフォーマンスを見せて大絶賛を浴びた。そして18歳のペドリがレギュラーの座を勝ち取ったのは、ポジティブな面だろう。一方、グリーズマンが高額な移籍金に見合った活躍ができていないと批判され、ピャニッチも6000万ユーロ(約78億円)の移籍金で加入しながら際立つパフォーマンスができていない。

 このあと、首位アトレティコがオサスナとバジャドリード相手に2連勝した場合、無条件で優勝が決定する。また、アトレティコがオサスナ戦に勝利し、レアルがアスレティック戦を引き分け以下で終えた場合も、最終節を待たずに優勝が決まる。

 一方、最終的にアトレティコとレアルが勝ち点で並んだ場合、および3チームが勝ち点で並んだ場合は、どちらも直接対決の結果によりレアルの優勝となる。

 残り2節で3チームに可能性が残るが、アトレティコが2013−14シーズン以来、7季ぶりの優勝に近いのは間違いないだろう。

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