眞子さまと小室圭さん世代の「自分ファースト」 上皇陛下の「国民ファースト」は難しい?

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2021年05月19日 08:00  AERA dot.

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写真眞子さまと小室圭さんの結婚の行方は国民の関心事となっている。一般人なら本人たちの気持ちが最優先で済むが、なかなかそうはならず先行きが見えない (c)朝日新聞社
眞子さまと小室圭さんの結婚の行方は国民の関心事となっている。一般人なら本人たちの気持ちが最優先で済むが、なかなかそうはならず先行きが見えない (c)朝日新聞社
 小室圭さんが公表した文書への批判が続いている。その文書と小室さん自身を貫くのは「自分ファースト」。「オンリーワン」偏重の時代を生きてきた眞子さまと小室さん。皇室が貫いてきた姿勢を求めるのは簡単ではない。AERA 2021年5月24日号の記事を紹介する。

【写真】「自分セカンド」の姿勢を貫いた皇族女性とは

*  *  *
 秋篠宮家の長女眞子さまとの婚約が内定している小室圭さんの評判が、どうにもよくない。

 母・佳代さんの「借金問題」について説明する文書を4月8日に公表、捲土重来になるはずだった。が、「(解決金を渡せば)早期解決と引き換えに借金でなかったものが借金であったことにされてしまう」「将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続ける」と大見えを切ったわずか4日後、代理人弁護士が「解決金」の支払いを検討していると明かしたことで、火に油をそそいでしまった。

 当事者である元婚約者(以後Aさんとする)も4月27日に代理人を通じ、「一連の出来事に関しては大変困惑いたしました」というコメントを発表した。さもありなんと思いつつ、600字余りの全文を読むと、小室文書との趣の違いに気づく。

 まず、「私と小室佳代さんとの間の金銭問題が、いまだに世間を騒がせていることに関して、誠に申し訳なく感じております」と始めている。おいおい、金銭問題を週刊誌上で公表したのはあなたで、何を今さら。とは思うのだが、「以前もコメント致しましたが、私と佳代さんの金銭問題と圭さんの結婚は別問題だと今も考えています」などという文章を読むと、少し気の毒になってくる。思っていた以上の騒動になり、困っているのだろうと思えてくるのだ。

■世界に一つだけの花

 で、小室さんの文書には、こういうところがまるでない。「借金ではなく贈与だ」と延々説明するだけ。文書が遅れて申し訳なかったとか、「贈与」してくれたAさんへの謝辞とか、そういうものがあればここまで不評にはならなかった、と思う。

 公表翌日、眞子さまの「いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい」というコメントも、宮内庁から発表された。2人で相談し、合意した文書だったという説明もあった。眞子さまは昨年11月にも「お気持ち」を文書で公表している。「お互いこそがかけがえのない存在」で、結婚は「心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」と熱く訴えるものだった。

 名古屋大学の河西秀哉准教授(歴史学)はアエラ4月26日号で、「小室さんと眞子さまはよく似ていると思う」と語っていた。取材時、具体例としてあげたのが、この「お気持ち」だった。皇族の言葉や文章を研究してきた河西さんには、この文章は「きつい言葉」に映った。「自分」を主張する強さという点で、眞子さまと小室さんは似ている。そういう分析だった。

 突然だが、2003年が分かれ目だったと思う。

 その年の3月、SMAPのシングル「世界に一つだけの花」が発売され、大ヒットした。「そうさ僕らは、世界に一つだけの花」なのだ、だから「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」。そう歌い上げるこの曲への認識が変わったのは、17年だった。

 脚本家・岡田惠和さんのインタビューを読んだ。その年、NHKの朝ドラ「ひよっこ」で何も成し遂げないヒロインを描いた岡田さん。高度成長期という舞台について、こう語っていた。

「ナンバーワンもオンリーワンも特に求められてなかったと思うんですよ。そういう考え方が、いま、生きている子たちの枷(かせ)になっている気がするんです」

■国民ファーストの徹底

「世界に一つだけの花」のメッセージは、「そのままでいい」だと思っていたが、近ごろの若者は「オンリーワンになれ」と受け止め、苦しんでいるのか。岡田さんの指摘で、そう理解した。

 すっかり「自己責任」の社会で、「勝ち組」「負け組」が当たり前。それを新自由主義というらしい。生き残るには「オンリーワン」にならねばならず、「自己主張」が必需品。

 そんな時代を生きる29歳の小室さんと同い年の眞子さま。2人の文書に漂う「自分ファースト」の空気は、時代の必然。そんなふうに思う。が、ここでひとつ問題が。眞子さまは皇室のメンバーで、小室さんは眞子さまと結婚すれば、皇室と縁続きになる。そういう2人が「自分ファースト」でよいのだろうか。

