久保建英、ヘタフェの1部残留決める決勝弾。試合後に語った心情とは

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2021年05月17日 16:11  webスポルティーバ

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<1部残留を決める一撃で、久保建英は英雄になれる!>

 これまで久保に関する原稿でしばしば書いてきたが、リーガ・エスパニョーラ残り2試合で迎えたレバンテ戦はまさにその結実となった。

 1−1と膠着した状況で、久保は74分にマルク・ククレジャに代わって出場。相手GKがミスキックしたボールを敵陣で拾うと、そのままフェイントを入れながらドリブルで運び、DFとの1対1からシュートコースを作り、左足でニア上を撃ち抜いた。




「久保のスーパーゴールが、ヘタフェの苦しみを終わらせた!」

 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、20分に満たない出場の久保を「救世主」として称えていた。2−1の勝利の立役者で残留を確定させただけに、星も両チームトップの3つだ(0〜3の4段階評価)。

 スペインのアタッカーは、結局のところ、試合を決められるプレーができるかどうか。それをすることで、悪辣な評価も一瞬のうちにひっくり返る。地道なつなぎや勤勉な守備だけでは生き残れない。

 久保には状況を一変させられる力量があった。そして、運をつかむ強さにも恵まれている。それはこれまでのキャリアで示してきたとおりだ。

 だが、今シーズンの久保は苦しんでいる。

「今シーズンはビジャレアルでも、ヘタフェでもかなり苦しみました」

 レバンテ戦後、久保本人はそうスペイン語で答えている。

「試合でピッチに立てないときでも、トレーニングは全力で、というのを続けてきました。それは監督も承知していたはずなので、昨シーズンのプレーリズムを取り戻し、さらにもっと前に進めるようにと......」

 昨シーズンのスペイン1年目、いきなりマジョルカで主力として活躍したことで、評価は一気に高まった。それによりウナイ・エメリ監督が率いる中堅のビジャレアルに移籍したわけだが、指揮官と戦術的に合わず、移籍を決断した。シーズン途中での移籍は実は成功例が少なく、「ヘタフェのホセ・ボルダラス監督はエメリ以上に蹴り合うサッカーで、フィジカル的な激しさを求める」と、危惧する声も根強かった。

 実際、移籍後の久保は同じような状況に置かれてしまい、プレー機会は限られた。チームのプレースタイルにフィットしない。頭の上をボールが越え、「とにかく体を張れ」では持ち味を出せなかったのだ。

 レバンテ戦も、率直に言って試合を決めるようなゴールをするのは至難の業だった。

 ヘタフェは前半からハイプレス、ハイラインで長いボールを蹴っている。セカンドボールを拾い、相手ボールには厳しくプレスをかけ、力任せに押し込んでいく。"らしさ"の見える戦いだった。そのおかげで、相手陣内でククレジャがボールを奪い、その折り返しをカルレス・アレニャが押し込んで先制に成功している。力強さや激しさは、ボルダラス監督の土台と言えるだろう。

 しかし、攻撃はうんざりするほど単調だった。アバウトに蹴り合うだけで、ゴール前でのプレーの質も低い。一瞬の隙を突かれ、失点を浴びると、攻め手を失ってしまう。

 交代で入った久保は、単独で決め切るしかなかった。得意とするコンビネーションプレーは期待できない。時間も残り少なかった。

「今日はベンチでスタートし、ウォーミングアップをしていたら、『(残留を争う)エルチェが勝っているぞ』というニュースが入ってきて。(1−1の状況で)これは引き分けではだめなので。『ゴールを狙っていくぞ!』と話していました」

 ピッチに入ったとき、久保の気力は充実していた。表情に少しも迷いが見えなかった。緊迫した状況で、あれだけ自信を持って挑めるのは、やはり彼の才能なのだろう。驚くべき剛胆さと技量だ。

「(先制点を決めたアレニャとのアベックゴールで)2人ともシーズン途中に入った時はいい仕事ができましたが、再び(レバンテ戦で)すばらしい試合ができて良かったです。今シーズンは苦しみましたが、最後は帳尻があったかな、と」

 試合が終わり残留が決定すると、久保を中心に歓喜の輪ができていた。苦難を乗り越え、シーズンの印象を失敗から成功に上書きしたのだ。

「純金」

 久保はヘタフェの残留決定をそう表現した。黄金を生み出せる選手として、これからも愛されるだろう。「終わりよければすべてよし」ではないが、明日につながる一撃となった。

 最終節は5月22日、敵地でグラナダとの一戦である。

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