オリックス山本由伸が8回15Kの快投で3位に浮上「ボールを操れていた」

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2021年06月11日 23:54  ベースボールキング

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オリックス・山本由伸
◆ 7回まで一人の走者も許さないパーフェクトピッチ

 オリックスの“エース”山本由伸が11日の広島戦に先発登板し、7回までに先発全員奪三振を含むパーフェクトピッチを披露。8回に2本のヒットを許したが、自己最多の15奪三振を奪う快投でチームを勝利に導いた。チームとしては3年ぶりとなる貯金生活に突入し、交流戦では単独首位、パ・リーグでも3位に浮上した。

 山本は最速156キロのストレートにカーブやフォークなどの変化球を巧みに使って三振の山を築いていく。2回から3回にかけては6者連続三振の快投だったが、対する広島の先発・大道もヒットを1本も許さない好投。初先発ということもあり5回で降板となったが、無安打、2四球という内容に抑え込まれ、エースを援護できなかった、

 それでも7回、広島の3番手・森浦大輔から先頭の吉田正尚が四球を選ぶと、4番のT-岡田が両チーム初安打となるライト前ヒットでつなぎ、安達了一の犠打で一死二、三塁に。ここで広島ベンチは中田廉にスイッチするも、代打のジョーンズが四球でつなぎ、「(山本)由伸になんとか援護点をと思っていた」という杉本裕太郎がセンター前へ運んで2点を先制した。

 さらに紅林弘太郎がライト前へヒットを放ち二死満塁。広島は5番手の高橋樹也を投入するが、福田周平が押し出しの四球を選んでこの回だけで3点を奪取し、8回にも広島のバッテリーエラーに乗じて1点を追加した。

 援護を受けた山本は8回、先頭の鈴木誠也にセンター前へ運ばれて完全試合が消滅。続く坂倉将吾にもライト前ヒットを打たれたが、ここから3者連続三振で自己最多の15奪三振をマーク。山本は8回を113球、2安打、無四球、無失点の内容でマウンドを降り、最終回は平野佳寿が3人で抑えてオリックスが4−0で勝利。引き分けを挟んで4連勝を飾り、山本は6勝目を手にした。


 試合後、山本は「(伏見)寅威さんがフォーク、フォークといかないように、カーブを上手くリードしてくれたので、思い切って投げられた」と女房役に感謝。完全試合に関しては「調子が凄く良かったので、3回ぐらいから意識してたらやられました」と話していたが、「ジョークですよ!ジョーク!最後まで気を引き締めて投げました。大城滉二さんに『お前は打たれるからな』と言われてました」と笑顔を見せた。

 自己最多の15奪三振と、2回目となる先発全員奪三振に質問が飛ぶと、「いいボールを投げられたのが繋がったと思う。ボールを操れていました」と振り返り、先制点を打った杉本には「先に点をやらないように投げていたので、嬉しかった」と感謝。これで勝ち星が先行したが、「ここまで負け越してたんで、チームのいい流れについていきたい」と前を向いた。

 中嶋聡監督は「(山本は)これ以上にないピッチングですし、向こうもそれにつられるようにいいピッチングをしていたので、これは苦しいなと思ってました。きょうは全てのボールをしっかり操って、完全に支配しいた。パーフェクトはめちゃくちゃ難しい」とエースのピッチングを評価。続けて「点を取られたとしても最小失点だろうと。でもどうやったら援護できるのかと考えさせられた」と、広島の先発・大道の攻略に手を焼いたことを明かした。


取材・文=どら増田

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