動物園の柵を乗り越えて勝手に侵入した上に、中にいたサルにスナック菓子を与える女の姿を捉えた動画がネット上で拡散され大炎上している。侵入した女は法律事務所でアシスタントとして働いていたが、事実関係を確認した事務所はすぐに解雇したという。『El Paso Times』などが伝えた。
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米テキサス州にあるエル・パソ動物園を訪れていたルーシー・レイ(Lucy Rae)が、クモザルの囲いの中に侵入する様子がカメラで捉えられた。
動画では小さな滝の近くにある岩にルーシーが座っており、“リビー(Libby)”と“サンデー(Sunday)”という名前の2匹のクモザルがルーシーに近寄っている。
はっきりと映っていないがルーシーは手元にスナック菓子「チートス(Cheetos)」を持っていたようで、それをクモザル達に手渡そうとしているのだ。リビーとサンデーは警戒しながらも食べ物には興味があるようで、ルーシーをじっと見つめている。
そしてルーシーはお菓子を遠くへ投げると、膝ほどの水位がある堀の中を歩き、撮影者のいる柵の外へ笑顔を見せて戻ってきた。柵のそばには植木があったが、ルーシーは一緒に来ていた友人と思われる人の手を借りて乗り越えていた。
同園は今月23日、この動画を見た人から複数の問い合わせを受けて今回の事態に気付いたという。
動物園長のジョー・モンティサノ氏(Joe Montisano)は「今回の彼女の行動はとても危険な行為です。霊長類は犬歯を持っていて見た目よりも力が強いので、深刻なケガをしていた可能性もあります。彼女は単にラッキーだったと言うしかありません」と明かした。
また飼育員によると、クモザルは特別なエサを与えられているのでルーシーが与えたスナック菓子によって胃腸障害などを引き起こす可能性があったという。実際にスナック菓子を食べてしまったのかは確認できていないが、現在までにリビーとサンデーを含めたクモザルたちに異常は見られないそうだ。
クモザルの展示はアメリカ国内で50以上の動物園で行われており、どの動物園も浅く水を張った堀と低い柵で囲っており、檻に邪魔されることなく観察できるため人気の展示だという。
しかし今回のルーシーの身勝手な行動により、同園は「再発防止対策のために、柵を高くしたりと今までの方法を変えなければならない」と述べている。
なおルーシーは弁護士事務所「Lovett Law Firm」でアシスタントとして勤務していたが、同事務所はFacebookにてコメントを発表した。
「このたびエル・パソ動物園でクモザルの囲いの中に不法侵入した人物が、当事務所の従業員であることが判明し、彼女を解雇しました。当事務所では動物の保護活動を強く支援しており、今回の無責任な行動は絶対に許されることではありません。」
「今回危険にさらされたリビーとサンデーが、このトラウマのような恐ろしい経験から回復することを祈っています。」
一方で、同園は「今回のような行為を許すわけにはいかない」と明かしており、ルーシーを告発する方向で話を進めているという。
画像は『The Real Fit Fam El Paso 2021年5月23日付Instagram「This is (unfortunately) real」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)