ユンカーは絶賛爆発中!“大物”も多数来日した「北欧出身Jリーガー」を振り返る

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2021年06月14日 18:00  AERA dot.

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写真清水でプレーしたユングベリ(写真/gettyimages)
清水でプレーしたユングベリ(写真/gettyimages)
 抜群のポジショニングからの冷静なフィニッシュ――。今季、浦和レッズに新加入したデンマーク出身のFWキャスパー・ユンカーが、5月9日のリーグ戦デビューから4試合連続5ゴールの大活躍を見せた。初夏のJ1を舞台に“美しき北欧旋風”を巻き起こしている。ここで改めて刮目したいのが、北欧出身のJリーガーたち。過去、人数こそ多くはないが、個性豊かな実力者たちが来日していた。

 日本でプレーしたデンマークの英雄と言えば、ミカエル・ラウドルップだ。ラツィオ、ユベントスの後、クライフ監督率いるバルセロナの「ドリームチーム」の中心として活躍し、移籍したレアル・マドリードでも優勝に貢献。代表チームでは弟ブライアンとの「ラウドルップ兄弟」として名声を博した。この世界的名手が1996年夏に「少し落ち着いた環境でプレーしたかった」と当時JFLのヴィッセル神戸に入団。8月のデビュー戦での2ゴールを皮切りに、卓越したテクニックから一級品のプレーを随所で披露し、リーグ戦12試合5ゴールの活躍を見せてJ昇格に貢献した。

 だが、翌97年は4月に負傷離脱すると、そのまま復帰することなく退団。在籍1年で、カップ戦を除くとJリーグでは出場3試合のみという期待外れの結果となった。ただ、ラウドルップのプレーに学んだ永島昭浩が同年22ゴールをマークするなど周囲への影響力は大きく、彼に憧れていたイニエスタが20年以上の時を経た今、神戸でプレーしているという因果を考えると、改めて感謝すべきだろう。

 もう一人の大物が、フレドリック・ユングベリだ。豊富な運動力と抜群の切れ味、強い推進力でピッチを切り裂くアタッカー。プレミアリーグ無敗を成し遂げたアーセナル「インヴィンシブルズ」の一員であり、スウェーデン代表として3度の欧州選手権と2度のW杯に出場した男だ。2011年8月に清水エスパルスと契約を結び、「3.11の被災者の方々を勇気づけたい」と日本でのプレー決意して来日した。

 当時34歳という年齢の中でなかなかコンディション調整に苦しんだ中、「シンジとはやりたいサッカーが一緒」と小野伸二とのダブル司令塔で出場した10月2日の名古屋戦では、シュート数「23本対4本」と圧倒しての2対0快勝劇を演出したが、その後はサポーターが期待するようなプレーは見せられず。同年12月の天皇杯で左太腿を負傷して母国へ戻ると、そのまま戻って来ることはなく、翌年2月に「双方違ったビジョンで戦う」とクラブとの契約解除についてコメントした。約4カ月の日本滞在で、リーグ戦出場8試合のみで日本を去った。

 この2人の世界的スターに加え、ノルウェー代表DFトーレ・ペデルセン(サンフレッチェ広島:1994、95年)、デンマーク代表MFブライアン・ニールセン(浦和レッズ:1996年)といった選手たちもJリーグで満足な結果を残せなかった一方、確かな活躍を披露したのが、ノルウェー代表のFWフローデ・ヨンセンだ。2006年夏、名古屋と契約して32歳で来日すると、Jデビュー戦での2得点を皮切りに高い得点能力を発揮して3年連続2ケタ得点をマーク。2009年からは清水に移籍し、岡崎慎司との名コンビを確立してチームを上位に押し上げた。

 最終的に日本で5年間プレーし、186センチの長身を生かしたポストプレーでチャンスメークをしながら、時に力強く、時に華麗にゴールを奪い続け、J通算143試合52得点という優れた数字を残した。また、ピッチ内外で常に献身的で紳士的な振る舞いを見せ、チームメイト、サポーター問わず、誰からも愛された。2010年限りで日本を去ったが、その後41歳まで現役を続け、2014年にはノルウェーリーグで自身通算3度目の得点王に輝き、39歳で代表チームにも再招集されるなど、息の長い選手でもあった。

 その他、2016年から日本で4年間プレーしたスウェーデン出身のFWロビン・シモビッチも活躍したと言える。2016年に名古屋グランパスに加入すると、身長199センチの長身を生かしたプレーで計11ゴールをマーク。チームがJ2降格となった翌2017年もチームの得点源として存在感を見せてリーグ戦40試合で18ゴール。2018年からは大宮アルディージャでプレーし、日本での4年間でJ1通算29試合11ゴール、J2通算93試合32ゴールを記録した。

 さらにその“上”を行ったのが、身長204センチの世界最長身FWと言われたノルウェー出身のトル・オーロイだ。2011年にジェフ千葉に加入すると、「(日本には)自分の体型にあった洋服がない」と嘆きながらも、ピッチ上では圧倒的な高さで制空権を奪い、在籍2年間でリーグ戦35試合出場6ゴールを記録。途中、右膝を痛めて長期離脱した時期があり、FWとしては得点数に物足りなさも感じたが、ハマった時の“戦術オーロイ”は誰も止められなかった。

 そして現役Jリーガーでは、元スウェーデン代表のDFエミル・サロモンソン(アビスパ福岡)が来日3年目を迎えており、右サイドから高精度のクロスを幾度となく前線に送り込んで活躍中。来日6年目のノルウェー出身のFWイバ(大宮アルディージャ)は、横浜FC時代の2017年にJ2得点王に輝き、昨季までJ2通算169試合79ゴールをマークしている。

 来日2年目のFWタリク・エルユヌシ(湘南ベルマーレ)はノルウェー代表の経歴を持つ。さらにデンマーク人DFアレクサンダー・ショルツが新たに浦和レッズと契約。このショルツにユンカーを加えると、同時に5人の北欧出身選手がJリーグに在籍することになる。日本人に通じる献身性と日本人にはない圧倒的な高さと洗練された強さ。雑貨・インテリア業界では北欧ブランドがすっかり定着しているが、Jリーグは今、過去最大級の“北欧ブーム”が到来中だと言える。







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