セクハラ加害者の心理とは?実は無自覚も多いから注意したいセクハラ行為の境界線【公認心理師が解説】

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2021年06月09日 20:42  All About

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写真セクハラは、大きく「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」の2種類に分けられます。多くの場合、行為者側にセクハラの意識がありません。無自覚のうちに行っているかもしれないセクハラ行為について、理解を深めておきましょう。
セクハラは、大きく「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」の2種類に分けられます。多くの場合、行為者側にセクハラの意識がありません。無自覚のうちに行っているかもしれないセクハラ行為について、理解を深めておきましょう。

加害者が無自覚なことが多い……セクハラと疑われそうな行為はしないこと

職場のセクハラの判断においては、セクハラを受けた人がどう感じているのかが重視されます。もちろん、セクハラの認定には事実関係の確認と調査が必要になりますが、そのような大きな問題になる前に、他人に誤解を与えるような行為をしないことがまずは重要です。

加害者にセクハラの認識はなくても、受け手がそれをセクハラだと感じた場合、受け手の感じ方を否定することはできないものです。被害の相談を受けた場合、受け手の感情を丁寧に取り扱い、対応することが求められます。

人の気持ちは十人十色。「どこからがセクハラと言われるのか」についての線引きは難しいものです。したがって、まずはセクハラと疑われそうな行為はしないことが大切なのです。

「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」の違い

男女雇用機会均等法にもとづく指針によると、職場のセクハラには「対価型」と「環境型」の2種類があります。

対価型セクハラ

相手の嫌がるセクハラ行為を行い、拒否・抵抗されたことの対価として、解雇・労働契約の更新拒否などの不利益を与えることです。たとえば、非正規職員として採用された人が人事権を持つ上司に交際を迫られ、それを断った後に上司の態度が冷たくなり、翌年度の労働契約を更新してもらえなかった。このような場合は、対価型セクハラになります。

環境型セクハラ

セクハラの言動を受けて就業環境が不快なものになり、働く上で看過できないほどの支障が生じるものです。たとえば、体形をじろじろ見られるので、不快で出社が苦痛になる。性的な話題をされるので、仕事に集中できない。こういった場合は、環境型セクハラになります。

無意識にセクハラを行う人に特徴的な心理とは?

近年では「Me Too運動」などの影響もあり、セクハラ防止への意識は高まっているように感じますが、それでも職場にセクハラがなくならないのはなぜか。加害者の心理を紐解くと、主に次の3つに分けられると思います。

1. セクハラの知識がアップデートされていない

セクハラの範囲は時代と共に変化します。たとえば、胸やお尻に触ったり、仕事での抜擢の対価に性的関係を求めたりなどの行為だけがセクハラだと認識していると、知識がアップデートされていないと言わざるを得ません。

たとえば、職場の人の容姿の良し悪しについて口にすると、今の時代、セクハラと言われてしまいます。ほめられたとしても、「職場の人に外見についてとやかく言われたくない」「容姿は仕事に関係ないはずだ」と感じている人が多いのです。

また、「女性だから女性らしくしたほうがいい」「男性なのになよなよしている」というように、人の個性を性別による偏見から批評されることも、セクハラだと感じる人が増えています。これはジェンダーハラスメントといい、セクハラにつながる意識として問題視されています。

2. 無意識に自分の優位性を悪用してしまう

セクハラは、加害者の優位性を悪用できる行為。そのため「パワハラ」にもなります。たとえば、上司が性的な冗談を言っても誰も嫌だと言えない雰囲気がある場合、上司は自分の立場を悪用して「環境型セクハラ」をしていることになります。

また、相手から体を眺め回すような視線を向けたりすると、受け手に恐怖心を与えてしまいます。権威のある人からの個人的な誘いを断りにくい雰囲気がある場合、優位性を悪用した「対価型セクハラ」が生じていると考えられます。

3. 恋愛感情から生じるセクハラに気づいていない

人を好きになると、相手と少しでも近づきたい、自分の思いをわかってもらいたいという思いが強くなります。この気持ちがしつこいデートの誘いやつきまとい行為につながり、結果的にセクハラになってしまうことがあります。

相手を思うあまりの熱心な行動が迷惑行為になってしまうこともあるので、気をつけたいものです。

セクハラの加害者にならないために……職場は公的な場所と再認識を

加害者の多くは、意図的にセクハラをしているわけではありません。上のように、無自覚のうちにセクハラを行ってしまうケースが多いのです。

先ほど、加害者にならないためには、セクハラと疑われそうな行為はしないことが重要であるとお伝えしました。しかし、この認識だけでは、具体的に何に気をつけたらいいのか分からないかもしれません。

そこで、私はよく「学校において上の立場の人が下の立場の人に接する際の態度」を想像することを勧めています。たとえば、クラスの先生や部活の先輩が次のような態度を示したとき、下の者はどのような思いを抱くでしょう?

・一部の異性の生徒や後輩にだけ、やたらと親しく話しかける

・あいさつ代わりに、やたらと異性の生徒や後輩の体に触る

・「あの子スタイルいいよね」「ブサイクだよね」などと、生徒や後輩の見た目を批評する

・「付き合っている人はいる?」「好きなタイプは?」などと生徒や後輩の交際について質問する

・「嫁のもらい手もないよ」「女の腐ったような奴だ」といった言い方をする

尊敬する先生や先輩にこのような態度を見ると、生徒や後輩は相手の言動に性的な含みを覚え、信頼することができなくなるでしょう。職場も公的な場所ですので、同様だと思います。

職場ではすべての人の人権が尊重される必要があり、また、身の安全が脅かされるような環境、職務を妨害するような環境であってはなりません。

繰り返しますが、セクハラは無自覚に行われることの多い行為です。普段の自分の言動を振り返り、セクハラと疑われそうな行為をしないように気をつけていく必要があります。

大美賀 直子プロフィール

公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。
(文:大美賀 直子(公認心理師))

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  • セクハラが無くならない理由『上下関係が固定化されている環境下では、その主従関係が』要は肩書で権力を持つと、暴走し行為に及ぶとhttps://bit.ly/3pM6yE5人格面で理性に欠陥があるからだ
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  • イケメンのセクハラは許されると思ってる人はネタで言ってるなら良いけど本気で言ってるならちょっとお母さんに聞いてきてごらん https://mixi.at/a9PCV3Q
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