世界的パティシエ徳永さんの意外なケーキ論

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2021年06月16日 10:02  オズモール

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◆【独占インタビュー】食材にはこだわらない!? 世界的パティシエ・徳永純司さんの、ちょっと意外なケーキ作り論

「ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ」のエグゼクティブ シェフ パティシエを務める徳永純司さんは、数々の国際的なコンクールで入賞経験を持つ、世界トップパティシエのひとり。超一流ながらサービス精神たっぷりの徳永さんに、パティシエとしてのルーツと、ケーキ作りのこだわりをお聞きしました。



「ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ」エグゼクティブ シェフ パティシエの徳永純司さん
目指しているのは、すべての人が食べておいしいと感じるケーキ
幼い頃から料理が好きで、よくお母さんと一緒に台所に立っていたという徳永さん。大工のお父さん、和菓子職人のおじいさんの影響もあってものづくりに興味を持ち、高校時代からパティシエを志していたそう。

高校卒業後、大阪のホテルへ就職した徳永さんは、サービス担当や調理部門を経てお菓子作りの道へ。2015年に日本代表として参加した国際的パティシエコンクール「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2015」では準優勝、チョコレートピエス部門で1位を受賞するなど、日本を代表するパティシエのひとりとして、世界からも注目されている。

そんな徳永シェフが何よりも大切にしているのは、誰が食べてもおいしいお菓子をつくることと、食材にこだわり過ぎないこと。

「ケーキは、いろんな食材を組み合わせて作るので、ひとつの食材をメインにするのではなく、香りや食感、味わいなどのトータルのバランスを大切にしています」

基本的には奇をてらわない、シンプルなデザインのケーキが多いけれど、ときには遊び心いっぱいのデコレーションを施したケーキが登場することも。

「新作ケーキを考えているときはすごく悩みますが、作るのはやっぱり楽しいんです。お腹が空いたとき、友達とお茶するとき、誕生日などお祝いのとき…いろんなタイミングでおいしく食べてもらえたら嬉しいです。せっかくだから、カロリーなんて気にせずに!(笑)」


◆徳永さんが選ぶお気に入りケーキ4選。それぞれのこだわりポイントをCHECK

いちごのショートケーキ
【定番ケーキ編】スペシャリテはやっぱり王道!「いちごのショートケーキ」
「いちごのショートケーキ」といえば、子どもからお年寄りまで、誰からも愛される存在。だからこそ飾り立てすぎず、おいしいものを作りたいと話す徳永さん。

「理想としているのは、弾力がありながらくちどけのいいスポンジ。僕はスポンジがやや多い方が好きです。最後まで飽きずに食べられるよう、あえて生クリームは軽めに仕上げています」

スポンジ、いちご、クリームだけで構成されたケーキは洗練された美しさ! 季節によって桃やマスカットなどフルーツを変えたショートケーキも登場するので、こちらもお楽しみに。



上/サンマルク 下/タルトシトロンアールグレイ
【味わい編】シンプルだからこそ丁寧に。「サンマルク」「タルトシトロンアールグレイ」
これまでに手がけたケーキのなかで、味わいがお気に入りなのは? と尋ねると「うーん…」と悩みながらも挙げてくれたのが秋から冬にかけて登場する「サンマルク」と、「タルトシトロンアールグレイ」。

「サンマルクはカカオ55%のチョコレートクリームやバニラ風味のクリーム、スポンジなどを重ねた本当にシンプルなんですが、だからこそ甘さやクリームの固さなどのバランスがキモになります。タルトの方は、タルト生地にレモンクリーム、チョコレート生地、アールグレイの茶葉を入れたホワイトチョコレートクリームを重ねています」



マロンラムレザン
【美しいデザイン編】ドラマにも登場。軽やかな食感のチュイールを添えた「マロンラムレザン」
どちらかというと、あまり飾り立てないのが徳永さんの好みだけれど、ときには「マロンラムレザン」のような独創的なデザインのものも。

こちらは以前、徳永さんがスイーツのデザインを監修したドラマ『グランメゾン東京』のために作ったデセール(皿盛りのデザート)を、小さなケーキで表現したものだそう。

「クリームの上のモシャモシャッとした部分はチュイールという極薄の焼き菓子。サクッと軽い食感を長時間キープするために試行錯誤しました」

フォークを入れるのがもったいないほど繊細なヴィジュアルにうっとり。こちらは、ラム酒が香る大人の味わい。

徳永さんがエグゼクティブ シェフ パティシエを務めるホテル インターコンチネンタル 東京ベイの「ニューヨークラウンジ」では、徳永さんが手がけるケーキはもちろん、季節ごとのパフェやアフタヌーンティーもいただける。こちらもぜひ足を運んでみて。


◆【取材こぼれ話】今回のインタビューのために、素敵なケーキを作ってくれました

思わず笑顔がこぼれる、愛らしいデコレーションケーキ
なんと今回のインタビュー取材のために、お店では売っていない、オリジナルのデコレーションケーキを作ってきてくれた徳永さん。

ショートケーキをベースに、いちごやアメリカンチェリー、ラズベリーなど赤いフルーツを組み合わせた花束のようなケーキ。食用バラ、ナデシコの花びらが華やかで、取材スタッフ一同、徳永さんの素敵なセンスとサービス精神に驚かされました。

「こんなふうに、自由にケーキをつくることが好きなんです。僕が自由にやらせてもらえているのは、周りのスタッフの存在があってこそ。いつも感謝しています」

ケーキ作りへのこだわりを、終始ほがらかに語ってくださった徳永さん。今後も徳永さんの手からはどんなスイーツが生み出されるのか、目が離せません!


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