【柚希礼音×愛希れいか】「同じ役をするなんて!」ミュージカル『マタ・ハリ』スペシャルインタビュー

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2021年05月17日 18:41  ウレぴあ総研

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ウレぴあ総研

写真左から 愛希れいか 柚希礼音 撮影:吉原朱美
左から 愛希れいか 柚希礼音 撮影:吉原朱美
ミュージカル『マタ・ハリ』が3年ぶりに再演される。

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本作は実在した女性、マタ・ハリの愛と悲劇を描いた、作曲家フランク・ワイルドホーンの新作として’16年に韓国にて初演され大ヒットしたミュージカル。

’18年に石丸さち子の訳詞・翻訳・演出のもと日本初演され好評を博した。

タイトルロールであるマタ・ハリ役を日本初演から引き続き演じる柚希礼音、今回初めて演じる愛希れいか(Wキャスト)に話を聞いた。

■この役は、俳優として挑戦になる

――柚希さんは3年ぶりにマタ・ハリを演じることになりますが、今はどんなお気持ちでいらっしゃいますか?

柚希 マタ・ハリは本当に大好きな役なので、心して、魂を込めて、演じたいと思います。再演ということでハードルも上がっていますし、ドキドキもしますが、本当に嬉しいことなので、喜びながら演じます。

――大好きな役になったのはなぜでしょうか?

柚希 彼女のことを調べていくと、良い人ばかりではないところも出てくるのですが、それさえも人間らしく感じました。

女を使って生き延びる壮絶な生き様ですが、共感できるところが多いので思いっきり演じたいです。

――共感できるところが多いですか?

柚希 はい。マタ・ハリの奥底にはピュアなものがある。だけど時代は戦時中ですし、女がひとりで、きれいごとだけでは生きていけないですから。

そこに私はすごく共感しますが、きっと共感しない方もいると思います。マタ・ハリ自身も、みんなに共感してもらおうとは思っていないでしょうしね。

――愛希さんは今回初めてマタ・ハリを演じることになっていかがですか?

愛希 緊張していますし、未知なところも多いのですが、この役は挑戦になるだろうと思っています。

宝塚歌劇在団時に、マタ・ハリのような“ファム・ファタール”と呼ばれる役を演じさせていただいたこともあるのですが、娘役ではないところで、俳優として挑戦するのは初めてですから、もっと自分の殻を破らなければいけないところだったり、壁にぶち当たるところが出てくるだろうと思っています。

演出の石丸さち子さんも今回、初めてご一緒させて頂きますが、信じてついていきたいです。

――どのようなところが、破らなければいけない“殻”になりそうですか?

愛希 娘役の頃は常にお客様やファンの方、男役さんのファンの方に気に入られようとするような演じ方をしたり、舞台人としてどうすれば好かれるかなっていうことを考えて生きてきました。

でもマタ・ハリという役は、そうではない部分を出していかなければならないだろうと感じています。そこは殻を破らなければいけないところになりそうです。

■幕開きの曲で「全お客様に嫌われなさい」

――おふたりはフランク・ワイルドホーン作品にこれまでも出演されていますが、その楽曲の魅力をお聞かせください。

柚希 ワイルドホーンさんの曲は、それぞれの曲に盛り上がりや迫力の起伏があること、そして長さの面からも歌うのが本当に大変です。

一方できっと彼はとてもドラマティックで、情熱的な方なのだろうなと思うような、美しくて心が揺さぶられる楽曲ばかりで。そういう楽曲を歌える喜びがすごくあります。

私が初めて『マタ・ハリ』という作品を観たのは、オク・ジュヒョンさんがマタ・ハリを演じている韓国公演でした。

オク・ジュヒョンさんは本当に素晴らしい女優さんでとても尊敬しております。今回はさらにより高みを目指し、素晴らしい曲を歌っていきたいです。

愛希 私は以前、『スカーレット・ピンパーネル』でワイルドホーンさんの音楽に携わったのですが、すごく耳に残るし、口ずさみたくなるようなキャッチーな曲ばかりでした。

今回、『マタ・ハリ』の譜面を見たら、本当にもうすごくて。一曲一曲お客様に投げかけるような印象で、自分にとってすごく挑戦だし、しっかりがんばらないとなと気合いを入れ直しています。

――一曲一曲投げかける感じは、柚希さんは前回経験していかがでしたか?

柚希 まず幕開きの曲がすごいんです。演出の石丸さち子さんには「そこで全お客様に嫌われなさい」「この女、強め。本当に嫌!って思わせるくらいいきなさい」と言われました。

つまり、そこに溢れ出る中身があるんですよね。

――「嫌われなさい」なんですね。

柚希 前回、お客様に好かれる演技をしがちだと指摘を受けました。「全てのお客様に愛されようとしている」って。そんなふうに思っていなくても、身について自然とそう見えてしまったのだと思います。

お客様に嫌われても、この女無理、と思われても、その女を演じればいいんだということを仰って。

衝撃的なご指摘でしたね。そこは今回もやってみようと思います。

■一緒に前に進んでいきたい

――同じ役を演じるおふたりですが、お互いの印象をお聞かせください。

柚希 ちゃぴちゃん(愛希)と同じ役をするなんて……

愛希 (笑)

