Cocomi、食卓で家族に切り出した一大決心 「音楽には神秘的な美しさを感じます」

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2021年06月14日 11:30  AERA dot.

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写真Cocomi/アフレコに入るまで、「彼女だったらどう反応するかな」と演じるキクコになったつもりで生活していたという。作中描かれるキクコの自由な感性に新鮮な驚きも覚えた[撮影/蜷川実花、strategist of photography 鈴木心、hair & make up 丹羽寛和(maroonbrand)、styling RyokoKishimoto(W)、costume DIOR、DIOR FINE JEWELRY(すべて表紙も)]
Cocomi/アフレコに入るまで、「彼女だったらどう反応するかな」と演じるキクコになったつもりで生活していたという。作中描かれるキクコの自由な感性に新鮮な驚きも覚えた[撮影/蜷川実花、strategist of photography 鈴木心、hair & make up 丹羽寛和(maroonbrand)、styling RyokoKishimoto(W)、costume DIOR、DIOR FINE JEWELRY(すべて表紙も)]
 6月11日公開予定のアニメーション映画「漁港の肉子ちゃん」で、声優に初挑戦したフルーティスト、モデルのCocomiさん。透明感ある声としなやかな心は、演じたキクコとどこか似ている。AERA 2021年6月14日号から。

【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾ったCocomiさんはこちら

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――6月11日から公開予定のアニメーション映画「漁港の肉子ちゃん」で声優を務めた。西加奈子による同名小説が原作で、明石家さんまが企画・プロデュース。映画「海獣の子供」などで知られるSTUDIO 4度がアニメーションを手がけた。

 漁港にある焼き肉店で働き、人々に“肉子ちゃん”と慕われる母を持つ小学生“キクりん”ことキクコの目に映る世界、そして二人の特別な関係が描かれる。

■愛で人は家族になれる

Cocomi:お話をいただいてから原作を読んで、キクりんのイメージを膨らませていくことから、役づくりを始めました。日常生活でも「彼女だったらどう反応するかな」と考えるようにして、アフレコに入るまでキクりんになったつもりで日々を過ごしていました。

 キクりんは標準語に関西弁、東北の言葉、さまざまな方言を使いわける器用な女の子です。私自身は言葉の使い分けに難しさを感じていて、関西弁は、アフレコの現場で明石家さんまさんが細かく丁寧に指導してくださり、とてもありがたかったです。

 キクりんが「名字の見須子(みすじ)にも『子(こ)』がつくから」と、関西弁で言うシーンがあるのですが、「子」にアクセントがあって、イントネーションも独特で、特にそのセリフは難しかったですね。さんまさんの言い回しを聞いて、私もその通りに音にして。さんまさんが「あ、それ!」とおっしゃるまで、繰り返しました。

――肉子ちゃんの声を担当する大竹しのぶとの声のやりとりも微笑ましく、魅力的だ。

Cocomi:大竹さんとの収録は別々で、私はイヤホンで肉子ちゃんの声を聞きながらアフレコをしたのですが、イヤホンから流れてくる大竹さんの声がとても心温まる声で、愛情を感じられて、聞くたびに感動していました。

 原作を読み始めた頃は、肉子ちゃんはどこまでも明るく、一方のキクりんは肉子ちゃんに対していろいろな感情を抱いているけれど何も言わずにいる、どこか大人びた女の子、というイメージでした。でも、読み進めると、それぞれの過去や葛藤があったうえで、いまの二人の姿があることがわかるようになる。愛があれば、人と人は「家族」になれるんだ、ということも改めて感じました。

――作品では子どもから大人への階段を駆け上がる過程、そして小学校高学年の女の子特有の心理が丁寧に描かれている。

Cocomi:私自身は、女の子同士の対立などをあまり経験せずに過ごしたので、新鮮に感じられました。どちらかというと、あまりグループに属さないタイプだったので、「あ、こういうこともあるんだな」と。キクりんは、思春期の女の子ではあるけれど、決して子どもっぽくはなく、ものごとを客観視できる、とても珍しい女の子ですよね。

 物語のなかで、トカゲやカモメが話しているシーンがあります。それは物語の“世界観”のなかで起こっていることだと思っていたけれど、実は……というシーンがあって、初めて読んだときは驚きました。彼女は大人っぽい女の子ではあるけれど、心はとても自由で、かけがえのない時間を生きている。そんな一面が好きでした。

■心動かされるのが音楽

――どこか大人っぽくて、心は自由。その姿は彼女自身につながる。そう感じたのは、普段はどんな本を読んでいるのか、と尋ねたときだ。

Cocomi:フランスの詩人の作品は幅広く読むようにしています。クラシック音楽と密接な関係があるうえ、「ここのメロディーにフランス語のフレーズをつけるなら、どんな言葉になるだろう」と思い浮かべて、意識して詩を読むようにしています。楽譜を見て「フランス語の文章にするならば、こんなふうに音が伸びたらきれいだろうな」と考えるのは、大学に入ってから身についた習慣です。

――いま、大学2年生。中学校まではインターナショナルスクールに通っていたが、音楽の名門、桐朋女子高等学校を受験したい気持ちが芽生えたことが転機だった。入試まで半年を切った時期だった。

Cocomi:自分にとって、最も心が動かされるのが「音楽」だったので、それを追求したいという気持ちがありました。食卓で「あのー」という感じで切り出したのですが、突然だったので、家族は驚いていましたね。冬季講習も目前に迫っている時期でしたし、ずっと英語で勉強していたけれど、受験するにあたり国語にも力を入れなければいけなくなった。自分のなかでは、「日本語」という分類だったものが「国語」に変わったということも大きかったです。インターナショナルスクールに通いながら、朝から晩まで必死に勉強をしました。

 高校に入学して、音楽経験者に囲まれる、という環境になると、友人たちと音楽の話をすることが本当に楽しい、と感じるようになりました。周囲の友人たちも、「それ、わかる!」と共感してくれたり、「こんな曲もあるよ」とレパートリーをあげてくれたり。仲間と意見を出し合って、音楽をつくりあげていく時間が、とても楽しいです。「この和音が好き」「この『調』が好き」と、自分の好みもよりはっきりとわかるようになって、そうした好きなものを見つけることにも喜びを感じます。

■家族は「変わったね」

――これからチャレンジしたいことはなにか。そう尋ねると、真っすぐな答えが返ってきた。

Cocomi:いろいろなことに挑戦したいと思っているのですが、もっとフルートの分野で頑張りたいと思っています。漠然とした目標ですが、一人でも多くの方にクラシックの魅力を伝えていきたいです。

 クラシックには、「格式が高い」というイメージがつきまといがちです。私自身、幼い頃はクラシックコンサートに行ってもすぐに眠くなってしまって(笑)。家族にも「あんなに寝ていたのに、変わったね」とよく言われています。

 器楽曲は、言葉を介さないけれど、何を伝えたいのかがわかる。音は目にも見えない、香りもない、言葉もない。それなのに、聴覚だけで心地良さを感じることができる。そこには神秘的な美しさを感じるんです。

(ライター・古谷ゆう子)

※AERA 2021年6月14日号

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  • フルートも声優もモデルも何もかもが中途半端やな(笑) https://mixi.at/a9UwgNq
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