 それを実践し、挫折したのが英国王室のメーガン妃だとすれば、皇室はさらに厳しいに違いないと個人的には思う。戦後の皇室像を築いてきた上皇陛下と美智子さまが、徹底した「国民ファースト」だったからだ。

 18年10月、美智子さまは皇后として最後の誕生日に文書を公表した。天皇退位まで半年に迫った心境を聞かれ、こう述べた。

「振り返りますとあの御成婚の日以来今日まで、どのような時にもお立場としての義務は最優先であり、私事はそれに次ぐもの、というその時に伺ったお言葉のままに、陛下はこの60年に近い年月を過ごしていらっしゃいました」

■「アピール力」が彼の才

 長い長い「自分セカンド」の日々。それを娘の目で描写したのは、長女紀宮さま(現・黒田清子さん)だ。04年のお誕生日に公表した文書で、「公務は常に私事に先んじるという陛下のご姿勢」を語った。そのために家族の楽しみや予定が消え、残念に思うことも多々あったとした上で、こう続けた。

「そのようなことから、人々の苦しみ悲しみに心を添わせる日常というものを知り、無言の内に両陛下のお仕事の重さを実感するようになりましたし、そうした一種の潔さが何となく素敵だとも感じていました」

 自分セカンドであることを「何となく素敵」ととらえる感性。紀宮さまには確かに受け継がれたが、眞子さまはどうだろう。昭和生まれの紀宮さまと平成生まれの眞子さま。その差はとても大きく、ましてや父を早く亡くし、苦労する母の下で育った小室さんは、「自分ファースト」という思いを支えに生きてきたのだろう。28枚に及ぶ小室文書を読了し、思ったことだ。

「文藝春秋」6月号は「小室文書が晒した『眞子さまの危うさ』」と題し、座談会を開いている。

 信州大学の山口真由特任教授(家族法)はそこで、ニューヨーク州弁護士会主催のコンペで準優勝したという小室さんの論文の話をした。タイトルは「社会的企業のためのクラウドファンディング法改正の可能性への課題と示唆」。「センスがいいです」というのが山口さんの評価だった。

 ホットイシューを選び、実務家主催のコンペに出すセンス。トレンディーにまとめる力もある。ただし突き詰めて思索するタイプではないかもしれない。「際立ったアピール力」が彼の才だとしたら、「自分を評価してくれるコミュニティにばっちりハマれば成功する方だと思います」と山口さん。

■一般と同じ自由な生活

 やはり小室さんは、「アピール力」の人。その人が入ろうとするコミュニティーは、「自分セカンド」を素敵と思う感性を求めている。その困難を国民は、日々見ているのだと思う。

 もう一人の出席者・毎日新聞編集委員の江森敬治さんは「この問題は、そもそも眞子さまが早く皇室を出たい。皇室を出て一般国民と同じ様な自由な生活がしたい、というところから出発していると思います」と語っていた。皇室典範は「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と定める。眞子さまにとって、それは小室さんなのだ。

 紀宮さまは都庁勤務の黒田慶樹さんと結婚するにあたり、「三十六年を振り返って」という長い文書を公表した。最後に書いたのが、美智子さまはなぜつらい体験をしながらも、人への信頼感を失わないのかという話だった。そこで紀宮さまは、ある「皇后様のお言葉」を紹介、「よく心に浮かびます」とした。最後にそれを紹介する。

「人は一人一人自分の人生を生きているので、他人がそれを充分に理解したり、手助けしたりできない部分を芯(しん)に持って生活していると思う。……そうした部分に立ち入るというのではなくて、そうやって皆が生きているのだという、そういう事実をいつも心にとめて人にお会いするようにしています。誰もが弱い自分というものを恥かしく思いながら、それでも絶望しないで生きている。そうした姿をお互いに認め合いながら、懐かしみ合い、励まし合っていくことができれば……」

(コラムニスト・矢部万紀子)

※AERA 2021年5月24日号

このニュースに関するつぶやき

  • J皇夫妻におかれては、今も国民を想う気持ちをお持ちであるのなら、裁可の取り消しをなさるべきと思う。行動に本性が出るのが人間。自ら晩節を穢していいのですか?
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  • 破談しかないと思います。
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