「F1復帰以降初めて、すべてにおいて相手を上回って勝った」チームの団結も強固に/ホンダF1山本MDインタビュー

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2021年06月22日 20:41  AUTOSPORT web

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ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター
2021年F1第7戦フランスGPの決勝レースでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが2ストップ戦略を採って優勝を飾った。チームとしてモナコ、アゼルバイジャンに続く3連勝となり、ホンダにとっては30年ぶりの3連勝だった。

 ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、今回の勝利でチームの団結がいっそう強まったと感じており、レッドブルの本拠地であるレッドブルリンクでの2連戦を楽しみにしていると語った。

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──エキサイティングなレースでした。3連勝、おめでとうございます。

山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):レッドブル・ホンダとして、レッドブルにあっぱれという感じですね。元々レース前にプランAは1ストップ、プランBは2ストップというのがありました。土曜日の夜と日曜日の朝に雨が降って、路面状況が予選までと異なり、タイヤのデグラデーションが読めない。それ次第では2ストップかなと言っていましたが、その辺りはマックス(・フェルスタッペン)の走りとチームの判断力がやっぱりすごいなと思うレースでした。2回目のピットストップを行ったときは、正直追いつくのかなと思ったくらいギリギリの戦いでした。残り2ラップで抜いたときはあっぱれという感じでした。

(セルジオ・)ペレスも1ストップで(バルテリ・)ボッタスの様子も見ながらペースをうまく配分して、最後に追い抜く凄まじいレースを行いました。あの10コーナーでのアウトから抜いていくシーンは感激しました。今日のレースに関していえばドライバー、車体、エンジン、チームの戦略、総合力の勝利。我々がF1に復帰して以降、初めてそれらすべてで相手を上回って勝ったレースだったと思うので、個人的にも印象深いレースとなりました。

 これでチームがますます一枚岩になっていく感じがします。この後、すぐにオーストリアに移動して、レッドブルリンクでの2連戦が本当に楽しみです。レッドブルのホームコースで、昨年は2レースあったのにうまくいかなかった。今年はなんとか2019年のような流れを作りたいと思っています。

──チームは当然、逆転できると思って2ストップにしたと思うのですが、残り19周で18秒の差がありました。逆転できないという不安はなかったのですか。

山本MD:ミディアムタイヤに変えて、1分36秒台のファステストラップを連発したときは「これなら追いつく」と思ったんですけど、トラフィックに出くわしてペースが停滞した時は、『このままで大丈夫なのか』と思ったことも確かです。ルイス(・ハミルトン)も頑張っていたけど、さすがに後半はタイヤが厳しくなっていた。最終的にすべてがうまくいきました。でも、トップを走っていて、あのタイミングでピットインさせるなんて……。あっぱれです。

──これで3連勝です。ホンダにとっては、1991年以来30年ぶりの3連勝となりました。この3連勝はホンダにとってどんな意味を持ちますか。

山本MD:毎戦毎戦チームの雰囲気がよくなっているし、レッドブルもホンダの最終年ということを意識してくれています。今日すごくうれしかったのはレッドブルのGP(ジャンピエロ・ランビアーセの愛称/フェルスタッペンの担当レースエンジニア)が、レッドブル・ホンダを代表して表彰台に上がったとき、左胸にあるホンダのHマークを右手で何回か叩いてくれたことです。僕も彼にありがとうと言って彼に視線を送っていました。表彰式の後、チームと一緒に記念撮影をするとき、GPに「ホンダのHマークを叩いていたよね」って言ったら、「そうそう」と言ってくれました。

 本当にいまはチームの雰囲気がすごくよくなっています。だから、レッドブルリンクでもいいレースをしたいです。もちろん4連勝できたらうれしいですけど、それよりも1戦1戦しっかり自分たちが納得できるレースをしていけば、今シーズン終わりにはいい結果になるんじゃないかなと、いまはそう思っています。

──ヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)やクリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)とは、何か表彰台の下でやりとりはありましたか?

山本MD:ペレスも3位に入り、1-3で連勝したことに対してよかったね、と。それと今日は(MotoGPドイツGP決勝レースでホンダのマルク・)マルケスも勝ったということで盛り上がっていました。さらに今日は日本のスーパーフォーミュラでも勝った。今日はホンダ・デーです。これを続けられたらいいなと思っています。

──また表彰式にはマクラーレン・ホンダ時代にチーム代表を務め、現在はフランスGPのマネージングディレクターを務めるエリック・ブーリエもいました。

山本MD:マクラーレンとはいろいろあったけど、マクラーレンと組んだ3年間で勉強した結果がいまに繋がっていることも事実です。レースは継続することで強くなる。レッドブルとも今年で3年目ですが、それはマクラーレンから始まっていまがあると思っています。だから、エリックとはいまも普通に笑顔で会話もしていて、前回(2019年)フランスGPでポール・リカールに来たときも、「ホンダなら、必ずやれる」と言ってくれていていたので、今年はそれに応えることができてうれしいです。

 表彰式では、表彰台の上にいたエリックが、下にいる僕たちを見ているのがわかった。だから、目と目で会話をしていました。さらに表彰式の後、直接「優勝おめでとう」とも言ってもらい、本当にうれしかったです。

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