五輪代表の強化試合をセルジオ越後が振り返る「消化不良に終わった最後のアピールの場。三笘は残してほしいね」

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2021年06月17日 06:31  週プレNEWS

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写真当落線上の選手たちはモヤモヤしているだろうと語るセルジオ越後氏
当落線上の選手たちはモヤモヤしているだろうと語るセルジオ越後氏

選手の評価をするのが難しい。それが率直な感想だ。

A代表戦、U−24ガーナ戦、ジャマイカ戦と続いた五輪代表(U−24)の強化試合3連戦が終わった。テレビ中継のアナウンサーが「サバイバル」と連呼していたように、選手たちにとっては本大会の登録メンバー18人入りをかけた最後のアピールの場。

ただ、締め切りの都合でジャマイカ戦は見ていないんだけど、最初の2試合に関していえば、そういう場として機能していたかは疑問だ。

まず、急遽(きゅうきょ)マッチメイクされたA代表戦。序盤から主導権を握られ、0−3で完敗。特に試合開始早々の右CKからの失点はいただけない。ゴールを決めた橋本には誰もマークがついていなかった。本番ではああいうミスが致命傷になる。

試合終盤、オーバーエイジ枠(OA)の遠藤 航が入って攻撃の形がつくれるようになったものの、すでに勝敗の行方は決していたので、あまり参考にならないね。

兄貴分のA代表は練習相手として申し分ない。そういう相手にどこまでできるかを見極めるのであれば、フル出場は難しいにしても、遠藤 航をもっと長い時間使うべきだったし、OAの残りのふたり、吉田と酒井も含めて3人同時に起用すべきだった。OAの3人が入ってチームがどう変わるのか、それを確認するチャンスだったのにちょっともったいなかった。

続くU−24ガーナ戦は6−0で完勝。逆に相手に歯応えがなさすぎた。ガーナは一応U−24と名乗っていたけど、実際はほぼU−20のメンバー構成。東京五輪の初戦で対戦する南アフリカを想定したマッチメイクで、だからこそ森保監督も満を持してOAの3人をスタメンに起用したのだろう。

でも、フタを開けてみれば、ガーナの選手たちは体も小さく、日本とは明らかに力の差があった。終始ゲームを支配しての6得点。相手のシュートは後半の1本だけ。だから日本の選手みんながうまく見えた。注目の攻撃陣にしても、堂安、久保、相馬、上田、三笘(みとま)が得点を取り、全員がアピールに成功した感じになってしまった。

OAの3人についても、試合後にテレビや新聞が「存在感が違う」とホメまくっていたけど、彼らにすれば、あのレベルの相手ならできて当たり前のプレーを見せただけ。

味方が危険なタックルを受けた際、相手選手に駆け寄り、襟首をつかんで抗議した吉田の姿はいい意味で日本人選手らしくないし、ああいう戦う姿勢を見せられるのはさすがだなとは思ったけどね。でも、この日はOAの彼らだけが素晴らしいプレーを見せたわけではない。

いずれにしても、最後の選手選考の場だったのに、消化不良の感は否めない。特に当落線上の選手たちはモヤモヤしているだろう。

なかでも僕が気になるのは三笘。これまでの森保監督の起用法を見る限り、微妙な立ち位置にいるのは明らか。この世代のチームに選ばれるのが遅かったこともマイナスに影響しているだろう。三笘本人も手探りでプレーしている印象だ。

でも、彼の得点力の高さはほかの選手にはない大きな魅力。また、A代表における古橋もそうなんだけど、所属クラブで結果を出し続けている選手はきちんと評価してあげたい。いくら川崎という強いチームにいるとはいえ、Jリーグであれだけ圧倒的なプレーを見せている選手を選ばないのはどうなのか。そう思ってしまうけどね。

構成/渡辺達也

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