別格のサウンドを楽しめるワイヤレススピーカーで360 Reality Audioを試す

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2021年05月18日 12:11  ITmedia PC USER

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写真ソニーの「SRS-RA3000」。360 Reality Audio認定スピーカーの1つだ。
ソニーの「SRS-RA3000」。360 Reality Audio認定スピーカーの1つだ。

 ソニーから、立体音響技術「360 Reality Audio」(サンロクマル・リアリティオーディオ)に対応したワイヤレススピーカーが登場した。3D音楽配信サービスと組み合わせることで、従来のスピーカーとは比べ物にならない、臨場感があるライブさながらの音楽を楽しめるのが大きな特徴だ。



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 本製品はいわゆるスマートスピーカーではないが、Chromecast built-inに対応しており、Google Homeネットワークに組み込んでストリーミング再生が行える他、セットアップにはGoogle Homeアプリを用いたり、3D音楽の再生にAlexaが使用できたりするなど、音声アシスタントとはかなり密接に関係している。



 今回はスマートスピーカーに近い外観を持つ下位モデル「SRS-RA3000」を対象に、セットアップの手順から具体的な使い方までを紹介する。



●六角形の巨大なボディーで音声アシスタントは非搭載



 まずは外観を見ていこう。本製品は見た目こそ円柱型に見えるが、上から見ると円ではなく、六角形になっているのが特徴だ。天面には音楽の再生や一時停止、音量調整などのボタンに加え、各種ステータスを表示するLEDがある。スマートスピーカーではないため、アクションボタンの類はない。



 サイズはかなり巨大で、第3世代のEchoと比べても背は高く、直径も大きい。購入する前の段階で、置き場所はある程度決めておいた方が、後で困らずに済むだろう。ちなみに置き場所に合わせて音を自動的に最適化する機能があるので、セットアップ完了後に置き場所を移動させるぶんには問題ない。



 接続はWi-Fiに加え、Bluetooth、さらには一般的な3.5mmのオーディオジャックを用いての有線接続にも対応する。このうちメインとなるのはWi-Fiで、スマホのGoogle Homeアプリを用いてセットアップを行う。また3D音楽の再生にあたり、Alexaのセットアップも行うという、珍しい二段構えになっている。



 これは3D音楽を提供するAmazon Music HDを音声でコントロールするには、同じAmazonが提供するAlexaが必要になるという理由だ。つまりスピーカー本体との連携はGoogle Homeを利用し、再生のコントロールはAlexaを使うという図式になる。



 本製品のリリースに合わせて、Amazon Music HD以外の音楽サービス(deezerやnugs.netなど)でも3D音楽の提供が始まったので、今後楽曲が充実していけばこれ以外のフローも生まれてくるはずだが、現状で3D音楽を楽しもうとすると、これらの手順を念頭に設定を行う必要がある。



 ちなみに、3D音楽でない一般的な楽曲をワイヤレス再生するだけならば、Google Home経由でのストリーミング再生でも構わないし、またBluetooth接続など他の選択肢もある。このあたりは再生する音楽ソースによって経路が変わるので、実機を使って試行錯誤することになる。



 続いて、セットアップに移る。



●Google Homeでセットアップ→3D音楽再生には追加設定が必要



 何はともあれ、実際に設定してみよう。本製品を設置し、電源プラグをコンセントに差し込んで電源をオンにする。事前準備として、サブスクリプションサービスのAmazon Music HDなどと契約し、3D音楽を聞ける状態にしておく。



 次にスマホでGoogle Homeアプリを起動すると、本製品が検出されるので、手順に従ってセットアップを実行する。このプロセスは一般的なスマートスピーカーのセットアップ手順と同じで、完了するとGoogle Homeアプリのホーム画面に、本製品が表示されるようになる。



 続いてGoogle Homeアプリで「メディア」をタップし、任意の音楽サービスを使って好きな楽曲を再生し、それを本製品にキャストすれば、本製品から音楽が流れてくる。これでひとまず、本製品をワイヤレススピーカーとして使えるようになった。



 ただしGoogle Homeアプリは、前述のAmazon Music HDなど、3D音楽配信サービスを現時点で利用できないので、この段階では一般的な2チャンネルの楽曲をキャストしているだけに過ぎない。3D音楽を再生するには、ここからさらに、以下の手順を経る必要がある。



 まずはソニー製の「Music Center」アプリをダウンロードし、セットアップを行う。本製品が自動検出されるので、Alexaとの連携設定を行い、音楽の再生先として本製品を指定する。



