何になる? リニア中央新幹線の「列車名」(3):新幹線列車名のルーツを探る 伝統の列車名「つばめ」、悲しい歴史「あさひ」

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2021年06月20日 10:02  ねとらぼ

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写真秋田新幹線「こまち」の由来は……
秋田新幹線「こまち」の由来は……

 何になるかな? リニア中央新幹線の「列車名」大予想。前回は列車名命名ルールの法則とともに「リニア中央新幹線の列車名」を予想しました。今回はおまけ編、のぞみ・ひかり・こだま以外の新幹線列車名の由来や歴史もまとめていきましょう。



【画像】大切にされてきた伝統の列車名「つばめ」



●東北・北海道新幹線



○はやぶさ



 「はやぶさ」は、1958(昭和33)年に東京〜鹿児島間の寝台特急として誕生しました。「鳥」の名前はスピード感があるとして採用されやすく、東海道本線特急列車名の公募でも上位でした。



 漢字の「隼」は薩摩隼人にも通じるとして決まったようです。1970年代のブルートレインブームの人気列車の1つでしたが、2009年に廃止されました。東北新幹線の採用は2011年3月5日からです。



○はやて



 「はやて」は東北新幹線で初採用されました。2002年12月の盛岡〜八戸間延伸に伴って、最速列車として誕生しました。由来は急に速く吹く「疾風」から。「風」の名前もスピード感があって採用事例は多いです。



 東海道新幹線の愛称公募でも上位でした。しかし「疾風」は疫病の通称となっていたため、いままで採用されませんでした。列車名はもちろん、本来の風の意味での採用です。



○やまびこ



 「やまびこ」は1959(昭和34)年に福島〜盛岡間の準急列車として誕生しました。1965(昭和40)年からは上野〜盛岡間の特急列車になりました。1982(昭和57)年に開業した東北新幹線に引き継がれました。「こだま」に通じる「音系」の名前です。



 当初は最速タイプの列車でした。現在は東京〜盛岡間の列車に使われています。2階建て車両を使うときは「MAXやまびこ」になりました。



○なすの



 「なすの」は1959(昭和34)年に上野〜黒磯間の準急として誕生。その後、急行へ格上げされ、1985(昭和60)年に在来線の「新特急なすの」になりました。



 「新特急○○」は上野駅を発着する短距離特急に付けられる愛称です。自由席が多く定期券と特急料金で気軽に利用できる列車でした。1995(平成7)年12月に東北新幹線の短距離区間各駅停車に採用され、東京〜那須塩原間などで運行しています。



○あおば(廃止)



 「あおば」は1947(昭和22)年に上野〜仙台間の急行として誕生しました。1971(昭和46)年から1975(昭和50)年まで、仙台〜秋田間を北上線経由で結ぶ特急列車でした。1982(昭和57)年の東北新幹線開業時に各駅停車タイプの列車名に採用されました。



 主な運行区間は東京〜仙台間でした。しかし「やまびこ」の人気が高まり、停車駅パターンが増えると「あおば」の仙台行きは減り、東京〜那須塩原間の運行に落ち着きます。あおばは仙台・青葉城をイメージした列車名だったため、那須塩原にちなんだ「なすの」に変わりました。



●山形新幹線



○つばさ



 「つばさ」は1961(昭和36)年に上野〜秋田間を山形経由で結ぶ特急として誕生し、約30年にわたって活躍しました。1992(平成4)年に山形新幹線が東京〜山形間で開業すると、同じ区間を走っていた「つばさ」の名前が継承されました。



 スピードを感じさせる「鳥系」の名前ですが、「奥羽本線沿線広域の発展を祈願するため」に、生息域が特定される鳥の名前ではなく、全ての鳥が持つ「つばさ」になりました。



●秋田新幹線



○こまち



 「こまち」は1991(平成3)年に秋田地区の観光車両に名付けられました。車両自体は1984(昭和59)年にディーゼルカーを改造したお座敷車両でした。名付けのきっかけは塗装のリニューアル、名前の由来はお米のブランド「秋田小町/あきたこまち」でした。



 秋田新幹線の方の「こまち」は、1997(平成9年)の秋田新幹線開業に向けて列車愛称の公募で決まりました。こちらもお米の「あきたこまち」に由来します。お米の名前は小野小町が秋田出身という伝説にちなんでいます。伊豆方面の特急「踊り子」とともに、女性をイメージさせる珍しい列車名です。



●上越新幹線



○とき



 「とき」は1962(昭和37)年に誕生した上野〜新潟間の特急列車でした。約20年間の活躍の後、1982(昭和57)年の上越新幹線開業時に各駅停車タイプで採用されました。



