ないけんぼーいずが教える不動産のウソとホント 第2回 「仲介手数料無料」の仕組みとは

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2021年06月15日 10:41  マイナビニュース

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不動産屋のメインの収入源になる仲介手数料。売主、買主、不動産屋が三方良しになる「仲介手数料無料」のケースがなぜ起きるのかを解説してきました。

▼前回の記事はこちら
仲介手数料は安いほうがいい?

チラシなどの広告で「仲介手数料無料」と謳ってあると、お得な不動産屋のように見えますがデメリットはないのでしょうか。こうした業者を利用する際の注意点と合わせて説明します。

※今回も賃貸ではなく、売買を検討するときの仲介手数料に関しての情報になります。

■すべての物件が手数料無料とは限らない

まずは前回の記事で触れた、両手取引の場合です。この場合はお伝えした通り「三方良し」の状況になるため、この状況になった場合であれば基本的にラッキーだと思っていただいて良いと思います。ただし、この場合の注意点は「両手取引になる物件だけの紹介になっていないか?」というところになります。

両手取引になる物件は売主側、買主側の両方を抑えている必要があります。つまり、売主・買主が限定されてしまうため、売主側からすれば買主が限定されることでもっと安価に買ってくれる可能性を潰してしまったり、買主側からすれば売主が限定されることで選択できる物件が限られたりします。

実際の売主・買主の方は不動産屋(仲介業者)経由で売買先を探すので、どれくらいの問い合わせが実際来ているのか? どれくらいの金額で交渉が入っているのか? を明確に確認することが難しいため、不動産屋が抑えている売主・買主のみの紹介になっていたとしても、不動産屋から言われなければ分からないという状況になる可能性があるのです。

さらには、最初から「仲介手数料無料」と謳っている場合は、裏を返せば「私達(不動産屋)が抑えている売主・買主が希望する物件であれば、両手取引になるので仲介手数料無料で対応できます。なので、その物件から選んでもらう前提で仲介手数料を無料にします」と読み替えていただいても良いでしょう。すぐに売却・購入が決まりそうな物件であれば、わざわざ「仲介手数料無料」にすることもないので、比較的決まりづらそうな物件のみになってしまうという可能性もありえます。

仲介手数料を払ったとしても、より広く売主・買主を集った場合に、交渉により物件価格を高値で売却したり、安値で購入したりすることができるかもしれないため、確実に「仲介手数料無料」の方が安くなるとは言えなくなるのです。

もちろん、聞けば明確に状況を教えてくれたり、条件として初めに「抑えている物件から選べばですよ」と言ってもらえたりする可能性もありますし、提示された中でピッタリの条件のものが見つかればハッピーだと思いますので、「そういうことも起こりうる」と覚えておいていただければと思います。

■サービスの低下

仲介手数料は「物件の紹介や現地案内」「契約のための交渉・書類作成など」といった不動産屋の仕事に対する対価(成功報酬)になります。

不動産屋は複数の案件を並行して動きながら対応しています。どうしても優先順位をつけて対応しなければならない状況になってしまう可能性もありますし、営業の方も人間なので、意図はしていなくとも対応に違いがでてしまう可能性もありえます。

もちろん大切なお客様に不躾な対応をすることはほぼありえないと思いますが、不動産選びのプロとして信頼できるか、サービスに違和感を覚える点はないか、というのは注意をしていただいたほうが良いかと思います。

「出てくる物件数が明らかに少ない」「質問をしてもまっとうな回答が返ってこない」「交渉をする前から諦めている」など、対応の悪い営業としてよく話に上がっていたので、このあたりはポイントになるかもしれません。
■別の名目で請求されているかもしれない

基本的に相場感や不動産取引に関わる諸費用を把握していれば起きづらいことにはなりますが、物件価格への上乗せや普通であれば必要のない諸費用項目として仲介手数料が請求されている場合があります。

前回の記事でも紹介しましたが、下記のように不動産取引に関わる諸費用は聞き慣れないものが多くでてきます。

・登記費用・登録免許税
・印紙代
・固定資産税
・住宅ローン手数料
・火災保険
・不動産取得税
・消費税

ここに「宣伝費」「その他費用」「交渉費」だったりと名目を変えて取引時に請求をすることがあります。正直、この方法はあくどいので実施するような不動産屋はほとんどいないとは思いますが、やはり全くの無知だったりするとこういったケースで足をすくわれることも考えられるので、契約の前に十分調べてから進めるようにしましょう。

物件価格は相場を把握して自分で納得できる金額感なのかを調べることが大切ですし、その他諸費用に関しては、どういった項目があるのかを把握していれば、別の名目があった際にすぐ気がつけると思います。

不動産屋に細かくどの項目がどういった用途なのかを細かく確認してみても良いかもしれません。

■「仲介手数料無料」についてのまとめ

やはり仲介手数料は高額なので、無料になるのであればそれに越したことはありません。
今回ご紹介した「仲介手数料無料」のデメリットはあくまで「こういうこともありうるかも?」という内容になります。こういった可能性を知っておくと、「こういうことが裏側で起きたりしていないかな?」と考えてチェックすることができるようになると思うので、後悔することがないよう、しっかり情報を仕入れていただけるとよいかと思います。

ちなみに、私が不動産を購入している知人と話している経験談ですが、「信頼できる人から紹介された不動産屋」だから盲目的に信じるというのはまずやめたほうが良いです。正直な話、この記事でも紹介している通り、情報格差が当たり前になっている業界なので、「信頼できる人」が本当にメリット・デメリットをしっかりと理解してその不動産屋と取引をしていて、信じると言っているのかが分からないためです。

オススメは「自分が理解して判断できるための情報を用意してくれる不動産屋」であることです。

(経営者の知り合いから勧められた不動産屋、と言って割高な不動産を購入している人を何度も見ているので、経営者だから、などの情報に踊らされないようにしましょう)。

逆に言えば、不動産屋は仲介手数料のために、いろいろな対応をこなしながらその人にあった家を探すため頑張って動いているので、しっかりと動いていただけた方には執拗な値切り交渉はしないであげてください(笑)

ないけんぼーいずではYoutube・TikTok・Instagramなどで不動産に関わる情報を発信しています。分かりづらかったりブラックボックスの多い不動産業界に風穴を開けていきたいと思っているので、ぜひ確認してみてくださいね!

特に今回の記事で紹介したような不動産屋の裏側の話や、「こうやって言われてるけど大丈夫かなぁ」という不安について聞きたいなどがあれば、Instagramのメッセージで気軽にご相談にものれるのでよければチェックしてみてください!

ないけんぼーいず ないけんぼーいず 元不動産大手トップセールス、今は”家”フルエンサー。不動産業界のブラックボックスさに課題を感じ、SNSで正しい情報の身につけ方や不動産業界の裏側などの情報を配信。 その他にも、内見動画などで素敵物件紹介などを配信。(Tiktokは3カ月で3万フォロー達成)内見一緒に行ってくれる人も募集中、ぜひ見てね! Tiktok5万7,000フォロワー、Instagram6,000フォロワー突破、Youtubeも絶賛更新中! TikTok : naikenboys YouTube : ないけんぼーいず Instagram : naiken_boys この著者の記事一覧はこちら(ないけんぼーいず)

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