『東京卍リベンジャーズ』ドラケンに男も惚れるワケ 東京卍會ナンバー2の器を検証

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2021年06月17日 09:01  リアルサウンド

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 アニメ放送も好調で、じわじわとファンを増やし続けている漫画『東京卍リベンジャーズ』。多くの魅力ある登場人物の中でもひときわインパクトを放っているのが、“ドラケン”こと龍宮寺堅だ。


 ドラケンは185cmの長身で、金髪、辮髪、こめかみに竜のタトゥーという、パンチのあるビジュアルの持ち主。見た目だけで言えばかなり厳つく、「ワル」という言葉がしっくりきそうだが、「男前度」で言えばキャクターの中でドラケンの右に出る者はいない。


 暴走族の創設者の一人という「すぐに熱くなってケンカをする」と思ってしまいがちな設定だが、ドラケンはとにかく冷静沈着で視野が広い。例えば、対抗する暴走族「愛美愛主」との抗争「8・3抗争」の序章。主人公・花垣武道は、ドラケンを死なせずに未来を変えるというミッションを遂行するため、マイキーに抗争をやめるように直接話をする。しかし「タイムリープしている」などの事情は言えるはずもなく、何よりもマイキーは仲間のための戦いと考えていたため、相手にしてもらえないでいた。そんな中、ドラケンだけは「…タケミっちが退かねーって言ってんだ 少し愛美愛主調べてみてもいいんじゃねーの?」とマイキーに助言。結局抗争への発展は止められなかったが、ドラケンが冷静で柔軟な対応が出来ることがよく分かるシーンだった。


 そして、間違いを間違いと言える男でもある。それは、みんなが恐れるマイキーにも、だ。マイキーが道を外れようとする度に正してきたドラケン。彼がマイキーの優秀な右腕であると同時に「心」でもあるからこそ、ドラケンが死んでしまった12年後の未来でマイキーは暴走、東京卍會が凶悪犯罪集団になってしまっている。それを阻止するために、武道はドラケンの死を防ごうと躍起になっているというわけだ。


 さらに、相手が誰であろうとしっかりお礼を言える男気がある。「8・3抗争」で刺されたドラケンは、武道の活躍によって病院に運び込まれる。搬送中「ありがとな タケミっち オマエは俺の恩人だ…」と言って握手を交わし、回復した後も頭を下げて改めて武道に「ありがとう」と礼を言っている。ドラケンは武道に一目置いてはいるものの、そもそもドラケンは東京卍會の副総長。副総長という肩書きがある者が隊員でもない年下の男に礼を言うことは珍しいのではないだろうか。ドラケンはそういった慣習にもとらわれず、しっかりと感謝を伝えることができる男なのである。


『東京卍リベンジャーズ』6巻(講談社)

 「冷静で視野が広い」、「間違いを間違いと言える」、「お礼が言える」という、素直に行動できる人ならではの要素を全て持っている上に、突き詰めていけばこれらの行動が全て仲間のためであるからかっこいい。そんな彼だからこその名言も多々生まれている。一番人気は、東京卍會の創設メンバーの一人である“パーちん”こと林田春樹の親友の彼女を見舞いに行ったシーンではないだろうか。彼女の父親から「クズども」「虫ケラ」などと罵声を浴びせられても、頭を下げ続けるドラケン。同行したマイキーは、「頭なんて下げんなよ」と反抗するが、マイキーにも無理やり頭を下げさせ、「全部俺らの責任です」と謝罪を続ける。


 さらに罵声を浴びせてくる父親に対して、マイキーは「は!?」と反応するが、ドラケンはこんなことを言った。「下げる頭持ってなくてもいい 人を想う“心”は持て」。ドラケンの言葉は考えさせられると同時に、自分の言動を振り返るきっかけをくれているように感じる。“ビッ”としたい時は、ドラケンの言葉を噛み締めてみるのもいい。


 そんな男気溢れるドラケンを、7月9日公開の実写映画では山田裕貴が演じる。地毛であの特徴的なドラケンの髪型を再現しており、気合いが存分に伝わってくる。しかも、不良役から爽やかな役までできる抜群の演技力を持っている山田なら、ビジュアルだけでなく一本筋の通ったドラケンの中身まで完璧に表現してくれるのではないだろうか。漫画と合わせて、アニメ、そして実写映画も楽しみたい。


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