軽自動車に軽油を入れてはいけません 知っておきたいクルマの燃料の種類と違い

387

2021年05月16日 15:10  まいどなニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

まいどなニュース

写真「軽油」の下に「ディーゼル」と書いてありますね
「軽油」の下に「ディーゼル」と書いてありますね

 「軽自動車だから軽油を入れたのですが、動かなくなってしまって……」。SNSや質問サイトなどでもはや定番になってる感のある「ネタ」ですが、いまも実際にそういう間違いをされる方が一定数いらっしゃるようです。ガソリンスタンドで売られている軽油、レギュラー、ハイオク、そして灯油。それらはそもそも一体どういうものなのでしょうか。

【図】実は日本は超クルマ社会…各地の「主な交通手段」を地図にまとめてみました

どれもみんな原油から作られています

 軽油もガソリンも、元々は原油から作られます。原油というと油田から汲み上げた油そのまんまのやつですね。それを精製して、成分ごとに分離して、軽油やガソリンなどいろいろな油が作られるのです。

 どう分離するかというと、それは「重さ」です。いや、「濃さ」とでもいいますか。正確に言うと「炭素数」とか「沸点」とかそういうやつなんですが、わかりやすく「さらっと軽いやつ」から「どろっと重いやつ」という感じでいいと思います。

 ざくっと分けますと、まず一番軽いのは「天然ガス」です。天然ガスも原油から精製されるのですね。そしてガスですから当然軽いですね。次に軽いのがナフサ。ベンジンとかガソリンはこれに含まれます。その次が灯油・軽油です。そう、軽油という名前だけどガソリンよりは重いのですね。ストーブに入れる灯油とかジェット機の燃料とかはこの部分です。その次に来るのが重油です。この辺りはもうかなりどろっとしていますが、一応液体です。船なんかに使われる大きなディーゼルエンジンとか、あとボイラーとかに使われます。そして最後、一番重い部分が残油と呼ばれるものです。ここまで来ると半固体、または固体です。潤滑油とか、あとアスファルトとして舗装に使われたりします。そう、道路って実は石油でできてたんですね。

ガソリンの種類、ハイオクとレギュラーって

 ガソリンには、ハイオクとレギュラーがありますね。ハイオクの方が値段も高いし、「ハイオク」っていう名前もなんとなく強そうだし、これはきっとバンバン燃えるすごい燃料に違いない、なんて思われるかもしれません。しかし実はハイオクはレギュラーよりも「燃えにくい」燃料なんです。あ、燃えにくい、というと語弊があるかもしれませんね。「火がつきにくい」の方が正しいかもしれません。

 一般的な4サイクルのガソリンエンジンの仕組み、教習所で習いましたよね。吸気、圧縮、燃焼(爆発)、排気、ですね。そう、燃料が燃える前に「圧縮」というのがあるんですね。ガソリンの混ざった空気をエンジンに吸い込んで(吸気)、それを思いっきり圧縮して、「ここだ!」というタイミングで火をつける(プラグで火花を飛ばして点火します)んです。

 一般的にはこの圧縮が強いほど、エンジンの力も強くなります。

 実は空気というのは圧縮すると温度が上がります。さらにエンジン自体も熱くなっていますから、あまり圧縮を強くすると点火する前にガソリンが勝手に燃えてしまうんです。これが起こるとエンジンから「キン、キン、キン」というような、ノックするような音がしますので、これをノッキングといいます。そうなるとエンジンは正しく力を発揮できなくなりますし、場合によっては無理な力が掛かってエンジンを傷めてしまうこともあります。

 ぐぐっと圧縮されても火がつくのを我慢して、火花が飛んだ瞬間に一気に燃える。ハイオクというのはそういう燃料です。かっこいいですね。

 エンジンの圧縮の強い、つまりはパワーの強いスポーツカーとかはハイオクを入れることを前提に設計されてるものが多いので、ハイオクを入れましょう。またヨーロッパ車などは、ヨーロッパのガソリンの規格の「レギュラー」が日本の「レギュラーとハイオクの間くらい」だったりするので、ハイオクが指定されることが多いです。

軽油はディーゼルエンジンで使います

 さて、問題の「軽油」です。軽油というのはディーゼルエンジンに使われます。ディーゼルエンジンというのはガソリンエンジンよりもさらに圧縮が強くなっていて、その「ものすごく圧縮されて熱くなった空気」に軽油を噴射して自然発火させる、というやり方です。ガソリンエンジンと比べて、低い回転で強い力を出すことができるとされています。そのかわり強い圧縮に耐えるために頑丈に作る必要があるとかの理由で、エンジンが重くなりがちです。他にも高回転まで滑らかに回すのが難しい、パラパラという独特の音がする、(最近は技術が進んで出なくなりましたが昔は)黒い煙を吐く、などの特徴から、貨物車とか大型のクルマに使われていました。

 近頃ではディーゼルも改良が進んで、ガソリンエンジンと同じように普通の乗用車にも使われるようになりました。また一方でガソリンエンジンも開発が進んで、あまり大きくない貨物自動車などにも使われていたりしますので、「乗用車はガソリン、トラックはディーゼル」という常識は一部変わってきています。

 しかし、排気量やサイズの制約のある軽自動車には、ディーゼルエンジンは今のところまったく使われていません。

 そう、「軽油で走る軽自動車」というのはいまの世の中には存在しないのです。(厳密にはむかしヤンマーが作ったディーゼルの軽自動車があったようですが、いまもし生き残っていたら間違いなく博物館行きです)

 ということで、軽自動車に軽油を入れるのは間違いですからやめましょう。ほぼ確実にエンジンが故障します。そして修理代、めっちゃかかります。

(まいどなニュース特約・小嶋 あきら)

動画・画像が表示されない場合はこちら

このニュースに関するつぶやき

  • 日本のハイオクは、結局、ほとんど、偽装でしたからね。もはや中国を笑えないレベルです。誰でも簡単に思い付くような詐欺は、既に蔓延しているかも知れません。
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • 軽自動車には軽油、原付には原油、重機には重油、ハイヤーには廃油、消防車にはしょう油、とうちゃんには灯油、嫁さんにはI love you
    • イイネ!165
    • コメント 16件

つぶやき一覧へ(271件)

前日のランキングへ

ニュース設定