日本代表のセットプレーをスペインの名指導者が絶賛。「準備が実った」

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2021年06月15日 06:31  webスポルティーバ

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「連戦が続く中、森保一監督はメンバーを変更しながら、チームとしてのバランスを保った戦いをしている。各ラインがうまく連係し、攻守にわたって戦術システムを運用できている」

 スペインサッカー界の賢人、ミケル・エチャリはそう言って、日本代表がセルビアを1−0で下したゲームを高く評価した。

 エチャリは旧ユーゴスラビアのサッカー関係者と親しい。イビチャ・オシムがオーストリアのシュトルム・グラーツを率いていた時代には、サッカー談義に花を咲かせたという。レアル・ソシエダの強化部長時代は、レッドスター・ベオグラードやパルチザン・ベオグラードという強豪の選手たちは常に獲得リストに入っていた。

「8番の(ネマニャ・)グデリは、所属するセビージャではボランチ、アンカーとディフェンシブな仕事をしている。その彼が右ウイングバックの位置でスタートしたことは、おそらく守備システムの運用のため。後半は選手交代によって、本来のポジションへ移った。その変化は、セルビアの戦い方と展開を象徴しているかもしれない」

 エチャリは中立的な視点で、森保ジャパンの戦いを解き明かした――。




「日本はメンバーを変更しつつも、いつもの4−2−3−1を採用している。丁寧なビルドアップをする一方、古橋亨梧と伊東純也という走力のある2人に裏を狙わせるボールを送った。ボランチは基本的に守田英正がバックラインに近く、橋本拳人が少し前目で、お互いが高さを変え、ポジション的優位を作っていた。また、左の南野拓実は少しインサイドにポジションを取って、トップ下の鎌田大地と連係してボールを引き出し、相手を押し込んだ。

 セルビアは3−4−2−1のシステムで挑んできたが、自然と5−4−1で守らざるを得なくなった。日本の前線からのプレスに苦しみ、カウンターもできない。前線が孤立し、受け身に回っている。

 決定機が作れなかっただけに、『日本の攻撃はうまくいっていない』という印象を抱いたかもしれない。

 しかし、守りに入った相手は徐々に崩すのが定石である。奥深くまで崩せるシーンはなかったが、日本は攻守のバランスを保っていた。戦術的に見た場合、焦って軽率にバランスを壊すようなプレーをしなかった判断を称えたい。

 セルビアは縦一本で崩そうと狙ってきたが、日本のディフェンスは高い強度で対応していた。バックラインでは植田直通に少し危ないクリアがあったものの、空中戦の強さを披露。また、谷口彰悟は食いつかれるパスもあったが、目をひいた選手で、すばらしい予測で相手を潰していた。いい守備がいい攻撃につながる勝利へのプロセスにあったと言えるだろう」

 エチャリは前半の出来に関して独自の見解を示している。そして後半3分、必然とも言えるゴールが決まった。

「後半は、交代出場のFWオナイウ阿道に長いボールが入るようになった。それがプレーに奥行きを与える。サイドバックも攻め上がれるようになっていった。

 そのおかげで勝ち取った右CK。鎌田が右足で蹴った弾道の速いボールを、ニアで谷口が最初に頭でコンタクトしてファーに流し、マークを外して飛び込んだ伊東が右足でゴールを叩き込む。率直に言って、計算されたすばらしいゴールだった。

 セットプレーはひとつの戦術で、練習の成果が見られるものだが、これまで日本はいいキッカーがいながら、単純にハイボールを蹴ってクリアされることも少なくなかった。この連載レポートでも、ショートコーナーにするなどの改善点を指摘してきた。それだけに、今回はこの形での決勝点に手放しの拍手を送りたい」

 エチャリは森保ジャパン発足時から、セットプレーに関しての指摘をしてきた。

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「セルビアとしては、前がかりになった日本の裏を狙いたかっただろう。しかし、日本の強度の高いプレッシングに苦しみ、ほとんど自陣から出られない。疲れからか、プレー精度が低く、リズムも遅かった。

 日本は攻守両面で相手をリードしている。伊東の存在は象徴的だろう。守備を怠らず、献身的に戻って、前に飛び出すこともできた。

 後半19分、カウンターから右サイドを駆け抜け、奥深くまで侵入すると、逆サイドを走っていたオナイウにクロスを流し込み、ネットを揺らした。オナイウがわずかに前に出るのが早く、オフサイドの判定で取り消されたが、伊東は右サイドで主導権を握っていた。

 また、南野、鎌田の2人によるコンビプレーには、知性を感じた。この試合のメモを見返すと、2人の名前が一番多く出てくる。戦術と技術が融合したプレーができるプレーヤーだ」

 エチャリはそう称賛し、次のキルギス戦に向けても激励のメッセージを送っている。

「セットプレーからのゴールは、練習の成果と言えるだろう。日本は人材がいるだけに、まだまだこの形で得点を増やせるはずだ。準備のひとつが実ったことを、まずは祝福したい」

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