メモリ倍増の新型タブレット「Fire HD 10 Plus」を画面付きスマートスピーカーとして使って分かったこと

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2021年06月22日 12:12  ITmedia PC USER

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写真「Fire HD 10 Plus」を別売のワイヤレス充電スタンド(税込み5980円)にセットすることで、Echo Showのように利用できる
「Fire HD 10 Plus」を別売のワイヤレス充電スタンド(税込み5980円)にセットすることで、Echo Showのように利用できる

 Amazonから、10.1型のメディアタブレット「Fire HD 10」のニューモデルが登場した。メモリが4GBでワイヤレス充電にも対応した「Fire HD 10 Plus」と、メモリが3GBの「Fire HD 10」の2モデルという構成だ。従来モデルの後継が後者、その上位グレードとして新たに追加されたのが前者ということになる。



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 このうち、上位の「Fire HD 10 Plus」は、専用スタンドにセットし、Showモードに切り替えることで、ワイヤレスで充電を行いつつ、画面付きスマートスピーカー「Echo Show」に近いスタイルで利用できる。実機を購入したので早速試してみた。



 なお、Fire HD 10 Plusの価格は64GBモデルで税込み2万2980円、32GBモデルが1万8980円、Fire HD 10が64GBモデルで税込み1万9980円、32GBモデルが1万5980円(Amazonでの価格)だが、6月22日まで開催されるビッグセール「プライムデー」の期間中はさらに値下げされており、32GBのFire HD 10なら9980円と1万円切りで購入可能だ。



・Amazonでプライムデーを開催中 数多くのAmazonデバイスがお得に



●タブレットであるFireを「Echo Show」と同じように使える



 Fireタブレットをワイヤレス充電スタンドと組み合わせ、ディスプレイ付きスマートスピーカー「Echo Show」シリーズと同じように使えるギミックは、2020年に発売された8型モデル「Fire HD 8 Plus」で実現済みだ。今回のモデルはいわばその大画面版にあたるが、画面サイズ以外にも違いがあるのかは気になるところだ。



 まずはざっと使い方をチェックしておこう。Echo Showのように使うための「Showモード」は、専用ワイヤレス充電スタンドにセットすることで、自動的にオンになる。これにより画面がEcho Showのような、時計表示および情報表示を行うためのデザインに切り替わる。全く別のOSが起動したようなイメージだ。



 この状態で声をかければ、Echo Showと同様に、天気やニュースを読み上げたり、音楽を再生したり、スマートホームスキルを使って家電を操作できたりする。



 ちなみに専用スタンドを使わず、画面を上から下へとスワイプすると表示されるメニューから、手動でShowモードをオンにする方法もある。専用スタンドは単にワイヤレスで充電できるというだけで、スピーカーが内蔵されているわけでもなく、Showモードのオン/オフを手動で行いつつ、充電も別途有線で行うならば、特にスタンドは必須ではない。



 また本体を充電スタンドから持ち上げると、このShowモードが自動解除されるので、タブレットとしての利用と、スマートディスプレイとしての利用をシームレスに切り替えられる。手動で切り替える手間が不要なのは非常に便利だ。



 ただし本稿執筆時点では、ワイヤレス充電スタンドから取り外した時にShowモードが自動解除されなかったり、スタンドに載せた時にShowモードのオン/オフが数十秒ごとに繰り返されたりするなど、接触不良かソフトウェアの問題か判断しかねる挙動が見られる。同製品のカスタマーレビューでも類似の報告があるので、筆者の購入した個体だけの問題ではなさそうだ。



 現在もAmazonの販売ページでは在庫切れの状態が続いており、このあたりが影響しているのかもしれない。



 本製品の兄弟機であるFire HD 8 Plusのワイヤレス充電スタンドはこのような症状がなく、正しい挙動であれば快適に使えるのは間違いないため、以下の評価はそれを前提に進めるが、これからワイヤレス充電スタンドを購入する場合は、レビューなどで最新の情報をキャッチアップすることをお勧めしておく。



●Echo Showとほぼ同じ使い方が可能 マイク感度は差あり



 さてこのShowモードでは、どのようなことができるのだろうか。画面を右から左にスワイプすると、Echo Showと同じく、利用頻度の高い6つの機能へのショートカットが表示される。これらを使えば、音声で呼び出さなくとも、画面タップで任意の機能を呼び出して操作が行える。



