木村花さん死後に中傷、男性に129万円の賠償命令 母の響子さん「慰謝料の相場が低いのは問題」

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2021年05月19日 16:31  弁護士ドットコム

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フジテレビの恋愛リアリティー番組『テラスハウス』に出演したプロレスラーの木村花さんが亡くなった後、ツイッターで中傷する投稿をしたとして、母の響子さんが長野県の男性に対し約294万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁(池原桃子裁判長)は5月19日、男性に約129万円(うち慰謝料50万円)の支払いを命じた。


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男性側は出廷せず答弁書での反論もしなかった。



判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた響子さんは「裁判所で重大な誹謗中傷と認められたことは感謝しているが、精神的な苦痛に対する慰謝料の相場がとても低いことはすごく問題であると思っている」と訴えた。



●代理人「事案の重大性を裁判所にも認めてもらえた」

判決などによると、木村さんが2020年5月に亡くなった後、男性はツイッターに「あんたの死でみんな幸せになったよ、ありがとう」「テラハ楽しみにしていたのに、お前の自殺のせいで中止。最後まで迷惑かけて何様?地獄に落ちなよ」と投稿した。現在アカウントは削除されている。



木村花さんは亡くなっており権利侵害の主体となることができないため、遺族の「敬愛追慕(けいあいついぼ)の情」が侵害されていることを理由に損害賠償請求をしていた。



代理人の清水陽平弁護士は50万円という慰謝料額について、「敬愛追慕の情を侵害されたとする損害賠償請求事件の場合、多くの事例では高くても慰謝料は10万円程度で、ここまでの金額になることはあまりない。今回の事案の重大性を裁判所にも認めてもらえたと考えている」と話した。



●響子さん「慰謝料相場、高くするべき」

精神的苦痛に対する慰謝料の相場について、響子さんは「足の骨折は数カ月で治るが、一度誹謗中傷を受けて心を病んでしまった時に、一生治らないかもしれない心の傷を抱えたり、追い詰められて命まで奪われることがあったりすると思うと、相場を高くするべきだと思う」と訴えた。



今回最後まで男性から連絡がなかったことについて、響子さんは「悔しい思いをしている。自分のしたことに向き合ってほしいという気持ちが一番大きいので、残念でした」と語った。



花さんへの誹謗中傷に対する初の民事判決だが、響子さんは「まだまだ途中。ここまでくるのに一年かかってやっと輪郭が見えてきた状態。相手が支払いをする意思がなかった場合、どうなってしまうのかも全く手探りなので、しっかりやっていきたい」と今後を見据えた。



響子さん側は、木村花さんと響子さんに対する誹謗中傷について、他にも数件の開示請求を進めている。響子さんは「これで終わりではないので、(花さんには)まだ報告はできない」と話した。


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