江口拓也「甘ったれた人生」のデビュー前 声優の夢にデュエルした10代の2年間

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2021年06月20日 11:00  ORICON NEWS

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写真江口拓也 (C)ORICON NewS inc.
江口拓也 (C)ORICON NewS inc.
 テレビ東京系列で放送中のアニメ『遊☆戯☆王SEVENS』(日曜 朝7:30〜)の新キャラクター・ゴーハ兄弟のユウロが、6月27日の放送回で初デュエルをする。それに先駆け、ORICON NEWSではユウロ役を務めている人気声優・江口拓也にインタビューを実施。1987年生まれで“遊☆戯☆王”世代ど真ん中の彼が、カードゲームの思い出とともに“遊び”が与えた人間力、人生で一番“デュエル”した出来事を語ってもらった。

【画像】本人同様にイケメン!江口拓也が演じるキャラ・ユウロ

■毎週2〜3パック開封が楽しみ! 初めて当てたレアカードは「暗黒騎士ガイア」

 アニメ『遊☆戯☆王』シリーズは、1996年より『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートした同名漫画が原作で、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』が2000年より放送がスタート。その後、タイトルを変えながらシリーズ化され、アニメとしては7作目の20周年記念作品が現在放送されている。

――私と同じ1987年生まれの江口さんですが、この世代は『遊☆戯☆王』に触れた世代だと思います。『ジャンプ』で漫画連載を読んだり、カードゲームをプレイしていましたか?

【江口】 『遊☆戯☆王』は1987年生まれの男なら誰もが語れる大コンテンツです! 小学5、6年生のころに一番ハマり、遊戯王OCG(オフィシャルカードゲーム)は、ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンとスターチップなどがセットになったスターターボックスを購入しました。登場キャラクター・海馬の3体召喚に憧れたので、お年玉を使いながら月に1個ずつ購入した思い出が懐かしいです。おばあちゃんの肩揉みをすると500円もらえたので、その500円で「2〜3パック買う」というのが週末の楽しみでした。

――かなりハマっていたんですね! その時、使っていたデッキを教えてください!

【江口】 漫画を読んでいても少し闇を抱えているキャラクターが好きでしたので、海馬が使うブルーアイズを軸にした“ドラゴンデッキ”を使ってました。スターターボックスを購入すると必ず手に入るキラキラのブルーアイズは僕の宝物で、今でも実家に大切に保管してあります。人生で初めて当てたウルトラレアカードは「暗黒騎士ガイア」で、本当は「ブラックマジシャン」がほしかったので悔しい思い出があります(笑)

――『遊☆戯☆王SEVENS』ではカードに描かれたモンスターなどは立体化され、迫力あるデュエルが展開されていくわけですが、江口さんが趣味で描くイラストはファンの間で「独特だ」と言われております。自身の絵が立体化、カード化されたい気持ちはありますか?

【江口】 中学の美術の成績は「2」とかで、絵心がまったくなく、昔から絵を描くことは不得意でした(照れ)。ですが、この仕事で絵を描く機会が多々あって、下手でも共演者の人にイジられることにより「武器になって戦えるんだな」と思いました。

 僕が描いた絵が以前、オリコンさんのツイッターアカウントのアイコン絵になりましたが、あれが立体化されると思うとカオスですよね(笑)。僕の描く絵は「価値を決めるのはあなたです!」なので、ラッシュデュエルでカード化されたら全て攻撃力・守備力はゼロ、特殊効果で勝負するしかない。ペガサスが使用していた「サクリファイス」みたいなものでしょうか(笑)

■“遊び”が人間力を成長 交渉術を学んだカード交換

――以前MCを務めたABEMAのバラエティー番組『声優と夜あそび』でも、とにかく毎週楽しそうに“遊んで”いた姿が印象的でした。これまでの思い出深い遊びを教えてください。

