最速154キロ右腕は「1位指名」確実? 大学生で今年のドラフトを賑わすのは誰だ

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2021年06月14日 18:00  AERA dot.

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写真ドラフト1位指名の可能性もある東北福祉大の椋木蓮(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)
ドラフト1位指名の可能性もある東北福祉大の椋木蓮(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)
 慶応大の34年ぶり4回目の優勝で幕を閉じた全日本大学野球選手権。昨年の早川隆久(早稲田大→楽天)、佐藤輝明(近畿大→阪神)のような複数球団競合確実な目玉選手は不在で、プロのスカウト陣からも候補が少ないという声も多かったが、それでも将来が楽しみな選手は決して少なくなかった。今回はそんな大学選手権で存在感を示したドラフト候補をピックアップして紹介したいと思う。

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 まず投手で最も評価を上げたのは隅田知一郎(西日本工大)になるだろう。大会初日に上武大に0対1で敗れて早々に姿を消したが、それでも8回を投げて被安打わずかに4、14奪三振と圧巻のピッチングを見せた。ストレートのアベレージは140キロ台前半から中盤程度で、驚くようなスピードがあるわけではないが、しっかりとコーナーに投げ分ける制球力があり、ここ一番でギアを上げられるのも大きな長所だ。打者の手元で鋭く変化するスライダー、ブレーキ抜群のチェンジアップとスプリットと決め球として使える変化球も多く、更に緩いカーブで緩急をつけることもできる。総合力の高いサウスポーだけに、2位以内で指名される可能性は高いだろう。

 左投手でもう一人高い注目を浴びたのが黒原拓未(関西学院大)だ。1回戦の松山大戦では7回を投げて1失点、8奪三振と見事な投球でチームの勝利に貢献。準々決勝の慶応大戦では5回4失点で負け投手となったが、自責点は2と決して大きく崩れたわけではない。ストレートはコンスタントに145キロを超え、173cmという上背以上にボールの角度があるのも魅力。変化球は隅田に比べると少し不安定な印象だが、上手く抜けた時のチェンジアップは空振りを奪えるだけのブレーキがあった。どちらかというと短いイニングの方が持ち味が生きるように見え、リリーフに専念すれば高橋聡文(元中日)のようなタイプとして大成しそうな雰囲気がある。こちらも貴重な左腕だけに、獲得を狙う球団は多いだろう。

 この2人以上に高い評価になることが予想されるのが右腕の椋木蓮(東北福祉大)だ。リーグ戦の終盤で調子を落とし、大学選手権では先発を回避したものの、リリーフで最速154キロをマークして改めてポテンシャルの高さを見せた。短いイニングであればストレートはほとんどが150キロを超え、球持ちも長いため低めのボールも勢いが落ちることがない。140キロを超えるカットボールと、少しスピードを落としたスライダーもしっかりコントロールすることができており、制球力の高さも光る。昨年秋は抑えで抜群の成績を残しており、リリーフであれば即戦力としても期待ができる。大学生の右投手では総合的に見てナンバーワンと言える存在で、1位の12人に入ってくる可能性は高い。

 野手で最も高い評価を受けそうなのが優勝した慶応大の4番、正木智也だ。最初の2試合はノーヒットだったものの、準決勝と決勝ではいずれも先制のツーランを放つ活躍を見せ、MVPを獲得した。軽々とスタンド中段へ運ぶパワーは間違いなく大学球界ナンバーワンであり、カウントや場面によって軽打狙いに変えられるところも長所。左足を高く上げ、バットのヘッドも中に入るフォームだが、タイミングの取り方がゆったりとして、以前よりもボールを長く見ることができるようになった。守備と走塁に関しては目立つところがなく、打撃に特化した選手ではあるが、貴重な長距離砲だけに強打者タイプの不足している球団が上位で狙う可能性は十分にありそうだ。

 野手でもう一人強いインパクトを残したのがブライト健太(上武大)だ。昨年まではリーグ戦通算0安打で、レギュラーとなったのはこの春からだが、いきなり3本塁打12打点の大活躍でMVPを受賞。今大会でも初戦で隅田から値千金の一発を放つと、準々決勝の東農大北海道オホーツク戦でも打った瞬間に分かるホームランをレフトスタンド中段へ叩き込んで見せた。少しステップが淡白なのは課題だが、無駄なバットの動きがなく、シンプルな動作で強く振り切ることができている。守備では一歩目のスタート、走塁も判断などに経験不足を感じる面はあったものの、基本的な運動能力の高さがあるのも魅力だ。実績がこの春だけというところを本人とプロがどう判断するかというのは気になるところだが、今大会で最も評価を上げた野手であることは間違いないだろう。

 その他に投手では森田晃介(慶応大)、山本晃大(関西学院大)、野手では古間木大登(東農大北海道オホーツク・捕手)、佐藤大雅(富士大・捕手)、福井章吾(慶応大・捕手)、福永奨(国学院大・捕手)、山城響(富士大・二塁手)、永江大樹(福岡大・遊撃手)、渡部遼人(慶応大・外野手)、佐藤勇斗(福井工大・外野手)、井上絢登(福岡大・外野手)なども印象に残るプレーを見せた。今年はドラフト会議の開催が10月11日と例年より早く、残るアピールの場も限られてくるが、秋には更に素晴らしいプレーを見せてくれることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員













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  • 今年の大学生はちょっと文句なし1位のレベルがいないよね…どうも筑波大学の151km左腕佐藤隼輔くんはフォーム修正かで140出るかどうかまで球速下がってて1位候補には遠いし… https://mixi.at/a9UYspT
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