片づけできない40代女性の汚部屋が、なぜキレイに? 「後回しグセ」ビフォー・アフター

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2021年05月17日 10:10  AERA dot.

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写真女性宅のキッチン。これでは料理をする気が起きないですね/Before
女性宅のキッチン。これでは料理をする気が起きないですね/Before
 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【見違えるほどキレイになったAfterの写真はこちら】

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case1. 決断を後回しして後悔したことからスタートした女性の場合
40代/東京都在住/夫+子ども3人/銀行勤務

 45日間で家の片づけをやりきっていただく家庭力アッププロジェクトでは、事前説明会を開き、プロジェクトの目的やプログラムなどをお伝えしています。そこでは必ず「未来の自分への無駄な期待は捨てましょう」というお話をしています。「片づけって『いつかやろう』『私ならいつかできる』って後回しにしてしまうのだけど、その“いつか”は来ないんです!」と言うと皆さん苦笑い。そしてストンと腑に落ちたような表情をされます。

 一昨年の説明会に3人のお子さんのママだという女性が参加されました。この女性は説明会に参加してやる気になったので、自分自身の力で片づけようと思い立ち、家庭力アッププロジェクトへの参加を見合わせました。でも、やる気が続いたのは3日間。改めて説明会に参加するためプロジェクトに問い合わせてくれたのですが、結局予定が合わず、やはり断念しました。

 1カ月半後。この女性はFacebookでつながっていた私の投稿をタイムラインで発見。写真には、説明会で一緒だった人たちが家の中を片づけ、晴れやかな表情で笑っていました。

 自分の部屋に目をやると、前よりひどい状態……。彼女は片づけを先延ばしにした自分を激しく後悔したそうです。

 自分でやってみて片づけの大変さに気づいたこの女性。ある程度の知識はあり、頭でわかっているのに「行動の壁」が超えられない。片づかないまま新年を迎え「もう、この状態で2020年を過ごしたくない」と年明け早々のプロジェクトへの参加を、なんとスタートの2日前に決めました。

 彼女が参加したプロジェクトの最終日は2020年3月1日。偶然にも、コロナ禍で子どもたちの学校が休校になる直前という奇跡的なタイミングで、家中がすっきり整ったのです。

 今回お話ししたいのは、彼女が家の片づけに成功するまでの過程ではなく、「その後」です。

 ほんの2カ月前は、片づけない子どもたちに怒ってばかりでしたが、家の仕組みが整ったことで、自分が指摘しなくても家族が自ら動いてくれるようになって、怒らない穏やかなママに変身。巣ごもりの毎日を家族円満で過ごせたそうです。

 仕事面でも進展がありました。ちょうど新年度に変わるタイミングでパートタイムからフルタイムの契約社員となり、キャリアアップにも成功したのです。前の状態なら負担を感じて快く受けられなかったかもしれない。受けたとしても、コロナ禍のバタバタと仕事と家事でバテてしまっていたんじゃないか、と彼女は言います。

 習慣化を味方につけた彼女は、高校受験を目指す息子さんと一緒に、「いつかは」と思っていたファイナンシャルプランナーの資格取得の勉強をスタートさせました。親子でそれぞれの目標に向かって学んだことで、息子さんも無事、第一希望の高校に合格。理由は簡単!散らかった家ではザワついていた心が落ち着き、勉強に集中できるようになったからです。人生の後回しグセをやめることにも成功した彼女は今、資格を生かしてフリーとして活躍する未来に向かっています。

 なぜ彼女は、後回しグセをやめられたのでしょうか?

 一つは自分自身が後悔をバネに気持ちを入れ替えたこと。もう一つはプロジェクトの仕組みにあります。プロジェクトが始まると、後回しにする余裕なんてないほど課題漬けの日々が続きます。課題には期限があるから逃げ場がない。進捗は私やスタッフが細かく管理し、受講生のみんなも見ている。やるかやらないか選べない環境があったことは、大きかったと思います。

 私は、片づけに失敗する原因の大部分は「三日坊主を乗り越えられないこと」だと思っています。毎日手を動かす習慣さえ身につけば「片づけられない」は半分乗り越えたも同然。あとは整理や収納の考え方を吸収して実践していけばいいのです。

 自分で片づけられる人を育てるには、その人の行動を変えるしかない。

 私はしつこく、しつこく、あの手この手を使い、言葉や課題を投げかけアプローチしていきます。

 例えば「三日坊主をやめましょう!」と言われたら苦行のように感じてしまいますが、「後回しにするクセをやめましょう」と言われたら、私もやりたい!と思いませんか?飲んだ後のコーヒーカップをすぐに洗う、床に物を置く前にちゃんと元あった場所に戻す。ちょっとしたことを後回しにするクセをやめるだけで、すでにその人は習慣化への階段を一段のぼっています。

「後回しグセをやめる」は習慣化への最初のステップです。それに気がつけば、今回の女性のように成功体験を積み重ねて自信を取り戻すことができるのです。

◯西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・夫婦間のコミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト®」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。ラジオ大阪「西崎彩智の家庭力アッププロジェクト」(第1・3土曜日夕方)が2021年5月1日からスタート。フジテレビ「ノンストップ」などのメディアにも出演

※AERAオンライン限定記事

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