松坂、斎藤はメジャーなら…プホルス戦力外で改めて感じた日本球界の“温情”

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2021年05月17日 18:00  AERA dot.

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写真エンゼルス時代のプホルス(写真/gettyimages)
エンゼルス時代のプホルス(写真/gettyimages)
 アルバート・プホルス(エンゼルス)が6日(以下、日付は現地時間)、メジャー出場40人枠のロースターから外され、事実上の戦力外となった。

 殿堂入りが確実視されるほどの強打者が、シーズン序盤に戦力外になったというニュースは日本でも大きな話題となった。しかし、プロの世界は結果がすべて。過去の栄光に敬意は払うが、それを引きずり現役として球団に残すことはメジャーではほぼあり得ない。

 イチローがメジャーに挑戦した01年にカージナルスでデビューを果たしたプホルスは、これまでシーズンMVPに3回、オールスターに10回選出された正真正銘のスーパースターだ。メジャー21年間で、3253安打(歴代14位)、667本塁打(歴代5位)、2112打点(歴代3位)と様々なカテゴリーの通算記録で上位に食込み、メジャーの歴史に名を刻んでいる。日本の野球ファンでも名前を知らない人が少ない、伝説的な選手である。

 しかし、12年にエンゼルスに移籍してからはケガの影響もあり、カージナルス時代のようなパフォーマンスを見せることが出来ず。特にここ4シーズンは打率が続けて2割5分を下回るなど41歳で迎えた今季も厳しいシーズンになるのは予想されていた。

「ビジネスライクな判断だった。結果が出なければ戦力外にするのは当然のこと。(エンゼルスには)能力が高くてファンも呼べる若い選手が出てきている。チーム内の世代交代としては正常だと思います。本人も現役続行を望んでいるのだから、リリースするのは当然」(MLB極東担当スカウト)

 とはいえ、メジャー屈指のスター選手。突然の戦力外には、MLBのレジェンドであるデビッド・オルティス、ペドロ・マルティネス(ともに元レッドソックス他)も反応。自身のSNSなどで敬意を欠くとして、エンゼルスの決断を非難している。だが、プホルスは戦力外が発表された前日にジョー・マドン監督と“ひと悶着”があったとも報じられ、指揮官との関係も決して良好ではなかったのも影響したのだろう。エンゼルスも転換期を迎えており、様々な要素が絡み合い今回の結果に繋がった。

「あれだけのスターでもチームのプラスにならなければ、出されてしまう。地位も名誉も手に入れたプホルスは、最近は王様のような状態だった。カージナルス時代のような謙虚さが、少し失われていたようだった。結果を残していれば周囲も黙認しただろうが、現状はそうもいかなかった」(スポーツ新聞MLB担当記者)

 今回、プホルスのような偉大なプレーヤーでもシーズン序盤に非情な決断が下されるメジャーの厳しさが浮き彫りとなった。それとは対照的に、日本では時にファンから非難を浴びるような“温情契約”が話題となることもある。日米どちらが正しいというわけではないが、日本の球団はメジャーに比べ選手に対して“優しい”というのは紛れもない事実だろう。

「日本はやはり特殊で松坂大輔(西武)と斎藤佑樹(日本ハム)は代表例です。名投手として甲子園や神宮を沸かせた。松坂はプロでも実績を残した。名前は誰もが知っている全国区で、投げるとなれば注目を集めるはず。しかし現在は2人ともマウンドに立てる気配すらない。解雇されても当然で、チームに残すとしても育成契約などが妥当」(スポーツ新聞MLB担当記者)

 松坂は昨年7月に脊椎内視鏡頸椎の手術を受けた影響もあって、西武復帰後(20年〜)は未だに一軍のマウンドに立てず、現状復帰のメドも立っていない。斎藤も昨季一軍登板の機会はなく、オフには右肘の内側側副じん帯断裂の重傷を負っていたことが判明。松坂と同じく今シーズンの復帰は不透明だ。松坂は今年で41歳、斎藤は33歳と年齢的なことや、今後の期待値を考えても、「メジャーであれば……」という状況になっている。

「斎藤は知らないけど、松坂はそんな状況なのか。米国時代から故障をしそうな投げ方だったし、常にウエイトオーバー気味だった。バートロ・コロン(メッツ時代の同僚、180cm130kgの巨漢)と似たような感じだったからな。投げられなくても球団が契約するなら選手を続けるべきだよ。だってプホルスはまだグラウンドに立っていたのに、戦力外になったのだから」(ニューヨーク在住のスポーツコラムニスト)

 ポジションも違い、単純にプホルスと松坂、斎藤は比べられない。だが、プホルスは今季も41歳という年齢ながら、24試合で5本のホームランを記録している。2人とは異なり、少なくとも試合に出場できる状態ではあった。

「改めて米スポーツ界のシビアさを表している。筒香嘉智もレイズを戦力外になったが、プホルスのように名前ある選手があっという間に戦力外にされてしまう。今後もメジャーを目指す日本人選手は続くだろうが、準備と覚悟を持って挑戦しないと先は見えている。それならば松坂や斎藤のように、NPB球団と良好な関係性を保ち続けるのが生き方としては正解かもしれません」(スポーツ新聞MLB担当記者)

 コロナ禍で世界経済が大打撃を受けている。スポーツ業界も競技を問わず、経営状態が悪化の一途だ。メジャーでは“外国人助っ人”となる日本人選手の査定も当然厳しくなってくる。坂本勇人(巨人)、山田哲人(ヤクルト)柳田悠岐(ソフトバンク)らメジャー挑戦が噂された選手も軒並み所属チームと“生涯契約”を結んだように、今は生涯NPBが得策との時代なのかもしれない。








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  • これが本来の形やろ。日本が異常なんちゃうの。
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