前日の勢いを維持できず12位で終えた佐藤琢磨「昨日ほどうまくはいかなかった」

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2021年06月14日 12:21  AUTOSPORT web

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レース後にエンジニアのエディ・ジョーンズとレースを振り返る佐藤琢磨
土曜日のデトロイト・レース1で4位という今季ベストのリザルトは、佐藤琢磨とレイホール・レターマン・ラニガンのチームの雰囲気をポジティブなものにしていた。琢磨4位、グラハム・レイホール5位、サンティーノ・フェルッチ6位と、トップ6に3台が入賞したチームはレイホール・レターマン・ラニガンだけだった。

 だが、インディカーシリーズは昨日良ければ今日も良いというチャンピオンシップではない。

 琢磨は午前の予選でなんとグループ10番手、総合19番手のグリッドに甘んじてしまったのだ。土曜日の予選も16番手と苦戦はしていた。だが、70周のレースを消化して少しは良い方向性が見えていたと思いきや、その期待は裏切られてしまう。

 琢磨だけでなく、土曜日にずっとレースをリードしていたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が20番手、優勝したマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)が22番手という予選結果だった。各マシンにそれぞれ理由があろうが、それほどインディカーは接近したタイトな戦いなのだ。

 琢磨は予選後に「グラハム(レイホール)とサンティーノ(フェルッチ)と方向性を変えて予選に臨んだんですが、彼らは少し攻めていくようなセッティングが良かったようで、僕のクルマは思っていたようなスピードが得られなかった……」と説明する。レイホールは9番手、フェルッチは12番手で予選を通過していた。

 前日のレースのように、予選16番手から4位まで浮上できるのなら、今日のレースも可能性はなくはないだろう。予選20番手からいきなり優勝を狙う言われたら、広げた風呂敷が大きすぎるが、トップ6を狙うと言われれば、チャレンジングな姿勢は見える。

 琢磨は「今日もレッドタイヤでスタートしますけど、後は流れに任せます(笑)」と、飄々としていた。荒れるストリートコースで、チームがいかに臨機応変に戦略を立てるかが鍵だろう。

 そして早速スタート直後に、そのシチュエーションになった。


 スタートでポジションをふたつ上げた琢磨だったが、その直後にターン3でマックス・チルトン(カーリン)がクラッシュしイエローコーションに。チームはすぐさま琢磨をピットに呼び寄せて、レッドからブラックにタイヤをチャンジしたのだった。前日のレッドタイヤで引っ張る作戦とは、180度作戦が違った。

「あそこでブラックにしたのは良かったと思います。レッドのデグラデーションを避けて変則的な3ストップに変更しました」

 琢磨と似たような作戦をエリクソンも取っていた。ブラックにしてからペースの上がった琢磨は、20周目に上位陣がピットに入る頃には4番手まで浮上していたのである。

 26周目に自らもピットに入って、コースに戻った直後は15番手からの追い上げになった。目前にいたエリクソンを追うようにして走った琢磨だが、エリクソンとの差は徐々に開き、琢磨はリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)の後ろで彼を抜きあぐねた。


 琢磨は「僕が抜こうとしようとする場所で彼が速くて、なかなか抜けなかった。その後ろでかなり時間を損してしまいました」と振り返る。

 46周目に最後のピットインをして、コースに戻った時には12番手に。

 レース終盤には2度のイエローコーションが出たが、58周目のグリーンフラッグではポジションをふたつ上げて10番手となる。さらにロマン・グロージャン(デイル・コイン)のクラッシュで再度イエローコーションとなり、再びポジションアップを狙うもターン3でややオーバーシュートしてしまい、今度はふたつポジションを落とす結果となってしまった。

「最後はちょっと行き過ぎてしまって路面の汚いところに入ってしまい、ポジションを落としてしまいました。一度タイヤが汚れてしまうと、グリップが戻るまで2ラップくらいかかって、どうにもならなかった」と琢磨。

 トップはジョゼフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)とパト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)が熾烈なバトルを繰り広げ場内は大歓声に包まれていたが、琢磨はその歓声の中を12I位でチェッカーを受けた。

「今日は昨日ほどうまくはいきませんでしたね。本来ならグラハムの位置(5位)にいきたかった。エリクソンの後ろにいても、彼に離されてしまったし……。でも今回チームとしては3台しっかり完走できたし、次のナッシュビルや最終戦のロングビーチに向けて良いデータは収集できたと思います」

 ここで16戦中8戦を終了(トロントの代替レースは未定)。琢磨はランキング10位。トップ6に2回入っているが、ここからどこまで挽回できるだろうか?

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