 公募では1位の名前でしたが、トキが絶滅寸前という事情があり、表看板になれなかったようです。1997(平成9)年に各駅停車タイプが東京〜越後湯沢間に短縮されたため、新潟駅に行かない「とき」は「たにがわ」に改名。列車名の方が先になくなりました。



 しかし、2002(平成14)年に「あさひ」が「とき」に改名する形で復活。現在に至ります。



○たにがわ



 「たにがわ」の由来は群馬県と新潟県にまたがる谷川岳です。昭和30年代から40年代にかけて、山岳観光向けの臨時準急や臨時急行に「谷川」と名付けられました。



 1982(昭和57)年に上野〜水上間の特急「谷川」となり、1985(昭和60)年に「新特急谷川」に変わりました。1997(平成9)年に上越新幹線の東京〜高崎〜越後湯沢間の短距離列車に起用されました。



○あさひ(廃止)



 「あさひ」は1960(昭和35)年に仙台〜新潟間の準急に名付けられ、後に急行に格上げされました。由来は沿線の朝日山地です。1982(昭和57)年の上越新幹線開業時に速達タイプとして採用されました。朝の日ですから「光系」の名前とも言えます。



 在来線急行の「あさひ」は「べにはな」に改称されました。ところが「あさひ」は北陸新幹線(長野新幹線)の「あさま」と字面が似ているため、きっぷの間違い、乗り間違いが度々起きました。また、新潟県からは「とき」復活を求める声が高くなっていました。2002年に「あさひ」は「とき」に改名されました。



●北陸新幹線



○あさま



 「あさま」は1961(昭和36)年に小諸〜長野〜新潟間の準急列車として誕生しました。由来は沿線の浅間山です。「山系」の列車名も多数派でした。1962(昭和37)年に上野〜長野〜直江津間の準急となります。1966(昭和41)年に上野〜長野間の特急になり、1997年に長野新幹線(通称)の列車名になりました。現在も東京〜長野間の列車に継承されています。



○かがやき



 「かがやき」は1988(昭和63)年に金沢〜長岡間の特急列車として誕生しました。北陸新幹線の開通前、上越新幹線と北陸地域を連絡する列車で、先輩格の特急「北越」を補完する役割でした。しかし、1997(平成9)年に開業した北越急行ほくほく線を経由する特急「はくたか」の運転で役目を終えて引退しました。



 2015(平成27)年の北陸新幹線長野〜金沢延伸開業時に公募名称で5位に。選定理由は「輝く光がスピード感と明るく伸びていく未来をイメージさせるため」です。速達タイプの採用は「最速列車は光系の名前」という伝統と言えそうです。



 あと、「かがいき(加賀行き)」に語感が似ているからという都市伝説も(笑)。



○はくたか



 「はくたか」は1965(昭和40)年に上野〜金沢間の特急列車に採用されました。鳥系の名前ですが「白鷹」という鳥は現実にはいません。立山開山縁起に登場する伝説の白い鷹です。前身となる列車は大阪〜金沢〜上野・青森間を結ぶ特急「白鳥」でした。このうち金沢〜上野間を分離した列車だったので、白のイメージを継承したといわれています。



 しかし1982(昭和57)年に上越新幹線が開業すると、東京〜金沢間は長岡経由の特急「北越」利用が最短時間となったためいったんは廃止されます。ところが、1997(平成9)年に六日町〜犀潟間の北越急行が開業すると、越後湯沢〜六日町〜犀潟〜富山〜金沢間の特急列車として生まれ変わります。在来線最速の時速160キロで運行し、再び上越線連絡の北陸特急として返り咲きました。最速の在来線特急として存在感を示した「はくたか」の名は、北陸新幹線長野〜金沢延伸開業時に公募名称で1位に。東京〜金沢間の列車として君臨しています。



○つるぎ



 「つるぎ」は1961(昭和36)年に大阪〜富山の夜行準急列車として誕生しました。高岡〜富山間は普通列車として運行し、通学列車になっていました。1963(昭和38)年に準急区間が急行となります。1965(昭和40)年から全区間電車急行となり、1972(昭和47)年に客車の寝台特急になり、1994(平成6)年に廃止されました。



 北陸新幹線長野〜金沢延伸開業時に公募名称では4位でした。大阪〜金沢間の特急「サンダーバード」組み合わせて、大阪〜富山間を結ぶことから、関西〜北陸間を代表する列車として新幹線列車となりました。



