ツンデレすぎるヒロインの、甘々な日々に暗雲が……。恋のライバルやツンツンな姉登場で、恋路はますます波瀾万丈に

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2021年06月15日 19:11  ダ・ヴィンチニュース

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写真『経理の夏谷さんはガマンできない』3巻(財政ろろ/芳文社)
『経理の夏谷さんはガマンできない』3巻(財政ろろ/芳文社)

 人は“秘密”を守ろうとすると、不自然な態度を取ってしまう生き物だ。挙動不審になったり過剰に攻撃的になったり、守るべきものが大きければ大きいほど、いつものキャラクターからは考えられないような行動に出る。多かれ少なかれ、誰だって身に覚えがあるだろう。

ツンデレが過ぎるヒロインに隠された過去とは? 甘々展開が魅力の『経理の夏谷さんはガマンできない』に急展開!

『経理の夏谷さんはガマンできない』(財政ろろ/芳文社)の主人公・夏谷さんはまさにその極みだ。

 経理業務に就いており、誰からも「美人でデキる女」だと思われている夏谷さん。いつも氷のような表情を浮かべ、どの社員に対してもドSに対応する。書類の不備は絶対に見逃さず、デキない社員には射抜くような目線とともに「やり直し」を告げる。社内には男性ファンが多いものの、誰も彼女には近づけない。女王様的な雰囲気もありつつ、憧れが入り混じった視線を向けられる、まさに高嶺の花。

 そんな夏谷さんにしょっちゅう怒られているのが、デキない男性社員の桜野だ。人はいいもののとにかく要領が悪い。夏谷さんに限らず、他の社員からも「ダメ社員」と見なされている。

 ところが、ふたりには秘密がある。それは、夏谷さんと桜野がカップルである、ということ。それだけではない。プライベートのふたりは仕事中とは正反対。デキない社員である桜野はなんでもデキるスーパーマンで、冷徹な印象の夏谷さんは超甘々女子になってしまうのだ。このギャップが本作の見どころ。夏谷さんの愛らしさ、桜野のカッコよさに、一気に引き込まれるだろう。

 さて、本作もいよいよ第3巻が発売に。第1巻では夏谷さんと桜野の関係を重点的に描き、続く第2巻では桜野の元カノである冬木の登場が物語を揺らした。そして気になるのは、第2巻の後半で登場した男・千秋の存在だ。千秋は夏谷さんの過去を知っている男で、桜野をライバル視しているのかやたらと煽るような発言ばかりする。それどころか夏谷さんのことをわざと傷つけたりもする。一体どうして? やがて桜野は千秋を殴ってしまい、そこから物語は夏谷さんと千秋との間になにがあったのか回想していく。と、第2巻はそこで終わっていた。

 第3巻ではついに千秋の正体が明かされる。彼はなぜ夏谷さんに固執するのか。それは千秋にとって夏谷さんが「初恋」だったからだ。容姿が整っている千秋は、いつも外見でばかり評価されてきた。言い寄ってくる女子たちはみな、千秋の容姿狙い。けれど、夏谷さんだけが彼の内面を見てくれていたのだ。そんな女子は初めて。ゆえに千秋は夏谷さんを「自分だけのもの」にしようと固執し、歪んだ想いを抱くようになったのである。

 その事情を知ってもなお、千秋のことを許せないと思う人は少なくないだろう。でも、個人的には「わかる」と感じてしまった。「好き」という気持ちをうまく表現できなくて、ただ相手を傷つけてしまう。ときには暴走してしまう。千秋はその振れ幅が大きかっただけで、彼の“かけら”は誰のなかにもあるのではないか。そう考えると、千秋のことを全否定できない。ただ、不器用な男であるだけだったのだ。

 第2巻から引っ張っていた“千秋騒動”は第3巻の前半で収束を見せ、そこからは夏谷さんと桜野のイチャイチャモードがさらにパワーアップしていく。特に海でのデートシーンは、読んでいるこちらが赤面してしまうほど。このまま幸せな日々が続いていけばいいな……と思いきや! またしても“台風”がふたりを襲う。今回現れたのは、なんと夏谷さんのお姉さんだ。しかもこのお姉さんは仕事中の夏谷さんを彷彿とさせるような、冷たい印象の人物。そして桜野を「ヘタレ男」と呼び、なんとか別れさせようとする始末。

 さらにラストでは、再び千秋との騒動が勃発。夏谷さんと桜野への嫌がらせはやめたものの、彼のなかで「初恋」はくすぶったまま。そんな状態で、夏谷さんと千秋がエレベーターに閉じ込められてしまうのだ。どうしてこんなにトラブルが続くのか!

 一難去ってまた一難。まさにこの言葉がぴったりな夏谷さんと桜野の恋路。はたしてふたりは無事にゴールインできるのだろうか。まだまだやきもきする日々が続きそうである。

文=五十嵐 大

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