昔の「銀歯」が危ないって本当ですか? 体調不良や認知症との関連性が指摘されています

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2021年06月24日 17:10  まいどなニュース

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写真「銀歯」について語る陳先生
「銀歯」について語る陳先生

 「銀歯」のリスクを最近よく耳にする。本当のところはどうなのだろうか。大阪・北千里と西宮北口に「めいゆう矯正歯科」を構える”歯科医師芸人”のパンヂー陳さんこと、陳明裕歯科医師にご登場願った。

【写真】陳先生は、ニューヨーク州立大でも講義をする名医です

−−最近、友人から「銀歯は危ないらしいで」って聞いたんですが、ホンマでっか?

 「そんな漠然と言われても困りますよ。相変わらずの無茶ぶりやなぁ。それって、もしかして、アマルガムのことですかね。もちろん、先に言っときますが、かむ方のガムじゃないですよ。
 じゃ、ちょっとお口開けて診せてもらって良いですか?ありゃまー、山本さん、健康保険の安もんの歯ばっかり入ってますね〜。この銀歯って実は水銀だってご存知でした?」

−−安もんって、まぁその通りですが…。「銀」やのうて「水銀」なん。それは知らなかったです。水銀って、あんまり体に良くないのでは?

 「削った後、粘土みたいなので型取りしてから作るインレーやクラウンという銀歯は貴金属でできていますが、削ってすぐに詰められるアマルガムという銀歯の場合、約50%は水銀です。水銀は炭素と結合すると毒性が強い有機水銀になりますが、一応、歯科治療では銀、銅、錫などと混ぜますので、それほど心配はいりません」

−−もー、ビビらせんといてくださいよ。

 「いや、それが最近の研究でそう安心でもないってことも分かってきたんです。山本さん、お年の割に、物忘れ激しい方ですよね」

−−えーと、今何の話してましたっけ?

 「水銀はね。神経毒性の高い重金属なんでアルツハイマー型認知症や自閉症等の疾患との関連性が指摘されていますので、もしかしたら、山本さんの記憶力が悪くなってきたのも、お口の中に銀歯をたくさん入れたからかも知れませんよ。実際、歯にアマルガム充填のある人、つまりアマルガムを歯の穴に詰めた人は、水銀の血中濃度が通常の6倍だったという報告もありますからね」

−−ちょっと怖くなってきましたが、それは絶対違うと断言できます。だって、私の記憶力が悪いんは昨日、今日始まったわけじゃありませんから。これは銀歯を入れるずーっと前からです。

 「あっ、そうでしたか、それは大変失礼いたしました。一応、我が国における公的な見解では『歯科の詰め物に使用される水銀は構造的に安定しており、身体に害はない』とされていますしね」

−−じゃ、これも単なる風評被害の一つなんですかね?

 「それが残念ながらそうとも、言い切れないんですよね。水銀は25度を超えると沸騰するため、歯に詰められたアマルガムも熱い食べ物や飲み物によって、アマルガムに含まれている水銀は容易に気化してしまいます。水銀って、例えば昔の水銀体温計の水銀を誤って飲み込んだとしても消化器官からはほとんど吸収されないらしいのですが、気化したのを吸い込むと簡単に蓄積されてしまうみたいなんです。なので、気化した水銀は厄介なんです」

安全なんか危険なんか、どっちやねん

−−安全なんか危険なんか、どっちやねん、と思いますが、今も禁止されずにずっと使われているんですよね?

 「そもそも、この治療法の歴史は古くって、1826年って言いますから江戸時代、今の大河ドラマの『青天を衝け』の渋沢栄一が生まれる前に、フランス人歯科医師が銀貨をやすりで削った粉を水銀に混ぜて、そのペーストを虫歯に詰めたのが始まりです。操作が容易で丈夫で長持ち、その上材料代が安いことから世界中に広がり、現代に至っています。
 とはいえ、さっき話した理由から世界中でアマルガムを規制する動きが進んでおり、1987年にスウェーデン政府が妊婦にアマルガムの詰め物をしないよう警告を発し、翌年にはイギリスでも同様の発表がなされて、この両国ではいち早く使用禁止になりました。その後米国でも、アマルガム関連の訴訟が相次いで起こったようで、今ではまず見られなくなりました。
 日本も遅ればせながら、2016年4月の改訂で健康保険の治療項目から外されたので、保険治療で用いることができなくなったことによって、実質的に撤廃されました」

−−えーと、今何の話してましたっけ?

 「大丈夫ですか?山本さんのお口の中の銀歯が危険だという話ですよ、ホンマ、大丈夫ですか?もう既に大分お口の中のアマルガム中の水銀が気化して吸ってしまったんちゃいます?」

−−じゃ、早速、歯医者さんで詰め物取って、やり替えてもらお!あっ、陳さん一応、こう見えても歯医者でしたよね、お願いします。

 「一応って、感じ悪い言い方ですね。ただでさえ山本さんの口の中なんか診たくないのに、そんないい方されたら、益々やりたくないですね。益々というのは、山本さんが嫌なだけじゃなくって、アマルガムは除去するにもリスクがないとは言えないのです」

−−ないとは言えないって、もう恋なんかしないぃ、みたいな言い方、せんといてください。

 「さっきアマルガムが気化したのを吸い込むのが危ないというお話をしましたが、除去するために、あの歯医者によくある、ウイーーーンっていう、タービンなどで削り取るのですが、削合時の熱などで、口腔内で水銀蒸気が発生するリスクもありますし、あるいはタービンの冷却水の飛散噴霧を吸いこむリスクだってあります。事実、歯科医の尿やツメに含まれる水銀量が通常の4倍だったなど、歯科医の健康被害にまつわる報告も多数なされています」

−−あれー?確か、歯科医師法19条1項に「診療に従事する歯科医師は、診療治療の要求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と規定されているはずですよ。

 「さっきまで物忘れが激しかったのに、すらすらと。そんなこと、いつ覚えたんですか。こんなことだけはしっかりしてはんねんな。じゃ、サービスでちょっと大きめに削って差し上げましょ」

−−そのサービスは要らないです。

  ◇  ◇

 問題のアマルガム銀歯。陳さんによると「危ないとは言え、詰め物の銀歯なんて大きめの鼻くそくらいの大きさなので、例えその半分に水銀を含んでいたとしても、その内の気化する量なんてたかがしれているので過度に恐れる必要はない」とのことでした。むしろ口腔ケアを定期的にした方が良さそうですね。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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