●山陽・九州新幹線



○みずほ



 「みずほ」は1961(昭和36)年に東京〜熊本間の夜行列車として誕生しました。列車名の由来は日本の美称「瑞穂の国」です。



 国名は採用例としては珍しいですね。「みずみずしい稲穂」という意味ですから、広い意味では「花系」かもしれません。この列車も1970年代のブルートレインブームの一翼を担う列車でしたが、1994(平成6)年に廃止されます。2011年(平成23)年に九州新幹線が全通し、山陽新幹線に直通する列車が設定されました。「熊本に縁がある著名な列車名」も採用理由の一つです。



○さくら



 「さくら」は1929(昭和4)年、東京〜下関間で運行していた特急列車に「櫻」「富士」の名が与えられました。日本で初めて列車に名前が付きました。日本を代表する花と山です。



 しかしどちらも戦時中に廃止され、戦後、1951(昭和26)年の東京〜大阪間の臨時特急として「櫻」が復活。しかし1958(昭和33)年に電車特急の「こだま」が登場したとき、交代するように姿を消しました。その翌年、東京〜長崎間の寝台特急として再出発、ブルートレイン時代を築き、2005(平成17)年に惜しまれつつ廃止されました。



 2011年(平成23)年に九州新幹線が全通し、「みずほ」とともに山陽新幹線に直通する列車として命名されました。長崎のイメージが強い「さくら」でしたが、鹿児島ルートの公募総数1位でした。



○つばめ



 「つばめ」は1930(昭和5)年、東京〜神戸間の新鋭特急列車「燕」として誕生しました。既に運行中の「富士」が東京〜大阪間を10時間40分で走っていたところ、「燕」は8時間20分、何と2時間も短縮しました。



 昭和4年の列車名公募では2位。しかしすぐに採用されず、高速特急計画の列車名として温存されていたそうです。戦後は東京〜大阪間の特急として復活し、東海道新幹線開業後は、「ひかり」に接続する列車として新大阪〜博多間の特急になりました。山陽新幹線の博多延伸で廃止されました。



 伝統の列車名「つばめ」は国鉄の象徴となり、C62蒸気機関車につばめのエンブレムが与えられたほか、野球チーム名「国鉄スワローズ」にも採用されました。現在の「東京ヤクルトスワローズ」のルーツです。



 国鉄が運行するバスにも「スワローエンゼル」マークがあしらわれ、現在もJRバスに継承されています。国鉄時代から大切にされてきたブランドのため、JR各社は温存していました。その格調に見合う列車がなかったからです。



 しかし、JR九州は鹿児島本線の特急「有明」のうち、西鹿児島まで走るロングラン列車を「つばめ」と名付けました。JR九州は他のJR各社に了解を取り、グリーン個室、ビュッフェを備え「つばめ」にふさわしい格調高い列車としたのです。2004年の九州新幹線部分開業にあたり、「つばめ」の名前が継承されました。



●西九州新幹線



○かもめ



 「かもめ」は1937(昭和12)年、東京〜神戸間の特急列車「鷗」として誕生しました。1930(昭和5)年に誕生した「燕」が大人気となり、臨時「燕」が増発されていました。この臨時「燕」を定期運行する列車として「鷗」が名付けられました。



 戦後は1953(昭和28)年の京都〜博多間の特急列車となり、1968(昭和43)年に京都〜長崎・佐世保行きとなります。しかし1975(昭和50)年の山陽新幹線岡山〜博多間開業に伴って廃止されました。



 「かもめ」の復活は1976(昭和51)年。長崎本線の全線電化が完成し、電車特急として堂々たる凱旋です。山陽新幹線開通後の博多〜長崎間はディーゼルカーの急行「出島」が走っていました。この列車をすぐに特急化して「かもめ」とはせず、電車特急誕生まで保存していたというわけです。



 長崎行き特急のブランドともいえる「かもめ」は、2022(令和4)年に開業する西九州新幹線(武雄温泉〜長崎間)に引き継がれます。博多〜武雄温泉間は「リレーかもめ」になります。



【参考文献】国鉄・JR列車名大事典(寺本光照著)



(杉山淳一/乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。日本鉄道全路線の完乗率は100%/2021年4月達成)


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  • 「鳥」の名前はスピード感があるとして採用されやすく…それなら「ハゲタカ」ǭ「ハゲワシ」��←鳥だけどイメージが悪いよ��不採用���á��ܤä�����
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  • かつて在来線であった富士を新幹線で復活して欲しい。東京ー静岡など短区間で https://mixi.at/aa0lDLk
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