スペインの戦術家が「日本代表の肉付け」として選んだ6人の特長

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2021年06月17日 17:21  webスポルティーバ

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「日本はミャンマー戦からメンバーを変えながら、攻守にわたってバランスを失っていない。相手がどこであれ、これはチーム力と言っていいだろう」

 スペイン人戦術家、ミケル・エチャリは、日本代表のミャンマー、タジキスタン、セルビア、キルギス戦を振り返ってそう語っている。
 
 シャビ・アロンソなど数々の選手を発掘してきたエチャリは、日本代表の選手たちをどう見つめたのか。カタールワールドカップ最終予選に向け、チーム内の競争が激しさを増す中、チームの肉付けとなるべき6人のフィールドプレーヤーをピックアップした。




橋本拳人

 タジキスタン戦にボランチで先発。適切なポジショニングで、じわじわと流れを引き寄せていった。同じボランチの川辺駿とのポジションに高低をつけることで距離感を保ち、ボールを奪える位置に動かし、防御線を構築。守りでポジション的優位を保ち、攻撃を円滑にした。サイドチェンジや縦パスの精度は高く、攻撃にリズムが生みだしている。この試合のキーマンのひとりだった。

 セルビア戦もボランチで先発。守田英正と組み、どちらかというと攻撃面のタスクを担っている。鎌田大地、南野拓実との連係は悪くなかった。タックルも強く、攻守のバランスを取りながら、セルビアの有力選手と互角以上に渡り合ったが、前半で交代した。

 キルギス戦は後半16分にボランチで出場。中盤で守りの軸となって、3−4−2−1に戦術変更後は、攻撃のリズムを作り出していった。何度か、五分五分のボールを奪い返していた。ボランチでは、遠藤航と双璧をなすことになるだろう。

伊東純也

 セルビア戦に右サイドアタッカーで先発。特筆すべきは守備でのアクションだろう。右サイドで相手を封じ、チームに安定をもたらせる。そのうで、攻撃でスピードが武器になっていた。チームとして、彼を裏に走らせる動きはひとつのパターン。後半、右サイドを駆け抜け、右足でオナイウ阿道に送ったクロスはほぼ完璧だった。CKからのゴールのシーンも、ニアポストでフリックしたボールに対し、ディフェンスのマークを外して飛び込んでいた。守備からスタートして攻撃意欲も強く、戦術的に貴重なプレーヤーだ。

鎌田大地

 タジキスタン戦の後半からトップ下で出場。最初の20分間は独壇場だった。パスのテンポを生み出し、プレースピードを上げ、相手を翻弄。浅野拓磨のスピードを生かして決定機を演出した。ボールを引き出し、引きつけ、自在にキーとなるパスを送った。試合の流れを劇的に改善させるほどの存在感。橋本との縦関係も出色だった。後半途中からは徐々にペースダウンし、なぜかミスも多くなっていったが......。

 セルビア戦はトップ下で先発。南野とのコンビプレーは知性を横溢させていた。お互いが呼吸ひとつでパスを出し合い、スペースを走って、わずかな乱れでシュートまでいかずとも、得点の匂いが漂った。注目したFKは足が滑って外したが。

南野拓実

 タジキスタン戦はトップ下で先発したが、本来の出来ではなかった。しかし、前半40分には、山根視来、古橋亨梧とつないだボールをニアポストで受け、逆転弾を叩き込んでいる。マークの外し方は秀逸。シュートまでの一連の動きは際立っていた。他にも浅野に出したパスなど、随所に質の高さは見せていた。

 セルビア戦は左サイドアタッカーで先発。中央まで広範に動き、前線からの守備で強度を見せ、攻撃の起点にもなっている。時間を重ねるごとに、長友佑都、鎌田とコンビネーションを深めていった。鎌田との連係はお互い呼吸が合っており、代表の主武器になるのではないか。

◆日本代表にスペインの名伯楽が提言。「プレーリズムに改善の余地あり」

古橋亨梧

 タジキスタン戦に右サイドアタッカーで先発。先制点の場面では、ダイアゴナルのランニングで中に入ると、パスを受けてシュートに行ったのは浅野だったが、そのこぼれ球を拾い、左足でフィニッシュした。連続性が感じられる好プレーだった。後半は左アタッカーでプレー。カウンターからひとりで持ち込んだ決定機では、フリーだった味方を探してもよかった。終盤はFWに入ったが、2点目を決めることはできていない。

 セルビア戦はトップで先発。裏だけでなく、サイドにも流れ、ボールを引き出し、戦術的役割を果たしていた。その機動力はひとつのアドバンテージになっていたが、前半でオナイウと交代した。

 キルギス戦は後半16分からトップ下、トップでプレー。浅野の得点につながったカウンターの起点になったボールの運び方は見事だった。プレーに連続性があり、精度や判断が狂うことはあるものの、チームに活力を与えられる存在だった。

浅野拓磨

 タジキスタン戦ではトップで先発。うまくマークを外し、裏に抜け出し、攻撃の選択肢を与えていた。古橋、山根、鎌田からラストパスを引き出し、攻撃を活性化。シュートはなかなか決まらなかったが、動きの質は高かった。

 セルビア戦は後半31分に交代出場。植田直通から背後へのパスを引き出すと、これをスプリントで抜け出し、GKと1対1になった。目を見張る動きだったが、相手にぶつけてしまった。

 キルギス戦は左アタッカーで先発。前半は有効なボールが出てこなかったが、後半は徐々に持ち味を発揮した。何度も深みを作って、攻撃を牽引。5点目となるカウンターでは、自陣から古橋が持ち運んだ時、一度はファーに逃げて2人のディフェンスを誘って、近寄ってきた古橋と交差するようにニアに走り、スプリントでボールを受け、ゴールに流し込んだ。

 浅野は数多くシュートを外していたが、戦術的選択肢として捨てがたいものがある。私も含めて、多くの指導者が同じことを感じるだろう。マークを外すうまさがあり、両足で強烈なシュートが打てるし、単純に足が速い。ポゼッションが停滞した時など、彼が前線にいることで背後に縦へボールを蹴り込める。有力なオプションになるのだ。

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