これぞ第六文明人の遺跡!復活のイデオン ダンボールで完成

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2021年06月24日 09:01  おたくま経済新聞

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これぞ第六文明人の遺跡!復活のイデオン ダンボールで完成

 ダンボールを使い、ロボットなどのコスプレを作る方々を「ダンボリアン」と呼ぶのですが、ダンボールの可能性を感じる数々の作品に感動すらおぼえます。富野由悠季監督が「機動戦士ガンダム」の次に手がけた伝説の名作「伝説巨神イデオン」の主役ロボット、滅亡した第六文明人の遺跡であるイデオンが、ダンボールで“復活”しました。


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 1980年に東京12チャンネル(現:テレビ東京)で放送された、富野由悠季監督のアニメ「伝説巨神イデオン」。地球人の植民惑星、ソロ星に伝説の無限エネルギー「イデ」を求め、異星人であるバッフ・クランがやってきたことで紛争が発生し、その中でイデの力が解放されていく……という作品です。


 当時、富野由悠季監督は「機動戦士ガンダム」を終えたばかり。この作品では、富野監督が「ガンダム」で描いた「人は分かり合えるのか」という命題が悲劇的な形で描かれ、宗教的・哲学的な内容と破滅的な終局に向かうストーリーが視聴者に衝撃を与えたのでした。この作品こそが富野監督の代表作、最高傑作だと語るアニメファンや関係者は少なくありません。


 そんな「伝説巨神イデオン」で、主人公のユウキ・コスモらが乗るロボットが「イデオン」。ソロ星で発掘された“第六文明人の遺跡”で、コスモら地球人たちは、イデオンと同じくソロ星で発掘された“遺跡”である宇宙船ソロ・シップとともに、バッフ・クランの重機動メカと戦いを繰り広げます。


 ロボットでありながら“遺跡”という異色のメカ、イデオンをダンボールで作り上げたのは、熊田イオさん。ダンボールで様々なコスプレ作品を作り上げる“ダンボリアン”の1人です。


 熊田さんに話をうかがうと、イデオンを作ろうと思ったきっかけは、2021年2月にWOWOWで放送された「劇場版 伝説巨神イデオン 接触篇・発動篇」の二部作を見たこと。これによって、自身の“イデ”が目覚めた熊田さんは「衝動的に」イデオン作りを始めたんだそうです。


 5か月弱にわたる、ダンボールによるイデオン作り。等身など、人間が入るコスプレとしてのフォルム調整は、熊田さんがフォローしているTwitterユーザーさんがアップした、着ぐるみにしたイデオンのイラストを参考にしたといいます。


 イデオンのデザイン自体は直線基調なので、いわゆる「箱組」の手法でスムーズに進んでいったそうなのですが、デザインの特徴である大きな肩が重さに耐えきれず、外側に開くような形で下がってしまったそうです。このため「フォロワーさんの助言で、100均のL字型ブックスタンドを補強にして解決しました」とのこと。


 また、ディティールについては「アニメのデザインがスッキリしすぎているので、モールドを増やして巨大感が出るよう気をつけました」と語ってくれました。確かに、イデオンはロボット形態時の全高が100mを超える巨大さですから、人間サイズにした際、スケール感を強調するのは大事ですね。


 熊田さんによると「今回はイデオン本体で燃え尽きました」ということで、イデオン最大の武器であるイデオン・ガン(波導ガン)などの小道具までは手が回らなかったとのこと。「同スケールのバジン(筆者註:第9話・10話で主人公たちがたどり着いたクリスタル・スターに生息する巨大な蜂のような生物)とかジョング(筆者註:バッフ・クランの白兵戦用3脚機動メカ)も作りたかったんですが……」とも話してくださったので、いずれ作られるのを期待してしまいますね。


 このダンボール製イデオンを熊田さんは、2021年7月17日に東京の浅草(台東区花川戸)にある、産業貿易センター台東館4Fで開催されるイベント「アメイジング商店街Vol.2」に出展予定とのこと。このイベントは様々なオリジナル玩具や同人誌、ゲーム、雑貨やアパレルなどが展示・販売されるもので、熊田さんのイデオンを生で見る貴重なチャンスになりそうです。



<記事化協力>
熊田イオさん(@travis37564)


(咲村珠樹)


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