若年性認知症の男性が妻に2回目のプロポーズ「いつもそばにいてくれてありがとう」(米)<動画あり>

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2021年06月16日 22:01  Techinsight Japan

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記憶を失った男性とその妻、2回目の結婚式を挙げる(画像は『Oh Hello Alzheimer’s 2021年5月3日付Facebook「VOW RENEWAL. LIFE IS DANCE」』のスクリーンショット)
認知症は高齢者だけの病気ではない。アメリカに住む56歳の男性は数年前に若年性アルツハイマー型認知症と診断され、結婚12年目を迎えた妻のことも忘れてしまった。しかし献身的にそばで支えてくれた妻に再び恋に落ち、「結婚しよう」と2回目のプロポーズをした。まるで映画のようなストーリーを『NBC New York』などが伝えている。

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米コネチカット州出身で現在56歳のピーター・マーシャルさん(Peter Marshall)は、数年前に若年性アルツハイマー型認知症と診断された。

認知症は高齢者が発症するイメージがあるが、ピーターさんのように50代で患う場合もあり、65歳未満で発症する認知症のことを“若年性認知症”と呼ぶ。

些細な物忘れから始まったというピーターさんの症状は急速に進行し、日常生活にも支障をきたし始めた。起床してからのベッドメイキングを上手くできなくなってしまい、毎朝30〜60分もかけて行うという。

妻のリサさん(Lisa)は「私が使っている血圧計の説明書を、突然大声で読み上げることもあります。しかも持っている説明書は逆さまの状態なのです」と話し、日に日に記憶を失い変わっていくピーターさんに涙する日も多いという。

しかし認知症の診断が、2人の愛を壊してしまうことはなかった。

症状の進行により、ピーターさんはリサさんが自分の妻であることも忘れてしまったという。しかし毎日一緒にいて優しく接してくれるリサさんに対する気持ちは、記憶を失う前と同じだった。

昨年12月、テレビで放送されていた結婚式の様子を2人で見ていると突然、ピーターさんが「これやろうよ!」と言い出した。

リサさんは当時のことをこのように振り返っている。

「最初は反応に困りましたね。それで『やるって何を?』と聞くと、ピーターは結婚式の場面が映ったテレビを指差したんです。『結婚式をしたいの?』と尋ねると、『そうだよ』と満面の笑みで答えていました。」

この時にリサさんは、自分が妻として認識されていないことに気付いたという。結婚相手ということも忘れてしまったピーターさんだったが、それでも再び同じ人を愛することを選んだのだ。

「2回も同じ人と結婚できるなんて、私は世界中で一番ラッキーな女性だと思います。」

涙ながらにそう話すリサさんは、ウェディングプランナーである娘に相談した。そして娘が多くの人にこの話を伝えると複数の業者が協力し、リサさんとピーターさんのために無料で結婚式を準備してくれた。


「完璧な結婚式で、まるで魔法のようでした。この日ほど素晴らしい日はないと思うほどでしたよ。あんなに幸せそうなピーターを、ここしばらく見ていませんでしたね。」

愛する人と再び結婚式を挙げることができて幸せいっぱいのピーターさんだったが、症状の進行は止まらず、2回目の結婚式を挙げた記憶もすでに失ってしまっている。

それでもピーターさんは結婚式にて、リサさんの耳元で「いつもそばにいてくれてありがとう」と囁いたそうだ。またリサさんが変わっていくピーターさんの姿に涙した時には、「まだ時間はあるよ」と言って抱きしめることもあったという。


記憶を失うことにピーターさん自身も戸惑いながらも、大好きなリサさんとの時間を大切にしたいという気持ちがピーターさんの言動に繋がっているのかもしれない。



画像は『Oh Hello Alzheimer’s 2021年5月3日付Facebook「VOW RENEWAL. LIFE IS DANCE」』『Mirror 2021年6月12日付「Man with Alzheimer’s proposes to wife again because he forgot they were married」(Image: Facebook/OhHelloAlzheimers)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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