暗黒時代再来か…日本ハムが低迷、最大の原因は“有能コーチ”の退団?

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2021年06月22日 18:00  AERA dot.

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写真日本ハム時代の吉井投手コーチ(左) (c)朝日新聞社
日本ハム時代の吉井投手コーチ(左) (c)朝日新聞社
 日本ハムの低迷は、吉井理人(現ロッテ投手コーチ)の退団から始まったのか……。

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「投手陣ではエース有原航平(レンジャーズ)がメジャーに移籍したが、若手の台頭も期待されていた。野手陣も西川遥輝が残留してくれたし、清宮幸太郎、万波中正などの成長が見込まれた。戦力は下がっていないと感じていたので、まさかここまで低迷するとは思わなかった」(日本ハム関係者)

 今季の日本ハムは開幕から不調が続き、いまだ復調の気配は見えない。オールスター前ではあるが、すでに諦めの声も聞かれ、栗山英樹監督の去就問題が早くも噴出している。勝てない要因として、12球団ワーストのチーム打率.226(以下、成績はすべて6月21日時点)の打線も指摘されるが、投手陣もチームを支えられていない。上沢直之、ルーキーの伊藤大海など先発陣は頑張っているが、チーム防御率(3.73)はリーグ4位。救援陣の防御率(4.08)はリーグワーストとなっている。

「毎年のように好素材をドラフト指名しても、ある程度のところで成長が止まってしまっている。そういった投手が一軍入りしても、当然、他球団に比べればチームの投手レベルは低い。かつては育成部分に関しては定評があったのですが……。投手が育たない大きな理由は吉井さんの退団ではないか」(日本ハム担当記者)

 吉井は投手コーチとして、08〜12年(10年は二軍担当)に日本ハムに在籍。15年のソフトバンクを挟み、16〜18年は再び日本ハム、そして19年からはロッテで同職を務めている。各チームで手腕を発揮し、日本ハムではダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)を指導したこともある。

 現在エース格の上沢も吉井コーチが日本ハムにいた18年シーズンにキャリアハイの成績をマーク。また、今季からメジャーに移籍した有原は、野球専門メディア「Full−Count」を通じて寄せた手記(21年2月7日付の記事)の中で、プロ生活の中で一番大きな出会いとして吉井コーチの名前を挙げ、「配球を含め、意識が変わりました」と感謝の気持ちを述べている。かつての“教え子”の声からも選手たちに与えている影響の大きさがうかがえる。

 チーム防御率も吉井コーチが日本ハムで2度目の就任をした16年は、前年の15年がリーグ3位(3.62)だったものが、リーグトップ(3.06)に。17年はリーグ4位(3.82)となったが、18年はリーグ2位(3.77)に改善している。ロッテでも就任前のシーズンがリーグ5位(4.04)だったものが、コーチとなった19年にリーグ4位(3.90)、昨年はリーグ2位(3.81)と徐々に向上している。選手の出入りもあり一概にコーチだけの手腕とは言えないが、数字的にはしっかりと結果を残しているのは間違いないだろう。

「経験豊富なだけでなく技術向上に関しても貪欲で理論派。親しみやすい性格に加えて、投手の気持ちを大事にするコーチ。自分の経験だけを押し付けるのではなく、投手に寄り添って適切なアドバイスをしてくれる。ダルや大谷とも、お互いにリスペクトし合う良好な関係を築いていた」(日本ハム関係者)

「投手を守るコーチ。登板間隔や球数など、少しでも無理がかかると思ったら投げさせない。メンタル面のケアも忘れない。選手から聞いてこない限りは、自分の考えの無理強いもしない。若い世代との年代差ギャップを感じさせない、優しくて面白い“おっちゃんキャラ”。投手陣はやりやすかったはず」(日本ハム担当記者)

 現役時代は、日米通算23年間で121勝62セーブを記録。先発、抑えの両方で活躍し、多くの修羅場をくぐった経験を持つ。またコーチをしながら筑波大学大学院で野球指導に関するコーチ理論を学び、修士(体育学)の学位を取得。野球界の理想の姿を求め結果にもつなげている。新世代のコーチとして最も評価されている1人だ。

「二木康太、小島和哉、岩下大輝……。ロッテの若手投手の成長は吉井コーチの手腕が大きい。佐々木朗希をじっくり育成できるのもそう。投手を守るため監督やフロントにも意見するため、ギクシャクすることもある。それが日本ハム退団の原因の1つだとも言われている。しかし井口資仁監督はメジャー経験もあり議論は当然だと考えている。非常に良い関係性です」(ロッテ担当記者)

 日本ハムには吉田輝星(18年ドラフト1位)、生田目翼(18年ドラフト3位)、今年は主にリリーフ投手として結果を残している河野竜生(19年ドラフト1位)、立野和明(19年ドラフト2位)など、期待の若手ピッチャーがいないわけではないが……。

「日本ハムは選手の能力を独自に数値化した『BOS(ベースボール・オペレーション・システム)』を採用している。スカウティングまでは理想的。しかし結局、最後は人。プレーするのも指導するのも人。今のコーチ人事が悪いわけではないが、投手指導に関しては吉井の手腕が抜きん出ている。球界を代表する名コーチの流出が、最大の戦力ダウンになりました」(在京球団編成担当)

「米国を参考にした斬新な方法を取り入れた。データ、数値によるチーム編成。鎌ヶ谷に二軍施設を置いて若手選手育成に注力。かつては日本ハムが最先端だったが、ソフトバンクをはじめ今では多くの球団に先を行かれた。加えて人材までいなくなったのなら大問題。早めに手を打たないと東京ドーム時代のような暗黒期が来るかもしれない」(日本ハム担当記者)

 吉井コーチが日本ハムに在籍した8年中、チームは3度のリーグ優勝(日本一1回)を成し遂げた。勝利には多くの要素が絡むとはいえ吉井がコーチとして結果を残しているのは明白だ。日本ハムとロッテのチーム成績も、吉井コーチの日本ハム退団と、ロッテ就任以降で立場が入れ替わった。

「日本ハム低迷の原因は吉井コーチ流出が発端」というのは、決して乱暴な意見ではなさそうだ。


















このニュースに関するつぶやき

  • 栗山監督1年目、下準備に根回し全部やってくれてたのは福良ヘッド(当時)、うるさ型の白井コーチ、投手を守るために意見ぶつけた吉井コーチ、フロントの勉強までさせた中嶋監督、そりゃー https://mixi.at/aa2229g
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  • 吉井コーチだけの問題ではない。それ以外にも「クリヤマ色」を強くするがために、数多くの有能な指導者がハムを去った。結局はクリヤマの「イエスマン」だらけにしたことが、全ての元凶。
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