ロッテ・大嶺、佐々木千隼…逆転劇を呼び込んだリリーフ陣の働き

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2021年05月26日 11:14  ベースボールキング

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ロッテの佐々木千隼
◆ 大嶺、佐々木が逆転劇を呼び込む

 12球団トップの220得点を誇るマリーンズ打線。先発が早いイニングでマウンドを降りても、リリーフ陣が無失点に抑えれば、逆転を呼び込むことができる。そう実感させる交流戦初戦だった。

 マリーンズは、首位・阪神から先制点を奪いながらも3回に先発・二木康太がマルテ、サンズに一発を浴び、逆転を許す。二木は5回に打席が回ってきたところで代打が送られ、4回3失点で降板した。二木の後を受けて登板した大嶺祐太が、阪神に流れを渡さなかった。

 1−3の5回からマウンドにあがった大嶺祐太は、1番・近本光司から始まる打順も近本を投手ゴロ、2番・中野拓夢を二ゴロ、3番・マルテを一飛でリズム良く3人で抑える。2イニング目となった6回も、先頭の4番・大山悠輔を初球で右飛に打ち取った。続くサンズにレフト前に運ばれるも、佐藤輝明を投手ゴロのダブルプレーで打ち取ったかに思われたが、これを大嶺が二塁へ悪送球。一塁走者のサンズを三塁へ進めてしまう。それでも、得点圏打率セ・リーグトップを誇る梅野隆太郎を二併に仕留め、ピンチを脱した。

 すると7回に一死走者なしから角中勝也、藤岡裕大の連打で一、二塁とし、代打・鳥谷敬がライト前に適時打を放ち1点を返す。なお一、三塁と好機は続いたが、代打・山口航輝が遊併に倒れた。

 一度掴みかけた流れを再び阪神に渡してしまうのかと思われたが、7回から登板した佐々木千隼がその裏、小幡竜平を右飛、糸井嘉男を中飛、近本光司を一ゴロと、わずか8球、三者凡退に抑える最高の投球を披露。

 直後の8回、マリーンズ打線はこの回からマウンドにあがった阪神のセットアッパー・岩崎優から先頭の荻野が左安で出塁し、2番・マーティンが値千金の逆転2ラン。さらにレアードにも適時二塁打が飛び出し、この回3点を奪い5−3と逆転に成功した。

 こうなれば、唐川侑己、益田直也の“勝利の方程式”で逃げ切るだけ。唐川が走者を出しながらも無失点で切り抜けると、最終回は益田が危なげなく三人で打ち取り試合を締めた。

 逆転勝利につながったのも、5回から登板した大嶺が2イニングを無失点に抑えたこと、そして1点を返した直後の7回に佐々木が簡単に3人で阪神打線を片付けたことも大きいだろう。

◆ 佐々木千隼の存在

 冒頭にも述べたように、今季のマリーンズ打線は12球団トップの得点数を誇り、1、2点のビハインドであれば、試合終盤に十分逆転が可能。今季はリードを許した展開でも、リリーフ陣が踏ん張り逆転勝利、引き分けに持ち込んだ試合は多い。

 そのなかでも、ビハインドゲームで登板したときの佐々木千隼の存在感は抜群だ。佐々木は先発の岩下大輝と並びチーム最多タイの4勝を挙げているが、そのうち3度がリードを許す展開で登板し、その後に味方が逆転し白星を手にしている。

 今季初勝利を手にした4月18日のオリックス戦は、1−2の8回から登板し、わずか10球で三者凡退に抑えると、直後の9回にチームは逆転し勝利。2勝目を挙げた4月21日の日本ハム戦も、4−5の9回から登板し、三者凡退に仕留め、その裏に岡大海の逆転2ランでサヨナラ勝ち。そして、25日の阪神戦も三者凡退に抑えた直後の8回にマーティンの逆転2ランが飛び出し、4勝目を手にした。

 佐々木は4月に行ったオンライン取材で「ビハインドだったらできる限り傷口を広げないように、そのあと逆転できるように流れが持ってこれるようなピッチングができたらいいなと思って心がけています。ただ、そんなに簡単ではないので、結果的にそうなればいいなと思います」と、ビハインドゲームでの心構えを明かしていた。

 佐々木が登板したゲームではないが、5月14日の西武戦では、2−4とリードを許す展開も7回・小野郁、8回・河村説人、9回・土居豪人がそれぞれ無失点に抑え、9回にレアードが同点2ランを放ち、負けゲームを引き分けに持ち込んだこともあった。

 今年のマリーンズ打線は昨季までとは異なり、得点が取れる。勝てるゲームをしっかりとモノにし、25日のように負けている展開でもリリーフ陣が踏ん張り、試合終盤に打線が得点を奪い逆転勝ちする試合が増えていけば、白星は自ずと増えていくはずだ。

文=岩下雄太

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  • 去年マグレを証明した二木君とは違って頑張ったけど、大事なのは継続して結果を出すこと。出来なければ、戦力外も有り得るだろうな。
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