柚希 信じられない(笑)。皆さんもそう思っていると思いますが、私もめちゃくちゃ思っています。

今まで全然違うタイプの方とWキャストをさせて頂くことが多かったのですが、宝塚の下級生とのWキャストは初めてなので新鮮です。

全然違うタイプなので、いろいろ勉強させてもらいながら、刺激をもらいながら、稽古場では一緒にマタ・ハリをつくっていくつもりで過ごしたいと思います。

愛希 私も最初は「ビックリ」というのが一番だったのですが、ちえさん(柚希)って、男役さん時代もそうですし、女優さんになられてからも、常に前に前に進まれている、新しいものを追求して、自分の個性をどんどん磨いていらっしゃるイメージがあって。

私自身も拝見してとても楽しませていただいていましたし、すごく尊敬しています。

ずっと前に進むエネルギーを強く感じていたので、それをお稽古場で近くで拝見できるというのはしあわせだなって。前に進むってなかなか難しいですから。

自分も一緒になって進んでいきたいなと思っています。

柚希 いや〜、そう見てくれているならすごく嬉しいです。

毎公演、ゼロから始まるんですよ。なんで前回までのことが活かせないのだろうかと悔しい思いをしながらも、「なんとか初日までに」、幕が開いてからも「なんとか一公演ずつ」と思ってやっています。

その「まだできていない」という感触が、前に進む原動力ですし、もう、そうじゃないと過ごせないような感じです。

■石丸さち子さんに身をまかせて

――今はプレ稽古が始まったそうですが(4月上旬取材時)、今感じていることと、本番とお稽古で楽しみにしていることをお聞かせください。

柚希 改めて、大変になるだろうなと感じています。歌ってみたら3年前の自分の喉とも全然違いますし。

お客様はもちろん前回以上のものを観たいと思って来てくださいますし、そうするのは絶対だと思いますし。そのプレッシャーにまいりそうになりますが、今できることを精いっぱい、心を込めて。

3年前とは違う良さもきっとあると思って。マタ・ハリは中身をしっかり見つめる必要がある役なのですが、その辺りは、前回公演の時、石丸さんの導きの先に見つかったことが沢山あったので、再び身を任せたいなと思っています。また新しい自分に出会えたらいいなと思います。

愛希 私は今はまだ譜面だけをいただいている状態で、これから! という感じなのですが、私も新しい自分に出会えそうだなという感じがするので、それが一番楽しみです。

――柚希さんは「石丸さち子さんが導いてくれる」と仰いましたが、前回どんな演出をうけましたか?

柚希 演出で見て下さる時、さち子さんご自身がマタ・ハリになっていらっしゃるんですよ。違う所があればすぐにご指摘下さって。身を任せていたらいい、という感じでした。

歌を、“芝居”として見てくださるので、「もっと心情を込めてほしい」とか「もっと言葉の全てを聞きたい」と仰っていたのが印象的です。

本当に細かく見てくださるので。本当にね、マタ・ハリです。女としてイチから、なにもかも教わりました。

――愛希さんは石丸さんにお会いになりましたか?

愛希 ポスター撮影の時にお会いして、それがほとんど初めてお会いする機会でした。作品への愛情をすごく感じて、これは身をゆだねるしかない、と感じました。

緊張や不安もありますし、今までは言われることや指摘されることを恐れちゃう時もあったんですけど、今回は恐れずに、すべてをさらけ出す覚悟でやっていきたいです。

――今一番楽しみにされていることを教えてください。

柚希 この作品をもう一度できることが本当に嬉しいし楽しみです。だから無事に新しい『マタ・ハリ』をつくることができて、無事に初日から千秋楽まで上演できたら、本当に嬉しいです。

愛希 この素晴らしい曲を歌えることです。この音楽と共にマタ・ハリを演じられることは、すごくしあわせなんだろうなと感じています。

私は実は歌に対してコンプレックスというか、苦手意識があるんですけれども、素晴らしい楽曲を歌える喜びが大きく、がんばりたいです。

ヘア&メイク(柚希)/黒田啓蔵(Iris)スタイリスト(柚希)/間山雄紀(M zero) ヘア&メイク(愛希)/杉野智行(NICOLASHKA)スタイリスト(愛希)/山本隆司

公演情報
ミュージカル『マタ・ハリ』
劇作・脚本:アイヴァン・メンチェル
作曲:フランク・ワイルドホーン
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子
出演:
柚希礼音 / 愛希れいか(Wキャスト)
加藤和樹 / 田代万里生(Wキャスト)
三浦涼介 / 東啓介(Wキャスト)
春風ひとみ / 宮尾俊太郎
鍛治直人 / 工藤広夢 / 飯野めぐみ
石井雅登 / 伊藤広祥 / 上條駿 / 竪山隼太 / 中川賢 / 中本雅俊 / 森山大輔 / 彩橋みゆ / 石井千賀 / 石毛美帆 / 桜雪陽子 / Sarry / 鷹野梨恵子 / 原田真絢

【東京公演】
2021年6月15日(火)〜2021年6月27日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL

【愛知公演】
2021年7月10日(土)・11日(日)
会場:刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール

【大阪公演】
2021年7月16日(金)〜2021年7月20日(火)
会場:梅田芸術劇場メインホール
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