「いつ頃接種できるの?」「行動規制はいつ緩められる?」ワクチンの疑問、豊田真由子がお答えします

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2021年06月14日 07:10  まいどなニュース

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写真豊田真由子
豊田真由子

感染収束の切り札であるワクチン。「自分のワクチン接種はいつ頃?」「海外では行動規制が緩められてきてるけど、日本は?」――最新のデータを基に、豊田真由子がお答えします。

【グラフ】ワクチンの国別接種率

緊急事態宣言

6月20日まで予定されている緊急事態宣言をどうするか、検討が行われています。

現在、新規陽性者数は、全体には減少傾向にありますが、沖縄と北海道はまだステージ4を脱しておらず、医療逼迫の観点から見ると、北海道、愛知、大阪、福岡、沖縄は、依然厳しい状況にあります。東京や大阪で人流が増えてきていることの影響も、今後出てくる可能性があります。

しかしながら、感染拡大を抑えるために必要とは分かりつつも、社会経済活動や国民感情の観点からは、「この状況をいつまで続けなければならないの!?」という思いが強いのではないかと思います。本年1月1日から6月20日までで見ると、実に「171日のうち、130日が緊急事態宣言下にある」ことになります。社会経済状況や精神的にも、「もう限界」という声は切実です。自粛疲れ・緊急事態宣言慣れで、もはやあまり行動変容に結びつかないということも、各地で聞かれます。

こうした難しい状況の中、感染収束の「切り札」と言われているのが、ワクチンです。

ワクチン接種について、当初いろいろな混乱はありました(現在接種が進んでいる国も、それは同様です)が、本当に多くの方の尽力で、大幅に進展してきており、今後、職域接種や64歳以下の方々の接種も始まります。

ワクチンに関し、日々いろいろな情報が更新される中、「それで、結局今、なにがどうなっているの?」というご質問にお答えすべく、ワクチン接種の現状と今後の見通しや、ワクチン接種後の行動制限の解除、世界の課題等について、最新のデータや研究報告なども踏まえ、整理してみたいと思います。

ワクチン接種の進捗状況

世界の中で遅れを取っているといわれる日本のワクチン接種ですが、多くの関係者の尽力により、だいぶ進んできています。

我が国のこれまでのワクチン接種回数は、6月10日時点で、
・医療従事者等:8959914回(+前日より136591回増)、高齢者等:12448211回(+前日より887922回増)
・高齢者(対象者3549万人)のうち、少なくとも1回接種したのは高齢者全体の29.1%、2回接種は4.4%
・医療従事者等と高齢者、その他を合わせて、総人口(1億2712万人)のうち、少なくとも1回接種したのは12.5%、2回接種は4.3%
となっています。

これまでに日本に到着したワクチンの数は、6月3日時点で、ファイザー製が約7100万回分以上(1瓶6回換算)で(モデルナやアストラゼネカについては、契約の関係上非公表)、これまでの国内の接種総数が、2140万回(6月10日)ですので、到着分について接種機会を拡大しながら着実に接種を進めていくとともに、海外から必要数を時宜にかなって調達することが重要となります。

いつ頃接種できるようになる?

ワクチンの接種方法は、現時点で、大きく分けて下記があります。

     医療機関での個別接種
     各市町村が運営する集団接種
     都道府県・政令指定都市が運営する大規模接種(約30か所)
     自衛隊の大規模接種(東京・大阪)
     大学や職場での職域接種
お近くのワクチン接種会場は厚生労働省の「コロナワクチンナビ」で検索することができます。

接種対象者については、6月11日時点では、 銑は高齢者が対象ですが、い亮衛隊の大規模接種会場については、対象地域を全国に拡大し、さらに64歳以下の受付を開始することになっており、イ梁膤悗篆Π萓楴錣蓮各大学の学生や企業の社員等、自由に設定できることになっています

い亮衛隊大規模接種会場について、予約枠が大幅に空いている状況が生じているということですが、理由としては、以前この連載でも指摘したとおり、やはり、「高齢者にとっては、わざわざ都内に出ていくのはしんどい」「感染がこわいから電車には乗らないようにしている」といった声も強く、それぞれのお住まいの近くで接種ができるようにするのが望ましいということだと思います。

ただ、ワクチン接種を迅速着実に進めるために、様々な方途を検討することは大切なことですし、そして、なんであれ、すべてが完璧に予定通りにはいかないものでもあると思いますので、今回のように、状況に応じて、迅速に柔軟な対応が取られることが大切だと思います。

6月21日から始まる職域接種については、6月11日時点で約1800か所で900万人が接種を予定しています。「大企業優遇ではないか」といった批判もありますが、いろいろな機会を最大限活用することが接種の進展につながること、過剰に平等を要求することが却って非効率を生じさせる場合があること、そして、接種機会を拡大することは、社会全体の感染を抑制することにつながり、高齢者や基礎疾患のある方等、高リスクの方の接種に影響を及ぼさない形で職域接種が進められていくのであれば、結果として、国民全体の利益に資するだろうと思います。

なお、大学や職域接種においては、副反応に備えた健康観察の体制や、ワクチン接種が強制的なものとなってはいけないこと等について、一層留意が必要と思います。

海外では行動規制が緩められているが、日本はいつになる?

