安倍晴明に鬼才と言わしめた陰陽師が主役! 互いを補いあい事件を解決していく2人の平安絵巻

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2021年06月24日 19:11  ダ・ヴィンチニュース

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写真『平安あかしあやかし陰陽師』(原作:遠藤遼、こはく:漫画、沙月:キャラクター原案/白泉社)
『平安あかしあやかし陰陽師』(原作:遠藤遼、こはく:漫画、沙月:キャラクター原案/白泉社)

 平安の陰陽師といえば言わずと知れた安倍晴明。卓越した知識と法力をもって伝説として語り継がれる彼に対し、その師匠にあたる賀茂光栄(かものみつよし)にまつわる資料は少ない。だがその実力は晴明に負けずとも劣らず、陰陽師の双璧とも称されたという彼に焦点をあてたのがマンガ『平安あかしあやかし陰陽師』(原作:遠藤遼、こはく:漫画、沙月:キャラクター原案/白泉社)だ。

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 原作は遠藤遼による同名小説。晴明の師匠なのに18歳も年下だという美少年陰陽師の光栄が、平安貴族社会にはびこる魑魅魍魎を調伏していく人気シリーズで、晴明との歳の差師弟愛が描かれるのかと思いきや、そうではない。光栄の相棒となるのは、とにかくお人好しな光栄の幼なじみ・藤原為頼(ふじわらのためより)である。

 この為頼、とにかく底抜けにお人好し。大宰府から京の都に帰ってきて早々、同じく藤原家傍流のドラ息子から「都外れの廃屋となった邸宅で肝試しをしたら、物の怪にとりつかれてしまったから助けてほしい」と頼まれ断りきれず、数年ぶりに光栄のもとを訪れる。お抱えの陰陽師を頼るには恥ずかしい顛末だからと為頼を頼ったそのドラ息子も、まさか陰陽道宗家たる賀茂家の麒麟児に話を持っていかれるとは思わなかっただろう。

 為頼の性分を知っている光栄は快くその解決を引き受けるのだけど、くだんの邸宅を訪れてみても、物の怪がとり憑くような気配はない。だがドラ息子は、ぐるぐると冷たいものが腰まわりを這うような感覚が続いて寝込んでしまっているという。いったい、どういうこと? と2人は真相をさぐるべく陰陽寮へと向かうのだが……。

 ここで登場するのが、安倍晴明だ。落ち着き払って、どこか他人に対して冷たい印象を与える晴明は、お人好しであるという以外なんのとりえもなさそうな為頼にも、警戒心と敵愾心を向けがち。だがともに事件解決をめざすうち、光栄が為頼を信頼している理由をみずから見つけ、その関係を認める姿はなかなかにぐっとくる。

 ちなみに為頼は、のちに紫式部の伯父となる人で、藤原一門のなかで身分は低くとも(それを作中で揶揄されて光栄が激怒するところなんかも、とってもいい)稀有な才能をたずさえた人物なのである。

 物の怪のなかには、もとは人間だったというものもいる。生きている間は理不尽なしうちに散々苦しめられ、死んだあとも昇華しきれない苦しみや悲しみを抱えたままどうすることもできなくなっている、物の怪。それを調伏するのは、いくらお役目とはいえ光栄にとって心地いいものではない。だがそんなとき、いけすかない相手にも人ならざる存在にも友達と同じようにまっすぐ心を寄せることのできる為頼のような人が隣にいてくれることが、光栄にとっても救いなのだろう。そんな、互いを補いあいながら事件を解決していく2人の平安絵巻。繊細で華麗なイラストで彩られるその開幕を、ぜひ堪能してほしい。なお、原作者・遠藤さんが気にいっているという、あやかし従者の小狐も要チェック。

文=立花もも

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