開幕戦から大きく前進。岩佐歩夢、全3レースで入賞「上位を走ったからこそ学ぶものが多かった」/FIA-F3第2戦

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2021年06月23日 20:11  AUTOSPORT web

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2021年FIA-F3第2戦フランス 岩佐歩夢(ハイテックGP)
フランスのポール・リカール・サーキットで行われた2021年FIA-F3第2戦。ハイテックGPの岩佐歩夢は3レースすべてで入賞を果たし、ドライバーズランキングでも12位につけた。レース1、2で上位を走り、学ぶことも多かったという岩佐は、それと同時に「新たな課題が走れば走るほど出てきた」と週末を振り返った。

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■レース1:一時首位を走行をも、ペナルティで8位に
 FIA-F3第2戦フランスの予選では、8番手とまずまずの速さを見せた岩佐歩夢(ハイテックGP)。12番手までリバースグリッドが採用されるレース1を5番グリッドからスタートし、一時首位を快走。最終的に3位でチェッカーを受けたが、コースをはみ出しながらオーバーテイクしたことで5秒タイムペナルティを受け、8位に後退。初表彰台は幻となってしまった。

──スタートからペースがよく、豪快なオーバーテイクも見せてくれました。それだけにペナルティは残念でした。

岩佐歩夢(以下、岩佐):はい。スタートはうまく決まって、前の2台の蹴り出しと伸びがよくなかったこともあって、1コーナーまでに横に並べました。そこのブレーキング勝負で、前に出ることができました。

 レース1はタイヤのことは考えずに、とにかくプッシュし続けようと。タイヤがタレるのもそんなに早くないと想定していましたし、どんなドロップの仕方をするか見極めたい思いもあって、最初から積極的にプッシュしていました。終盤はさすがに少し苦しくなって、右コーナーがアンダーステアで、左がオーバーステアというちょっとコントロールのしにくい挙動になっていきましたね。それでも抜かれた後もついていけましたし、クルマとしてはそんなに悪くなかったかなと思います。

 ただ結果的に、オーバーテイクの際にコースからはみ出したということでペナルティを受けてしまいました。それは残念だし、反省点ですけど、今後のレースに活かせることはすごく多かったですね。

──F3で初めてトップに立った時の気持ちは?

岩佐:2、3番手を走っていた時からペースはよくて、オーバーテイクできる感触はありましたから、実際にトップに立った時も「ああトップだ」という感慨は特になくて、それより「早く(後続を)ちぎらないと」という思いの方が強かったですね。DRS圏内から離さないと、とプッシュに集中しました。そうしたら無線で審議中だと言われて、現実にならないといいなと思ったのですが、実際にペナルティを受けてからは、次に向けて改善しようとすぐに切り替えることができました。

■レース2:予想以上に低かった路面温度がマシンバランスに影響
 同じ土曜日の6時間後に行われたレース2も、5番グリッドからのスタート。新品タイヤはあと1セットしかなく、「日曜日のレース3の獲得ポイントが大きいこともあって」そのタイヤはレース3に回し、レース2は中古タイヤで臨んだ。

 反応は悪くなかったものの、「少しクラッチスピンが多くて、やや出遅れた感じ」だったスタート。それでも5番手順位はキープしたものの、「ペースが遅かった」という。

──レース2をユーズドでスタートしたことの影響はどれくらいありましたか?

岩佐:詳しくデータ分析はできていないのですが、最初の数周の発熱の違いはあるようでした。序盤にペースが伸びなかったのは、ユーズドが影響していたかなと。あと最後の数周でタイヤが少しドロップしたのも、ニュータイヤとの差だったかなと思います。

──路面温度が低かったことで、アンダーステアが一層ひどくなった。それとユーズドとの因果関係はありますか?

岩佐:マシンバランスに関しては、ユーズドだからというのはあまりなかったと思います。あくまで予想以上の低温が一番影響した印象です。もっと暑くなると思っていたのがかなり冷えていて、バランスが急激に変わってさらにアンダーになってしまった。特に隊列にいるときのペースが悪くて、後半に向けてどんどんアンダーになっていきました。それで最後はさらに順位を落としてしまいました。

■レース3:F3初のウエットレースも「あまり心配せずレースに臨んだ」

 レース2は9位入賞。そして日曜日のレース3は、通常グリッドの8番手からスタートした。直前から雨が降り出し、ウェット路面でのレースとなった。

岩佐:雨自体は去年のフランスF4でもここで経験しいてたので、そんなに心配はしていませんでした。とはいえセットアップをどう変更するか、エンジニアはかなり悩んでいて、こういう状況ではとにかく走ってみないとわからない。僕自身はあまり心配せずに、レースに臨みました。

 スタート自体はトラクションがかからずに何台かにかわされたのですが、何とか順位を戻して、そこからは自分のドライビングで状況に対応していくしかなかったですね。その後無線で「雨が止んだ」と情報が入って、そこからはタイヤを冷やしながら周回を続けました。

 でも終盤の約3周は、完全にタイヤが死んでいました。そこは前後のクルマも同じだったようで、間隔はほとんど変わりませんでした。ただそんな状況でも、ドライビングで何とかできたんじゃないかなという思いはあります。チームメイトふたりも、けっこういいペースで走っていたようです。

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 レース3ではオーバーヒート気味のレインタイヤに苦しみながらも、後半13周目にアレキサンダー・スモリヤー(ARTグランプリ)をオーバーテイク。7位でレース3を終えた。フランスでの3レースは、8位、9位、7位。上位入賞こそならなかったが、全レースでポイントを獲得し、選手権では暫定12位につけた。

──開幕戦3レースに比べて、今回は前進できた手応えはありましたか。

岩佐:はい。F3初めての雨ももちろんですが、レース1、2で上位を走ったからこそ学べるものがすごくあったなと感じました。

──具体的にはクルマのことでしょうか? あるいは自分のドライビングですか?

岩佐:あらゆる面で得たものがありましたけれど、なかでも自分のドライビングですね。開幕戦で見えた課題も、今回いろいろ改善できた手応えはあります。ただこの週末、新たな課題が走れば走るほど出てきたし、まだ伸ばすべき部分は多いです。

──プレマなどの上位チームに比べて、足りない部分はどういうところでしょう?

岩佐:開幕戦では上位からレースができず、今回は上位陣と同じペースで走ったわけですけど、そのなかでもタイヤの保たせ方とか、競り合いをしてる時の背後のつき方とか、すごく勉強になったし、まだまだ改善の余地があると思いました。

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