RSC第6戦は契約更新のモスタート先勝も、SVGが“サンデイ・ダブル”でタイトル争い独走へ

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2021年06月22日 15:31  AUTOSPORT web

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シリーズ再開となったダーウィン・トリプルクラウンで、“サンデイ・ダブル”を決めたシェーン-ヴァン・ギズバーゲン
5月28日〜30日の週末にオーストラリア・ビクトリア州のウィントン・モーターレースウェイで開催予定だった第5戦“スーパースプリント”の開催を延期し、本来なら第6戦として予定されていたダーウィン・トリプルクラウンが6月18〜20日の週末に先行開催された。その土曜初戦をウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)のエース、チャズ・モスタート(ホールデン・コモドアZB)が制し、長期契約更新発表を自ら祝う今季2勝目をマーク。

 続く日曜は、バイクトレーニングで骨折の大怪我を負いながら、2021年開幕6連勝と最高のスタートダッシュを決めたレッドブル・アンポル・レーシングの2016年王者シェーン-ヴァン・ギズバーゲンが躍進。2ヒート連勝を飾り、ポイント上でも独走体制に入る“サンデイ・ダブル”を決め、今季勝利数を8に伸ばしている。

 5月以来ひさびさの再開となったシリーズ第6戦は、このレースウイークに向けた特別イベントとして、先住民族“アボリジニ”の文化や自尊心を尊重する趣旨で、独創的なアート表現を持つ“アボリジナルアート”を採り入れたスペシャル・リバリーを採用するマシンが数多く登場した。

 そんななか予選シュートアウトを制したのは、開幕からここまで不調が続いていたディック・ジョンソン・レーシング(DJR)で、今季から新エースに就任したアントン・デ・パスカーレ(フォード・マスタング)がポールポジションを獲得。フロントロウ2番手には、こちらも復調を誓う大ベテラン、2015年王者のマーク・ウインターボトム(ホールデン・コモドアZB/アーウィン・レーシング・チーム18)が続いた。

 すると今季のラウンド12となる土曜のレース1では、そのウインターボトムがスタートで大きく出遅れ後続に飲み込まれると、代わって2列目3番手発進だった“SVG”ことヴァン・ギズバーゲンがターン1のブレーキングでインサイドラインを狙う抜群の蹴り出しを見せる。

 そのトリプルエイト・レースエンジニアリングのマシンに対しドアを閉めようとしたフォード陣営のエースは、後方4番手からレイトブレーキングで飛び込んできたウインターボトムの僚友、スコット・パイ(ホールデン・コモドアZB/デウォルト・レーシング・チーム18)に弾き出され、スピンを喫してしまう。

 この混乱により、ウインターボトム含む都合5台ものマシンが巻き込まれたことで、早々にセーフティカー(SC)の出番が回ってくる。

 ターン1の事故車両回収に6周を要したスロー走行のピリオドを経てレースが再開すると、リスタートで首位を守ったSVGに対し、8番手スタートだったモスタートがラップごとにポジションを上げる猛烈な追い上げを開始。11周目にはニック・パーカット(ホールデン・コモドアZB/ブラッド・ジョーンズ・レーシング)を仕留め、早くも2番手にまで浮上してくる。

■レース2、レース3でも“横綱”SVGが優勝。シリーズ首位独走へ
 するとピットウインドウが開いたところで、今度は首位を行く選手権リーダーに悪夢が襲い、22周目のピット作業で左リヤタイヤのホイールナットにトラブルが発生し万事休す。ここで大きなロスタイムを喫したSVGは、チームメイトの7冠王者ジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB)に次ぐ13位フィニッシュが精一杯となった。

 これで労せず首位を手にしたモスタートは、2020年のチーム移籍後、WAUでの通算2勝目を記録し、終盤にパーカットをかわしたキャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング/ティックフォード・レーシング)が2位に入るポディウムとなった。

 明けた日曜午前にも、まずはこの日の2ヒートに向けた予選シュートアウトが争われ、今度はチームメイトの雪辱を期すDJRのウィル・デイビソン(フォード・マスタング)が連続トップタイムでポールポジション奪取に成功する。しかしここでもホールデン陣営トップチームのトリプル・エイト勢が立ちはだかり、今度はフロントロウを確保したSVGがターン1でホールショット。デイビソンと僚友ウインカップを従えて、38周の日曜スプリント初戦を制した。

 すると続くレース3でも前戦のリプレイを見るかのようにデイビソンに先んじたSVGが首位でターン1を通過すると、アンダーカットを狙って早めのピット作業を終えたデイビソンにも反応し、完璧に封じ込める横綱レースを展開。レース2とまったく同様のオーダーで首位チェッカーをくぐったSVGが、キャリア通算48勝目を記録し、オーストラリアの英雄として知られる伝説的ドライバー、ピーター・ブロックのシリーズ勝利記録に並ぶこととなった。

「数字のことは意識していなかったが、まさか自分が彼(ブロック)のような人物と並んで比較されるなんて考えてもみなかった。彼がどんな人で、多くの人にとって、今でも彼がどれほどの意味を持っているかを考えてみてほしい」と、喜びを表現したSVG。

「昨日の(ホイールナット)トラブルは残念だったが、レースでは僕のクルマが速いと分かっていた。週末は3戦とも抜群のスタートが切れて、それが勝利の鍵になった。これは自分にとっても驚くべきことだね(笑)」

 この結果により、SVGはシリーズポイントを1361点まで伸ばして首位独走体制を固め、2位には1140点で僚友ウインカップ、そして3位に1131点のモスタートが続くオーダーに。延期中のウィントン・スーパースプリントは開催日未定ながら、7月9〜11日の第7戦タウンスヴィル500に続いての実施が予定されている。

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