サプライズ招集はあるか…なでしこジャパン、東京五輪の最終メンバーはどうなる?

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2021年06月15日 18:00  AERA dot.

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写真鮫島彩の招集はあるのか? (c)朝日新聞社
鮫島彩の招集はあるのか? (c)朝日新聞社
 東京オリンピック本大会へ向けて、各競技とも代表権をかけた大会が行われている。なでしこジャパンも最終メンバーの発表を数日後に控えているが、その段階でも18名のリストを巡っては、百家争鳴している。

 現段階で「このチームのエースは?」と問われれば、岩渕真奈の名前を挙げるべきだろう。中2日のスケジュールで行われた4月のパラグアイ戦、パナマ戦、6月のウクライナ戦、メキシコ戦にすべて先発。攻撃の軸として指揮官が寄せる信頼度の高さとともに、コンディションの良さも感じさせる。

 ウクライナ戦では、相手ディフェンダーにハイプレスをかけてボールを奪い、塩越柚歩(三菱重工浦和レッズレディース)のゴールをお膳立てし、自身も2ゴールを加えた。メキシコ戦でも、35分、林穂之香(AIKフットボール)のパスを受けると、カバーに入ったDFを切り返しで軽くあしらっての先制弾。後半立ち上がりには、田中美南(バイヤー・レバークーゼン)のゴールを演出するなど、このゲームも1得点2アシストの数字を残した。

 ベスト16に終わった女子ワールドカップのフランス大会では、開幕前日、やや曇ったような表情も見られた。それに比べて意識までベクトルが共有されている今回は「現時点でのベスト。ここが MAX ではないので、今回の合宿、そして次の合宿と積み重ねるにつれて、もっともっといいチームにならなきゃいけないなと思っています」。自身だけでなく、本大会に向けたチームのプロセスにも、手ごたえを感じている様子だ。

 岩渕以外に2試合で先発したのは、主将の熊谷紗希(FCバイエルン・ミュンヘン)、中島依美(INAC神戸レオネッサ)、清水梨紗(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、長谷川唯(ACミラン)。「主力もターンオーバーは必要になってくる」という高倉監督だが、岩渕を含めた上記5人に、パナマ戦でハットトリックの菅澤優衣香(三菱重工浦和レッズレディース)、4戦連発中の籾木結花(OLレインFC)らを中心にローテーションは組まれるだろう。

 その一方で、18名枠は、混迷を極めている。実績の少なかった選手が、ここに来て持ち味を発揮し、「みんなが活躍して、私が悩むようになってほしい」という指揮官の言葉を、現実のものとしたからだ。塩越は、Aマッチデビュー戦で、いきなり2ゴール。メキシコ戦では、飛び級を続ける大器・木下桃香(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)も、難しいシュートを決めた。こうした状況を考えると、今回の合宿に集まった23名以外から、18名のリストに割って入る可能性は、極端に絞られてくる。

 数少ない逆転候補は、鮫島彩(大宮アルディージャVENTUS)か。今回の2連戦で、鮫島が主戦場とする左サイドバックは、宮川麻都、北村菜々美(以上日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)が出場。兼任するセンターバックでは熊谷のパートナーを、宝田沙織(ワシントン・スピリット)、土光真代(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、南萌華(三菱重工浦和レッズレディース)が務めた。個々の選手のデキは決して悪いものではなかったが、後ろのポジションだけに経験値は気になる。

 熊谷を除く6人のフル代表キャップ数は、全員を合わせても44。2年前の女子ワールドカップ・フランス大会では、宝田、南はピッチを踏んだが、宮川は不出場、土光、北村、高橋は選外だった。これに対して、鮫島のキャップ数は114。3回の女子ワールドカップ(2011、2015、2019年)と、ロンドン五輪に出場し、主力を務めてきたことはアドバンテージだ。

 高倉監督が、プレーと同じくらいに重視するオフの行動も、評価は高い。今季序盤は、やや出遅れた印象があったが、時間とともに動きは上昇曲線をたどっている。WEリーグのプレシーズンマッチ=ノジマステラ神奈川相模原戦では、左サイドで活発な上下動を繰り返し、復調ムードを漂わせていた。返り咲きがあっても驚けない。

 その他では、2年前の女子ワールドカップにも出場した小林里歌子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)や、長く競ってきた上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ)。長期間、つかず離れずの関係にある猶本光(三菱重工浦和レッズレディース)くらいに実績があり、チームコンセプトも理解している選手にのみ、挑戦権はあるはずだ。

 前提条件を取っ払い、プレシーズンマッチのパフォーマンスだけで考えるなら、宮澤ひなた(マイナビ仙台レディース)か。昨季までは東京NBで使われる役割だったが、移籍を機に、サイドから中央へポジションを移し、ゲームメイクも担当。対戦相手が浦和や東京NBなど強敵になるほど、躍動感を増すところも頼もしい。しかし、プレゼンの場がプレシーズンマッチだけだったというのはつらいところだ。

 各選手が高い意識を持ちながら競争に臨んだ結果、なでしこジャパンの力は急上昇した。18日(金)に名前が読み上げられる東京五輪の女子代表18名には、一緒にチームを作り上げてきたライバルたちの想いを胸に、今夏の戦いへ臨んでほしい。(文・西森彰)






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