立花隆さん死去 生前語っていた“知の巨人”の大量読書術「人間の脳は、すごいよ」

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2021年06月23日 12:00  AERA dot.

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写真立花隆さん/2006年10月撮影(c)朝日新聞社
立花隆さん/2006年10月撮影(c)朝日新聞社
「読書とは、インプットではなく、スループットだ」

 4月30日に急性冠症候群のため死去していたことがわかったジャーナリストで評論家の立花隆さん(享年80)は、2001年7月9号の「AERA」で自身の読書のあり方をこう語っていた。

【写真】壁がすべて書棚に覆われ…立花隆さんの仕事場「知の要塞」が写ったAERAはこちら

 ときの首相の退陣につながった「田中角栄研究」などの調査報道があまりに有名だが、それ以外にも経済や医療や宇宙など、さまざまなテーマで次々とベストセラーを生んだ。

 本を愛し、本に囲まれる生活を送っていた「知の巨人」の読書とは、いったいどのようなものだったのか。当時61歳だった立花さんの読書術を再掲する。

*  *  * 
 立花隆さんが、近著『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』で、速読術を披露した。

「その日、読まねばならない本が5冊あれば、全部を読む。10冊あっても、無理して読む」

 という達人の教えである。

――本当にそんなに読めるの?

 多くのひとが抱いてきたこの疑問に、実践的なテクニックを列挙して答えている。ではまず、そのポイントを見ていこう。

 最初に、立花さんは、速読できる本とできない本を区分けしている。趣味で楽しむ小説などに速読は不要だ。仕事のために、分厚い専門書から必要な情報を取り出さねばならない。そんな場面こそ、速読の出番だという。
 
■パッパッパッのリズム

続いて、こんな手順をあげる。

(1)深く意味がつかめなくても、とにかくサァーッと目を走らせる。
(2)次に、本の頭に戻り、パラグラフ単位にもう少し細かく読む。
(3)流れを把握できたら、あとは気になる箇所に戻りながら、さらに読みを重ねていく。

 これが、立花式だ。大切なのは、その時々で柔軟に、自分で(1)〜(3)の配分を決めること。3段階にもこだわらない。

 さらに、そのための具体的な読み方も示した。次の手法は、試した読者も多いはずだ。立花式の真骨頂ともいえそうな部分である。

「パラグラフ単位に、頭の文章だけ読んでいく。続き具合がわからなくても、ワンセンテンスでやめて、次のパラグラフに飛ぶ。全ページをとにかくめくってしまう」

 こうなれば、自分の目で立花さんの読書を見たい。そこで、東京・小石川の仕事場を訪ねた。地下2階から地上3階まで、壁がすべて書棚で覆われた「知の要塞」だ。

 ところが、開口一番に立花さんが強調したのは、ちょっと違う点だった。

「速読には、準備が必要です」

 ちょうど、週刊誌に連載している「私の読書日記」の締め切り直前だった。机上に、書評に取り上げたヘッジファンドの本があった。

 この連載には、毎回さまざまな分野の6〜8冊が登場する。しかし、それは6〜8冊だけ読んで書かれてはいない。1冊の背後に、数倍の本が隠れている。

 つまり、なぜ素早くヘッジファンドの本を書評できたか。それは、金融工学やデリバティブに関する膨大な研究書の渉猟があるからだ。これが、立花さんのいう「速読の準備」である。膨大な知識の蓄積がバックグラウンドになっている。

「蓄積があるから、こんな読み方で、中身がわかるんだよね」

 そういって、いよいよ立花さんが、本を手に取った。(2)の「パラグラフ読み」である。

 速い!

 これは驚いた。鮮明だった。事前の想像とは、まったく違う。そうか。そういうことだったのだ。口に出して、

「パッ、パッ、パッ……」

 といってみる。ちょうどそのリズムと同じ速さで、そのままページをめくる感じだ。
 
■高い集中力を保つ訓練

 おそらく多くの読者は、

「パラグラフ単位でもう少し細かく読む」

 と立花さんに教われば、じっくり読んではいないにしても、それなりの速度で「読む」ことを想像するだろう。が、目の前で立花さんが読んでいく姿は、違う。1ページに1秒もかからない。次々とページを「見る」スピードだ。

 立花さんは、紙面の都合で本には書けなかった速読のポイントを、丁寧に説明してくれた。

「読書とは、インプットではなく、スループットだ」

 えっ? 逆でしょう!と思うだろうか。読んで頭に「ためる」のではなく、頭を「通過させる」という。そうやって通過させても残った内容こそ、頭が無意識に選び取った重要な内容なのだ。

 通過する量は「流速」×「時間」で決まる。流速とは、集中力の高さのことだ。高い集中力を長く保つのは、訓練のたまものである。

 立花さんが長年にわたり取り組んだロッキード裁判では、大量の答弁書や判決文を短時間で読み解き、テレビや雑誌でリポートする必要があった。そんな過酷な状況が、立花さんを鍛えたという。

 「人間の脳は、すごいよ。鍛えれば鍛えるほど、回転するんだ」

 自分の頭を鍛えて、それを信じろ。そう立花さんはいった。

(編集部・伊藤隆太郎 AERA 2001年7月9日号から再掲載)

このニュースに関するつぶやき

  • まぁクズみたいな雑文書きやし無知無能やから評論家風情が限界やったんやろな(((o(*゚▽゚*)o)))たった5冊や10冊程度やったら京大系研究者にはなれへんわ(((o(*゚▽゚*)o)))
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  • そりゃミステリだって知識の積み重ねの上で読むのと読まないのでは内容の深みが変わるからねぇ。幅広くいろんなことを知ってないと面白さが半減すると思っている。
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