各国の対応は、ワクチン接種の普及状況と、国民がどこまでの感染状況を許容するか、主要産業の種類等によっても、異なってきます。

ワクチン接種が進んでいる一部の国々では、社会経済活動の再開に向けた準備が加速しています。

例えば米国CDC(疾病予防管理センター)は、5月13日、ワクチン接種を完了した人は、屋内外でマスク着用や対人距離の確保が不要となる(ただし、飛行機やバス、列車での移動の際や、病院などでは引き続きマスク着用を求める)という新たなガイドラインを公表しました。

フランスでは、6月9日、飲食店の店内営業が、およそ7か月ぶりに認められたほか、夜間の外出制限の開始時間が、午後9時から11時へと変更されました。

海外からの観光客についても、ワクチン接種完了証明やPCR検査の陰性証明などを提示することを条件に、EU域内や、日本・オーストラリアなどからの受け入れを再開しました。

ヨーロッパでは、ドイツやイタリア、スペインなども、条件付きでEU内や日本等の各国から観光客の受け入れを再開しています。(※ただし、現時点では、ヨーロッパから日本に帰国した際に、自宅や宿泊施設での14日間の待機が求められますので、渡航を計画される際は、ご注意ください。)

ここで注目したいのは、これらの規制が緩和された国々の現在の感染状況が、日本に比べて良いわけではない、ということです。具体的には、新規感染者数(直近1週間平均の1日当たり)を見ると、6月9日時点で、米国14,600人、フランス6700人、英国5900人、スペイン4000人、ドイツ2600人、イタリア2100人、そして、日本2200人です。

ではどうして、これらの国々は、制限を緩和できているのでしょうか? 

最も大きいのは、ワクチン接種が進んでいることにあります。ワクチン接種(2回)が完了した人の人口に占める割合は、6月10日時点で、イスラエル59%、英国43%、米国42%、スペイン26%、ドイツ25%、イタリア23%、そして、日本は4%となっています。

また、これらの国々は、以前の感染ピーク時の状況が極めてひどく、現在のような新規感染者が数千名というのは、ピーク時に比べれば、状況が大幅に改善された(=相対的に感染状況が良くなっている)と捉えられていると言えます。ピーク時の新規感染者数(1週間で平均した1日分)は、米国25万人、英国6万人、フランス5.6万人、スぺイン3.7万人、ドイツ2.5万人、イタリア3,5万人、そして、日本は6400人です。

数千人の新規感染者がいても、ピーク時に比べれば、感染は大幅に減ってきて、劇的に改善してるよね!というポジティブな評価なのだと思います。一方、日本は、元々の感染者が相対的には少ないのですが、国内で見ると感染を抑えられていない、という評価になる、という違いがあります。

また、文化・社会や国民性の違い等もあると思います。例えば、マスク着用について、日本ではコロナ以前から、冬や花粉症の時期などは、街の中でマスク姿の方がたくさんいるわけですが、欧米は違います。私自身、ジュネーブに赴任した際、日本の感覚でマスクを付けていたら、街を歩く人にあからさまに避けられ、仕事場であるWHOに行っても、「マスクしてる人は見ないなあ・・。マスクをしているということは、『相当深刻な感染症に感染している人』と思われちゃうんだよ」と言われ、着用をやめました。

国民の抵抗感が大きい分、早く緩和することが、より一層強く求められた、といった面もあるかと思います。

◆豊田 真由子 1974年生まれ、千葉県船橋市出身。東京大学法学部を卒業後、厚生労働省に入省。ハーバード大学大学院へ国費留学、理学修士号(公衆衛生学)を取得。 医療、介護、福祉、保育、戦没者援護等、幅広い政策立案を担当し、金融庁にも出向。2009年、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官として、新型インフルエンザパンデミックにWHOとともに対処した。衆議院議員2期、文部科学大臣政務官、オリンピック・パラリンピック大臣政務官などを務めた。

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このニュースに関するつぶやき

  • ころころ順番が変わるよね。 私は基礎疾患があるから早いのかと思えば、30代なので7月以降だといわれた。
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  • 税金で留学させて貰いすぐ退職し「ハーバード卒でござい」とやっちゃう人は信用出来ないよ。まだちゃんと長期間奉職してからなら別だが。恥知らずめ!
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