35歳、貯蓄50万円。老後を暮らすマンションは買える?

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2021年06月14日 20:11  All About

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写真皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、マンション購入を希望する独身の女性会社員の方。家計コンサルタントの八ツ井慶子さんが担当します。
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、マンション購入を希望する独身の女性会社員の方。家計コンサルタントの八ツ井慶子さんが担当します。

1200万円のマンション、40歳での購入は可能?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回の相談者は、マンション購入を希望する独身の女性会社員の方。家計コンサルタントの八ツ井慶子さんが担当します。

相談者

江口弥生さん(仮名)
女性/会社員/35歳
東京都/賃貸住宅

家族構成

独身、一人暮らし

相談内容

毎月貯蓄ができません。毎月給料から天引きで1万円と、その他に500円玉貯金で月1万5000円くらい貯まりますが、こちらは不安定なのでカウントしていません。副業も禁止されており、収入アップは難しいです。

40歳までに、1200万円の中古マンションを10〜15年ローンで購入したいと思っています。今後、どのように貯金額を増やして住宅購入の準備をしたらよいでしょうか。

家計収支データ

江口弥生さんの家計収支データは図表のとおりです。
「江口弥生さん」の家計収支データ


家計収支データ補足

(1)「趣味娯楽費4万円」の内訳
旅行、映画、他交際費など。

(2)保険料の内訳
・終身(終身払い、500万円)=保険料:5200円 
・医療(終身タイプ終身払い、入院5000円)=保険料:1800円
・がん(終身タイプ終身払い、診断一時金100万円、入院5000円)=保険料:2000円 

(3)マンションについて
1200万円前後で2DK(30平米)ぐらいのマンションの購入を検討。しかし、両親が他界しており身寄りがいないので、賃貸で定年まで暮らしつつ、有料老人ホームの資金を貯めたほうが良いのか……?とも悩んでいる。

(4)仕事について
仕事は印刷業の営業事務。現在は勤続希望ですが、昨今のペーパレス化に伴う業績悪化も否めないので、転職も視野には入れている。定年は60歳で勤務形態変更での雇用延長はなし。

(5)結婚について
予定なし。

家計コンサルタントの八ツ井慶子からの3つのアドバイス

アドバイス1:住宅はランニングコストを考慮 しよう
アドバイス2:希望物件の見直しも検討したい
アドバイス3:500円玉貯金は先取り貯蓄に切り替える

アドバイス1:住宅はランニングコストを考慮しよう

まずはマンション購入について、希望されているプランで住宅ローンを組むと、家計はどうなるのか、試算してみましょう。物件価格1200万円を40歳までに購入ですから、最長で5年後。毎月の貯蓄を2万5000円とすると、5年後には150万円となり、貯蓄総額は200万円。

購入時には、諸経費(印紙代、登記手数料、引越し代、中古物件であれば仲介手数料など)が発生しますので、それを100万円。また、手元にもある程度資金を残す必要がありますから、結果的に物件価格のほぼ全額が借り入れとなります。

希望されるローンの返済期間は10〜15年。仮に15年、全期間固定の金利1.35%で借り入れると、毎月の返済額は約7万4000円。加えて、固定資産税やマンションであれば、管理費などが発生します。それらが月割りで2万〜3万円とすれば、毎月のランニングコストは10万円ほど。

現在の家賃が6万円ですから、今より4万円超の支出増。ローンの支払い開始と同時に赤字家計に陥ります。すなわち、現状では5年後に1200万円のマンション購入は大変リスクが高いと言わざるを得ません。

アドバイス2:希望物件の見直しも検討したい

解決策としては、まず貯蓄ペースを上げる必要があります。家計を拝見する限り、趣味娯楽費と通信費が若干高めという気がします。

趣味やレジャーが生活に欠かせないものだということはわかります。ということは、住宅購入や自身の老後と今の楽しみを天秤にかけ、冷静に検討する必要ありという状況であるのは事実。

もちろん、すべてをカットする必要はありません。支出を下げても楽しめる、そんな工夫が大事になってくると思います。

もうひとつは、物件価格を下げるということ。都内や立地のいいところにこだわらなければ、可能なはず。

また今後、住宅はさらに供給過剰になり、家が余る傾向にあります。通勤などを考えれば購入エリアはある程度限られるでしょうが、検討する価値は十分にあると思いますよ。

たとえば、収入は現状維持で推移したとして、毎月5万円、年間60万円貯蓄すれば300万円。物件価格800万円に対して頭金200万円を入れて、残り600万円を先と同じ条件で借り入れると、毎月の返済は約3万7000円。その他ランニングコストを加えても、ほぼ現在の家賃程度に住宅の支出は収まることになります。

アドバイス3:500円玉貯金は先取り貯蓄に切り替える

また、ずっと賃貸に済み続け、老後は有料老人ホームとしたほうが得策かについては、一概にはどちらがいいとは言えません。

ただ言えることは、ずっと賃貸であっても、現状のままでは、60歳までの25年間に貯められる額は750万円。有料老人ホームの費用はいろいろですが、準備資金としては心もとないでしょう。

ご相談者のケースでは、何年後にマンションを買う、賃貸に済み続け老人ホームに入居するとまだ決めつけないほうがいいのではないでしょうか。

まだまだ時間はあります。転職の可能性もあるのですから、今は将来の備えである貯蓄に励むことを最優先にされてはどうでしょう。

それと、500円玉貯金をされていることについて、これはご本人も言われるとおり「不安定」な貯蓄です。その日、財布に500円玉がなければ貯蓄しなくていいという、いわば逃げ道があります。

不安定だからカウントしないのではなく、あえてカウントする貯蓄に格上げしてみては。月に平均1万5000円くらいのペースで貯まるのであれば、事前に同額を自動振替定期などの先取り貯蓄で確実に積み立ててみましょう。その上で、さらに500円玉貯金ができれば、自然と貯蓄率も上がりますよ。

教えてくれたのは……八ツ井慶子さん

家計コンサルタント。大学卒業後、大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立し、テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める

取材・文:清水京武
(文:あるじゃん 編集部)

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