「父親は大黒柱」通用しなくなったのはいつ?世論調査でたどってみた 30年前かろうじてあった威厳も…

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2021年06月15日 07:00  ウィズニュース

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写真父の日のメッセージが書かれた氷と永明=2020年6月17日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド、大野宏撮影、朝日新聞
父の日のメッセージが書かれた氷と永明=2020年6月17日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド、大野宏撮影、朝日新聞

6月20日は「父の日」です。5月の「母の日」に比べると、やや影の薄い印象もある「父の日」。「お父さん」の家庭における存在感は、どうなっているのでしょうか。父の背中を思い浮かべながら、世論調査で振り返ってみます。(朝日新聞記者・植木映子)

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父親が「大黒柱」だった頃
「父親っていうのは大黒柱だろ!」

日曜夜のテレビドラマ「ドラゴン桜」で、阿部寛さん演じる主人公・桜木の一喝です。「女に学歴は必要ない」と、娘の東大受験に反対する父親を説得する一コマでした。

この「大黒柱」発言をきいて、「今もそういうセリフが通用するんだ……」と少し感慨深い気持ちになりました。

父親が家庭の中心であることが当然、と思われていた時代は、確かにありました。

今から30年前、1991年12月に朝日新聞社が行った面接世論調査で、「いま、父親は、家庭のなかで大黒柱のような存在だ、と思いますか」という質問をしています。「大黒柱だと思う」人は68%で、「そうは思わない」29%を大きく上回りました。
女性の方が父親を「大黒柱」と思う人が多く、72%。男性は63%でした。

同じ調査で、いまの男性は「しっかりしている」25%に対し、「頼りない」が61%だったこともあってか、当時の記事では「実際はともかく、そうあって欲しい、という女性の願望も含まれた数値か」と分析しています。

1999年3月の面接調査で同じ質問をした際も、「大黒柱だと思う」66%、「そうは思わない」29%とほぼ同じ傾向でした。

「あなたのお宅は、だれを中心に動いていると感じますか」と聞くと、「父(夫)」が58%で、「子ども(孫)」15%、「母(妻)」14%、「祖父」4%、「祖母」1%を圧倒していました。

お母さんの方が大変
1990年代、筆者は未成年でした。父はサラリーマン、母は専業主婦。

当時、「父親は大黒柱」と意識しないまでも、大学進学など大きなお金が動く場面では、「最終承認者」くらいには思っていたような気がします。ちょくちょく相談はしないけれど、最後に反対されると面倒くさい。会社勤めの今で言うと、「ちょっと上の方の偉い人」。

2000年代に入ると、結婚した姉たちは「お母さんの大変さがわかった」と母への感謝を新たにします。勤め人になった筆者が「働くのも割と大変だけども」と、やんわり父の擁護を試みると、「子育てのほうが大変だし!」と秒殺されました。

「お父さんの大変さがわかったよ」とは、あまり聞かない気がします。筆者には、女きょうだいしかいませんが、家庭をもつ男性は言っているのでしょうか。言わないまでも、思ってはいるのでしょうか。

2000年代の世論調査では、父親の存在感の揺らぎが見られます。

2002年12月の面接調査で「一般的にみて、今の家庭で、父親は中心的な存在だと思いますか」と尋ねると、「父親は中心的な存在」は40%にとどまり、「そうは思わない」が56%と半数を超えました。

40代男性の67%が「そうは思わない」と答えるなど、男性では父親世代にあたる40〜60代で否定的な答えが目立ちました。女性では、若年層ほど否定的な傾向があり、娘世代の20代は7割以上が「そうは思わない」と答えました。

働くだけじゃダメ
夫婦の役割をめぐる考え方の変化も背景にあるようです。

「仕事は男性、家事や育児は女性」という役割分担について、2002年の調査では「賛成」は37%、「反対」53%という結果でした。

父親が「大黒柱」だった1991年12月調査では「賛成」55%、「反対」37%だったので、10年余の間に逆転したことになります。

2018年11〜12月の郵送調査でも「夫が主に働いて生活費を稼ぎ、妻が主に家事や子育てをする方がよい」と思う人は32%にとどまり、「そうは思わない」62%が大きく上回りました。

この調査で「男性が育児休業を取るのが当たり前の社会になる方がよい」と思う人は69%に達しています。

働いて一家を支える、という役割が、男性である父親だけのものではなくなった――。

それに加えて、家計を支える「ちょっと偉い人」として、最後に口を出すだけでは、一目置かれなくなり、子育ても家事もきちんとこなさないことには、認められない時代になってきたようです。

筆者の父は、家事をまったくしませんでした。電子レンジの使い方すら「要点をメモにしてくれないとわからない」。半分嫌みで「スタートボタンを押す」という1行メモを渡しても、結局は使いませんでした。

ストレスフルな仕事を頑張ったのに、母親ほどにはリスペクトされなかった父。子どもだけでなく、3匹の飼い猫も全てメスで、肩身が狭かっただろう父。「女に学歴は必要ない」とはもちろん言わず、大学受験を応援してくれた父。

今はもう鬼籍に入ってしまい、父の心中は想像することしかできません。が、こうして話のネタになるエピソードを残してくれてありがとう、と父の日を前に思うのでした。

このニュースに関するつぶやき

  • 「父親は大黒柱」通用しなくなったのはいつ? (ウィズニュース - 06/15 07:00) 大正生まれでタイで戦争終わって開拓で土地を切り開いた爺ちゃんが大黒柱っぽいのをかろうじて見られた私、それよりも若いもんはもう見られないかもなあ。
    • イイネ!1
    • コメント 0件
  • 今でも大黒柱は男だと思います。家庭においても社会的にも大きな責任は持っていると思います。
    • イイネ!17
    • コメント 1件

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