【江口】 たくさんありますね〜、小さいころの遊びは忘れられないと思います。幼稚園のころ父のファミコンで遊んで、そこから白黒のゲームボーイ、プレイステーション、ニンテンドー64…と触れてきました。今思うと僕らはゲームの進化を間近で見て・体験できた恵まれた世代だった気がします。もちろん、『遊☆戯☆王』のカードゲームでも遊びました。友人の家でカードやって、64やって、締めにカードをやって解散するという、当時はネット環境が普及してないこともあって、『みんなで集まって遊んだ』思い出が一番あります。

 なのでコロナ禍で対面して遊ぶことができなくなった今、同じ空気を共有して交流する楽しみのありがたさを感じます。遊ぶ前後にも相手と日程をあわせる約束をしたり、プレイしながら会話、その後の感想など、遊びは人間関係を楽しむものだと感じています。

――遊びが“人間力”を成長させるということですね。

【江口】 遊☆戯☆王カードで言えば、デュエル(対戦)すると、相手の戦略を考えたり、相手から魔法・罠カードで妨害されたり、交流が深くなることによって相手の人間像がわかります。「あっ、こいつ嫌なやつだな!」とか(笑)。トレーディングカードですから、交換する際も相手との交渉術を学びました。自分がほしいカードを相手が持っている時、「レアカード2枚あげるから、それ1枚と交換どう?」的なことをしていました。それと同時に物事の価値観というのも覚えました。「このカード、めちゃくちゃレアなんだよ! だから、そのカードと交換しない?」と言われても、「俺はそう思わないな〜」など、人に言われた価値よりも自分が思う価値というのを大事にするようにしました。よく考えると、僕の人間力を成長させたのは『遊☆戯☆王』といっても過言ではないです(笑)!

■デュエルしたデビュー前の苦労 仕事選びはデッキ構築、学んだ「後悔しない生き方」

――『遊☆戯☆王』といえば“デュエル(決闘)”が見どころの一つですが、人生において一番デュエルした出来事は一体なんでしょうか。オーディションで役を勝ち取っていく今、声優業界を志した時が一番デュエルしたかと思いますが。

【江口】 高校卒業と同時に茨城から上京し、新聞奨学生として住み込みで新聞配達をしながら、声優の専門学校と事務所の養成所に通っていました。朝は新聞配達をして、その後は学校に通って、その後にまた新聞配達をする生活を続けていたのですが、あの2年間が一番人生において自分自身と“デュエル”していたと思います。睡眠時間もあまり取れず、慣れない作業が重なり、心と体のライフポイントがゼロになりそうでした(笑)。

 ただ、それまでは甘ったれた人生を送ってきたと感じますし、誰かに尻を叩かれなければ行動をしない人間でしたので、初めての一人暮らしで自分自身を見つめ直す時間になりました。新聞配達をしたことにより、根性や働く厳しさを学び、「絶対に声優になる!」という決意など、たくさんのことを学んだ2年間だったと思います。「あそこまでやったから、何も怖いものはない!」という自信を得ることができました。今の自分があるのは、あの時、逃げなかったからだと思います。

 当時、多くの声優志望の仲間に囲まれて、各々、自分なりの工夫、どういうアプローチをしたら「声優になれるのか?」と夢に向かって努力していたので、僕自身もがむしゃらに行動して「俺より頑張っている人はいないだろう!」と言い聞かせながら過ごしていました。できる限りの努力をすることにより自分を納得させ、声優になれなかったとしても諦めがつくように、全力投球できる場所と時間があったのが良かったです。

――お話を聞くと仕事選びは、『遊☆戯☆王』カードゲームのデッキ構築に近いところがありそうですね(笑)

【江口】 確かにありますね(笑)! 仕事選びってデッキだと属性・種族選びだと思います。どういうカードを使ってコンボを決めたいのか考えることは、「どういう仕事をやりたいのか」に近い。また、デュエルにおいて勝ちたいのか、勝敗に関わらず楽しみたいという人もいるでしょうし、僕は自分の好きなカードでデュエルを楽しみたい、あわよくば勝ちたい派でした。負けたとしても自分が信じて選んだ好きなカードでデュエルしたわけですから後悔がないですし、そういう意味では“後悔しない”生き方を『遊☆戯☆王』から学んだと思います。

(取材・文/櫻井偉明)

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