 続いてAmazon Musicアプリを開いて、3D対応楽曲を再生し、キャスト先として本製品を指定する。これでようやく、本製品で3D楽曲が再生できるというわけだ。ちなみに、この再生の操作はスマホ上で行ってもよいし、他のEchoデバイスを含むAlexaを使って音声で指示することもできる。



 以上の手順で分かるのは、Alexaを使ってAmazon Music HDの3D対応楽曲を再生する場合も、あるいはGoogle Homeを使って任意の音楽サービスの楽曲を再生する場合も、他のスマートスピーカーまたはスマホアプリから操作する必要があるということだ。



 本製品自体は音声アシスタント機能を搭載しないので、本製品に呼びかけても音楽再生を開始することはできない。そもそもウェイクワードに反応しないため、声をかけても全くの無反応だ。見た目からしてできそうなだけに、少々意外といえば意外だ。



●立体的に変換した2チャンネル音楽でも驚きの音の広がり



 本連載の主旨からはやや逸れるのだが、製品の特性上、音についてもチェックしておこう。本製品で再生中の楽曲が3D対応か否かを確認するには、本体天板の「♪」マークのLEDを見ればよい。ここが青色であれば対応、消灯していれば非対応だ。



 もっとも本製品は、非対応の楽曲であっても立体的な音に変換する同社の「Immersive Audio Enhancement」技術に対応しており、通常の2チャンネルの音楽であっても、3Dに近い広がりをもって聞くことができる。これが有効だと上記LEDは白く点灯するので、実質的にはLEDが完全に消灯していることは少なく、青か白、どちらかが点灯していることが多い。



 このImmersive AEは、天板の♪マークの部分をタップすることでオン/オフを切り替えられるため、3D(疑似)とそうでない楽曲の聞き比べができるのだが音にあまり造詣がない筆者でも、明らかに分かるほど音の広がりに違いがある。ネイティブの3D音源でなくとも十分すぎるほど音を堪能できるのが、本製品の強みと言えるだろう。



 ただし試した限りでは、隣の部屋に音が響かないよう音量を絞り込んで聞くような場合は、ボーカルが明らかに奥に引っ込んだような聞こえ方になるので、元の2チャンネル音源のままの方が心地よい。



 ネイティブの3D音楽であれ、Immersive AEで立体的に変換した音楽であれ、ある程度の音量を出せることが楽しむための必須条件であり、狭い部屋に無理に導入すると、せっかくの機能が生かせない可能性があるので注意したい。



●「結局スマートスピーカーでは音楽を聞いてばかり」という人に



 本製品は、スピーカー6基とサブウーファー1基を内蔵した上位モデルのSRS-RA5000と異なり、フルレンジスピーカー1基を中心としたコンパクトな構成だが、側面の2基のビームトゥイーターやパッシブラジエーターの効果もあり、一般的なスマートスピーカーとはさすがに格が違う印象だ。



 BluetoothのコーデックはSBCとAACに両対応する他、ストリーミングサービスの圧縮音源を原音に近い形に補完するDSEE技術も搭載しており、スマホと組み合わせての利用では相性がよい。今回は試していないが、Spotifyのユーザーにとっては、スマホをリモコン代わりに使えるSpotify Connectに対応しているのも魅力だろう。



 こうした点を考慮すると、マイク機能も搭載してスマートスピーカーとしても使えればなお魅力が増したように思うが、もともと音が売りの製品ゆえ、そうした発想はおそらくないのだろう。そもそもマイクを搭載するとなると、音楽再生中の音声の聞き取りも配慮しなくてはならず、3D音楽との間でのチューニングも必要になるはずで、技術的にも難易度が上がることは容易に想像できる。



 従って音声アシスタントが非搭載なのは止むなしという結論になるのだが、購入したスマートスピーカーを結局は音楽再生にしか使っていないという人が、上位のサウンドを聞かせてくれる製品を探しているのであれば、Google Homeのネットワークに組み込んで使え、またGoogle Homeのマルチルーム機能にも対応した本製品は、よい選択肢と言える。



 ライバルとなるのは、同じく3D音楽に対応したAmazonの「Echo Studio」で、こちらはDolby Atmosにも対応する他、音声アシスタントも搭載している。また本製品の3万6300円(ソニーストア価格)に対して2万4980円と価格差もある。並べて使っていないので音の違いは未検証だが、実際に製品を選ぶ段階では、ワンランク上の価格帯である上位モデルのSRS-RA5000(ソニーストア価格6万6000円)とともに、比較対象となりそうだ。


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