国際的な乳児売買組織の闇 実際に起きた事件を基にした映画『名もなき歌』

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2021年06月14日 23:13  ORICON NEWS

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写真ペルー出身の新鋭女性監督による現代社会のさまざまな問題を浮き彫りにした野心作『名もなき歌』7月31日よりユーロスペースほか全国で順次公開 (C)Luxbox-Cancion Sin Nombre
ペルー出身の新鋭女性監督による現代社会のさまざまな問題を浮き彫りにした野心作『名もなき歌』7月31日よりユーロスペースほか全国で順次公開 (C)Luxbox-Cancion Sin Nombre
 『第72回アカデミー賞』(2020年)国際映画賞ペルー代表に選ばれた、ペルー出身の女性監督、メリーナ・レオンの長編デビュー作品『名もなき歌』が、7月31日よりユーロスペース(東京)ほか全国で順次公開されることが決定した。

【動画】映画『名もなき歌』予告編

 1988年、政情不安に揺れる南米ペルー。貧しい生活を送る先住民の女性、20才のヘオルヒナは、妊婦に無償医療を提供する財団の存在を知り、首都リマの小さなクリニックを受診する。数日後、陣痛が始まり、再度クリニックを訪れたへオルヒナは、無事女児を出産。

 しかし、その手に一度も我が子を抱くこともなく院外へ閉め出され、赤ん坊は何者かに奪い去られてしまう。夫と共に警察や裁判所に訴え出るが、有権者番号を持たない夫婦は取り合ってもらえない。新聞社に押しかけ、泣きながら窮状を訴えるヘオルヒナから事情を聞いた記者ペドロは、事件を追って、権力の背後に見え隠れする国際的な乳児売買組織の闇へと足を踏み入れるが――。

 本作は、かつて新聞記者だったメリーナの父が追った、実際に起きた事件に基づいて作られた。赤ん坊を奪われた母親の悲哀と絶望、そして、孤独な新聞記者が内に秘めた苦悩と使命感を描いたこの作品は、貧困と格差、人身売買、民族差別とジェンダー差別、全体主義とテロリズムといった社会問題をも浮き彫りにし、それらが今の時代においても何ら変わっていないことを静かに提示してみせた野心作だ。

 2019年カンヌ国際映画祭・監督週間で注目を集め、以来世界十数ヶ国の映画祭において作品賞ほか32部門で受賞。2020年アカデミー賞・国際長編映画部門ではペルー代表に選ばれ、ノミネートは逸したものの、その抑制を利かせた演出スタイル、モノクロ×スタンダードの画面に際立つヴィジュアル・センスは、新たな才能の誕生を実感させる。

■公式サイト
http://namonaki.arc-films.co.jp/


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