 Showモードでできる操作は、基本的にEcho Showと同じだ。中には、呼びかけに使うウェイクワードが、Echo Showの場合は4つの選択肢から選べるのに対して、本製品はAlexaとAmazonの2択しかないなど、機能が省略されている場合がある他、インカメラを監視カメラのように使うといった特殊な機能はないが、それ以外はおおむね同等と考えてよい。



 ただしマイクの性能は、Echo Showとはかなりの差がある。聞き取り性能が最大になるようチューニングされているEcho Showと異なり、本製品はタブレットをベースとしているためか、マイクの性能は高くなく、至近距離から呼びかけてもなかなか反応してくれないことがある。



 試した限りでは、従来モデルに比べかなり小さな声にも反応するよう改善されているように思えるが、それでもEcho Showやその他のEchoシリーズとは差がある。両者を同じ室内で併用すると、手前にある本製品ではなく遠くにあるEcho Showが応答することがあり、かなりのストレスだ。利用場所を分けるなどして対応するしかない。



●モードによる使い方の違いが混乱を招く?



 さて本製品には、ワイヤレス充電スタンドと組わせてスマートスピーカーとして使うにあたり、多くのユーザーが混乱するであろう点が2つある。



 1つは、Fireの画面にロックがかかった状態だと、スマートホームを操作しようとした場合に「端末をロック解除してください」と答えられ、操作が行えないことだ。



 本製品は過去のモデルと異なり、セットアップ時にPINまたはパスワードの設定が必須な仕様に改められている。これは設定完了後に手動解除することも可能なのだが、これが有効のままだと、Showモードで天気を尋ねたり、音楽を再生したりするなどの基本操作はできても、スマートホームを操作しようとするとロック解除を求められる。これでは使い物にならない。



 これを回避するには、ハンズフリーの設定にある「信頼できるネットワーク」を開き、現在接続中のWi-Fiを追加する。これにより、そのWi-Fiネットワークに接続している間は、ロックを解除しなくとも、スマートホームデバイスが操作できるようになる。例えば自分の部屋でのみ専用のSSIDを使うようにすれば、自室内での利用時は、前述の操作でロック解除が不要になる。



 もっとも、Wi-Fiの電波が届く範囲は部屋単位で都合よく区切れるわけではなく、家族と共用している場合は混乱を招きかねない。また上記の設定を行っていても、ホーム画面を右から左へスワイプすることで表示されるメニューは、ロックがかかったままだと表示できない。



 結果的に、やはりロックは解除しておいた方が使いやすいという結論になりがちだが、その状態では誰でもFireを操作できてしまうので、プライベートな性格が強いアプリ、具体的にはメールなどの利用はためらわれる。1人暮らしのユーザーならまだしも、こうした利用環境ごとの使われ方が、きちんと想定されていない印象を受ける。



 整合性という点ではもう1つ、2020年のアップデートで追加された、スマートホームデバイスを効率的に操作するための画面「デバイスダッシュボード」が、Showモードがオンのままでは利用できないのも気になる。本製品をワイヤレス充電スタンドに立て掛けた状態でこの画面を呼び出すには、手動でShowモードをオフにし、そこから起動するという二度手間がかかる。



 おそらくこのデバイスダッシュボードは、Showモードでなくともスマートホームデバイスを簡単に操作できるのが売りのはずで、元よりShowモードで使うことは想定されていないはずだが、ユーザーからしてみると、モードを問わず共通のUIを使えた方が分かりやすいのは明白だ。このあたり、Amazon側がどのような使い分けを想定しているのかは、実際に使っていても意図が伝わってきにくい。



●8型と比べて広い置き場所を必要とすることに注意



 以上のように、操作の整合性が取れていない部分や、前述のワイヤレス充電スタンドの不具合と思しき挙動は気になるが、タブレットとスマートスピーカーをまとめてそろえられる、便利なデバイスであることに変わりはない。今回のFire HD 10 Plusは、従来モデルに比べてメモリ容量が増えつつも実売価格は2万円以下をキープしており、そうした意味でもお得だ。



 今回試した限りでは、従来の8型モデルであるFire HD 8 Plusとは、画面サイズやメモリ容量以外の目立った違いはないようだ(CPUはFire HD 8 Plusが2.0GHzクアッドコアに対して、Fire HD 10 Plusは2.0GHzのオクタコア)。そのため、大画面が必要であれば本製品を、コンパクトさ優先ならFire HD 8 Plusを選ぶことになる。本製品は画面サイズが大きいぶん設置スペースも取るので(実測で幅が約25×奥行きも16cmは必要だ)、置き場所に困りそうなら、従来のFire HD 8 Plusを選ぶのも手だろう。


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