菅政権、五輪・支持率で後押し期待=ワクチン接種、混乱回避が課題

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2021年05月18日 08:01  時事通信社

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写真記者会見する菅義偉首相=14日、首相官邸[代表撮影]
記者会見する菅義偉首相=14日、首相官邸[代表撮影]
 高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種を加速させるため、17日から始まった大規模接種の予約。接種の遅れに危機感を強める菅義偉首相がトップダウンで自衛隊が運営する接種会場設置を指示した。開幕まで約2カ月となった東京五輪の環境整備や、低落する内閣支持率の回復をもくろむが、接種が思い通りに進まなければ、「切り札」が致命傷となりかねない。

 「自治体による接種を促すため、国が先手を打った」(政府筋)。大規模接種は、遅々として進まない現状に業を煮やした首相が4月下旬、岸信夫防衛相に指示して、自衛隊による接種体制の確保にこぎ着けた。検討はそれ以前から、杉田和博官房副長官の下で進められていた。

 7月末の接種完了を目指す高齢者(約3600万人)向け接種は4月12日から始まったが、5月13日時点で2回の接種を終えた高齢者は約4万5000人。2月に始まった医療従事者(約480万人)も同様に約152万人にとどまる。加藤勝信官房長官は17日の記者会見で、大規模接種会場設置の意義について「市区町村が実施するワクチン接種を強力に後押しする」と強調した。

 政府・与党内には「ワクチン接種が進めば支持率は回復する」と期待する向きが多い。五輪開催に慎重な世論を和らげたいとの思惑もあり、官邸幹部は「7月までにかなりの数の接種をこなしたい」と意気込む。ただ、接種は東京と大阪会場合わせ1日最大計1万5000人。8月24日までの会場設置期間中、約135万回分しか見込めず、どこまで寄与するかは不透明だ。

 懸念されるのは自治体接種との「二重予約」を防ぐ手だてがないこと。予約や取り消しは高齢者側に委ねられており、来週24日の接種スタート時に混乱も予想される。二重予約が相次いだ場合、ワクチンが無駄になる可能性もある。自衛隊幹部は「走りながら考えるしかない」と話す。

 政府は4月、3度目の緊急事態宣言を余儀なくされたが、ここへきて変異ウイルス急増で感染状況が悪化し、対象地域は9都道府県に拡大した。報道各社の世論調査で内閣支持率は政府対応への不満を反映して軒並み悪化。政府内からも「ワクチン接種の遅れは菅政権の失策」(関係者)との声が漏れ始めており、接種の成否は政権の浮沈に関わる。 

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