F1 Topic:ブレーキングで後れを取っていた角田。Q1で修正を試みるも「1周目にやるべきではなかった」

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2021年06月23日 22:21  AUTOSPORT web

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2021年F1第7戦フランスGP 予選Q1でクラッシュした角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第7戦フランスGPの取材を終えてサーキットを出ようとしたとき、ふと角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)の予選後のコメントが気になった。

 予選Q1の1回目のタイムアタックに入った直後、1コーナーの立ち上がりでスピンしてクラッシュした角田。その理由を「ターン1で黄色の縁石に乗ってしまい、スピンを喫しました」と語った。

 日曜日の深夜のサーキットは、機材を次のサーキットへ搬出するためにコースがオープンになっていたので、1コーナーまで足を運んで、黄色の縁石を見に行った。

 黄色い縁石とは、通常の赤白縁石のさらに外側にある縁石のことで、いわゆるソーセージ縁石のことだ。この縁石はショートカットを防止するために、通常の赤白の縁石より高くなっており、ポール・リカールの1コーナーには、3つある黄色い縁石の真ん中に、黄色いボラード(進入を阻止したりする目的で設置される地面から突き出した杭。いわゆるポール)も設置されている。

 この写真を見てもわかるように、赤白の縁石には多くのタイヤ痕が残っているが、黄色い縁石は真ん中の右隅が少し黒くなっているだけで、ほとんど通過していないことがわかる。

 では、なぜ角田は、ほとんどのドライバーが通過しない黄色い縁石を乗り越えたのか。1回目のアタックから攻めたのか。角田は「攻めたつもりはなかったんですけど……」と言った後、こう続けた。

「ブレーキングだけ、少し安定していなかったんです。FP1からブレーキで(チームメートのピエール・ガスリーに)負けている部分があって……。他は勝っていたのですが、ターン1と最終コーナーで(ブレーキングで)負けていて、そこで(タイムを)大きく落としていたので、まずはブレーキングをQ1の1周目で直したいという思いがありました」

 Q1の1回目のアタック。ホームストレートを駆け抜けていった角田は、ブレーキングポイントをいつもより、少しだけ遅らせた。

「ブレーキを奥にしたら、その分ブレーキが強くなってしまって、大きく失速してターンインで(左側が)縁石に乗り上がってしまいました」(角田)

 角田は「それを1周目でするべきではなかった」と反省。その理由は「FP3から大きくセットアップを変えていたんです。それでフロントがリアクティブ(より反応するよう)になったので、そのフィーリングをまず掴んでから、プッシュすべきだったなと思っています」とのことだ。

 予選後、角田はフランツ・トスト代表からこう諭されたという。

「大きくセットアップを変えたんだし、1周目からプッシュするのではなくて、ガスリーがやったようにアタックすればよかったんじゃないかな」

 ガスリーのQ1の1回目のタイムは角田から見ても、驚くべきタイムではなかったという。

「でも、それはあえてクルマのフィーリングを掴むために行っていたもので、それからプッシュするようにしていた。本当にクレバーというか経験があるなあと。僕は逆に最初から行こうとしていました……」

 イモラと同じように見えたミスだが、今回のミスにはイモラと違う理由が隠されていたのだった。

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